厚みある小物を持ち運ぶのには、とにかく便利!
さて、245回目もエルメス。前回に引き続き、ポーチ「ボリード(Bolide)」です。
まず「ボリード」について説明すると、エルメスが世界で初めて誕生させた、ジッパーで開口部を開け閉めできるバッグ。
それ以前は、エルメスも他のブランドにおいてもベルトと金具を使ったり、紐で閉じるようなバッグばかりで、利便性も悪く、さらに開いた状態なためプライバシーがダダ漏れなものが多かったんです。
そこでエルメスは、簡単に開閉ができて、開口部をしっかりと閉じた状態にできるジッパーをバッグに取り付けようと計画。ジッパーを輸入して「システム エクレーヌ」という名前で特許を取得し、1923年に誕生させたのが「ボリード」の前身である「ブガッティ」です。
後に「ブガッティ」は「ボリード」と改名されたので、今あるジッパーで開け閉めするバッグの大本になるわけですね。
そして、そんなバッグのフォルムを踏襲し、ポーチに派生させたのが「ボリード ポーチ」。W160mmのミニミニから、W210mmのミニ、W260mmのMM、W310mmのボリード ポーチ31、ベビーラインとして展開されてるW350mmのボリード ポーチTGMと、サイズ展開が豊富なのに加え、コットンキャンバスで作られているためカラーバリエーションも豊富なんです。
現在は廃番のものが多いんですが、当時はエルメスの中ではお手頃だったので、女性に大人気でした。
前回、大好きなトートバッグに、サイズ別のポーチに小分けして詰め込んでいる旨を書きましたが、「ボラボラ」はマチがないので、厚みのある小物は入れにくい…。
そこで、ハンドクリームを筆頭にマウスウォッシュやリップクリーム、予備用のコンタクト、目薬、絆創膏、そしてヘパリーゼや胃薬などのコスメ・ヘルス関連は、このW210mmのミニに詰めて持ち歩いています。裏地もコットンではありますが、多少は水を弾いてくれるので。
ボリードには"マカロン"と呼ばれる旅行バッグであった名残のネームタグが付くのですが、「ボリード ポーチ」の場合は それを同色の刺繍で表現。中には「H」とだけ入ってます。「ボラボラ」同様、わかる人には わかるぐらいの感じがたまりません。
「ボラボラ」は他であまり見たことがない若草色? ライトグリーンを清水ダイブしたんですが、「ボリード ポーチ」は女性が化粧ポーチとして使用するイメージが強かったので、目立ちにくいネイビーを選んでみました。
じつは、このポーチもボリードの中で最も大きなサイズ「ボリード 47(現在は ボリード 45)」から取り出して、マトリョーシカ的な遊びをしたかったんですが、価格がみるみる上昇して買えずじまい…。ポーチだけを寂しく使っていますが、まぁ使いやすいから良しとします。
現在は廃番ですが、お手頃で人気だったことも手伝ってセカンドハンドマーケットには状態の良さそうなアイテムが結構残ってます。気になった方は探してみてはいかがですか?
Photo:Shimpei Suzuki(ITEM)
Text:Ryutaro Yanaka