靴は道具であり、相棒でもあるから新年を迎える際には御礼をこめて美しく磨いてみては？
気がつけば 12月に突入し、2021年もあと残り１ヵ月を切りました。東京オリンピックなんていう一大イベントはあったものの、年間のほとんどは自粛期間…。外出する機会も少なかったですし、そうなると愛する靴を履く機会も少なかった。
とは言うものの、やはり１年を共にした靴に感謝の意を込めてキレイにし、新たな年を迎えるのは気持ちが良い！
ということで、第65弾では磨いた革靴をピックアップしてみたいと思います。
日本ではそこまで浸透していなかった靴磨きも、Brift H（ブリフトアッシュ）の長谷川さんや、FORZAでもお馴染みのTWTG 石見さん、Y's Shoeshine 杉村さんなどを代表するシューシャイナー、イベントとして盛り上げた三越伊勢丹などの頑張りによって市民権を得、道具などの発展・充実も手伝って、だいぶしっかりとした基盤ができあがってきた観もあります。
シューシャイナーに磨いて頂くのはもちろん、ブラシや汚れ落とし、クリームやワックスなどを揃え、自身の手で時間をかけて靴の手入れをするのは気分が良いですよね。
「おしゃれは足元から」「良い靴は、素敵な場所へと連れて行ってくれる」なんて言われたり、"旅行者の足の状態をみると金銭状態がわかる"という逸話から生まれた「足元を見る」なんて言葉もあるように、じつは靴って服以上にその人の素性を表すので、いつもキレイに、新しい年を迎える際には一段と美しい状態にしておきましょう。
では話をクルリンパと戻して、磨いた革靴の素敵な投稿５選をご紹介していきます！
パラブーツの「ウィリアム」
まずは、８度目の登場となった#靴魂の常連@shoes451さんの投稿から。パラブーツ（PARABOOT）の「ウィリアム（William）」です。
ジョンロブのコテージラインの生産を請け負っていたリシャール ポンヴェール社が手掛けていた、ノルウェイジャン製法でラバーソールを履いた「ウィリアム」。
ジョンロブによるコテージラインの「ウィリアム」は姿を消しましたが、2010年にはパラブーツから同名の「ウィリアム」として登場し、多くのファンを喜ばせました。
そんな「ウィリアム」を見事なフルメンテで、美しい鏡面磨きに仕上げた@shoes451さん。コロンブスが手掛けるブートブラック（Boot Black）のローションで汚れを落とし、FORZAもお世話になっているサフィール（SAPHIR）のクリームとワックスで栄養補給＆輝きを加えています。
確か、#靴魂で初めてパラブーツをピックアップした際、@shoes451さんが色ち買いしていた「ウィリアム」の投稿を選びました。あれから１年以上経っていますが、つねに綺麗な状態をキープしていて本当に素晴らしい！
また来年以降も、美しく手入れされた靴たちをお披露目してください。
エドワードグリーンの「インバネス」「アスキス」と、ブルックスブラザーズのウィングチップ
続いては、夏のローファー、ブラウンシューズ、脱ぎ履き楽なブーツ、編み上げブーツの回に登場頂いた@mstk1111さんの投稿から。エドワードグリーン（EDWARD GREEN）の「インバネス（INVERNESS）」と「アスキス（ASQUITH）」、 チャーチ（Church's）が手掛けたブルックスブラザーズ（BROOKS BROTHERS）のウィングチップです。
メダリオンが美しい、ウィングチップとパンチドキャップトゥの茶色い三連星！
エドワードグリーンからは、革の継ぎ目がなく、ステッチでウィングチップを表現したイミテーションブローグの「インヴァネス」と、ストレートチップの名作「チェルシー」にメダリオンとパーフォレーションを施したようなデザインの「アスキス」。ともに採用されているラスト（木型）は、＃888。あのトニー・ガジアーノ氏が手掛けたラストで、細身で美しいスクエアトゥです。
一方、ブルックスブラザーズからは、BROOKS ENGLISHラインのウィングチップ。チャーチが、旧チャーチと呼ばれる時代に生産を請け負っていた頃の一足ですね。ラストはM75、"DEVON"を採用したやや幅広モデルです。
同じ茶系、しかも同じブランドであってもだいぶ色味が異なる。それぞれクリームの色を揃えるのは少々大変ですが、納得のカラーを見つけてお手入れするのは結構楽しいものです。
@mstk1111さんは、カラーラインナップが豊富なモブレイのシュークリームジャーを見事に合わせて揃えていてお見事！
いつもの投稿も素敵ですが、またぜひメンテナンスについてもアップしてくださると嬉しいです！
パラブーツの「ウィリアム」
次にご紹介するのは、トリッカーズの回に登場頂いた@ryo_saitohさんの投稿。パラブーツ（PARABOOT）の「ウィリアム（William）」です。
@shoes451さんと同様にパラブーツ「ウィリアム」ですが、こちらは群馬県で初となる靴磨き専門店クツビガク 木嶋友和さんのイベントに持ち込んでの靴磨き。
プロの靴磨きを間近で拝見でき、同じ靴好きな方々が同じ場に会するというのも素敵ですよね。しかもビールを飲みながらなんて最高すぎます！
プロに磨かれた靴を履くのは自身で磨いたのと違う感動を得られますし、プロの腕前を見て学べるのもイイ時間。お店によってお酒の提供がある場合もありますので、リラックスしながら眺めたり、靴だけに限らず いろいろな会話をしながら靴磨きを堪能する時間をたまには設けても良いと思います。
群馬県でも靴磨きが広がっていくとイイですね。ぜひ@ryo_saitohさんもまわりの靴好きな方たちと盛り上げていただけると嬉しいです！
ベルルッティの「ラピエセル プリゼ」
４番めは、安定の@ryuki_hさんの投稿から。ベルルッティ（Berluti）の「ラピエセ ルプリゼ（RAPIECE REPRISE）」です。
引き裂かれた傷口に、スクリットカリグラフィを縫い合わせたような斬新なデザインの「ラピエセ ルプリゼ」。
サラッと履くのは難しそうですが、文字通り芸術的な一足。そして、中古とはいえ、これを手に入れる@ryuki_hさんは、さすがです！
そして、これを持ち込まれても見事に磨き上げるTWTG石見さんのテクニックにも感服。FORZAの靴磨き学校で講師をして頂いているのも相当な名誉です。
確かにこの靴ならその場磨きをお願いしたくなりますね。現在は残念ながら東京・渋谷のお店はクローズしてしまいましたが、船場ビルディングの本店ならその場磨きも可能ですし、遠方の方には配送でのサービスにも対応なさっています。
ぜひ世界一に輝いた靴磨きを堪能してみてはいかがでしょう。
そして、毎度@ryuki_hさんの投稿には助けられます（笑）。靴磨きをピックアップしようと思ったら石見さんに磨いて頂いていて投稿されてるなんて、完璧すぎました！ 今後もよろしくお願いします。
ナノユニバース別注ジョセフ チーニーの「バタフライローファー」と、クロケット&ジョーンズ「ウェストフィールド」
最後は、#腕時計魂のグランドセイコー編に登場頂いた＠kobuchizawaさんの投稿から。ナノユニバース別注ジョセフチーニー（JOSEPH CHEANEY）の「バタフライローファー」と、クロケット&ジョーンズ（Crockett&Jones）の「ウェストフィールド（WESTFIELD）」です。
蝶が羽を広げたような形のレザーストラップが特徴的な「バタフライローファー」。クロケット&ジョーンズが英国のビスポークシューメーカーのためにOEM生産していたモデルですが、チーニーにもあったんですね。
写真を拝見するとブラウンに見えますが、黒とのことで結構気になります。
そして、丸みのあるエッグトゥと、コンパクトに仕上げられ日本人のかかとでもホールド感の高いヒールカップが特徴なクロケット&ジョーンズのセミブローグ「ウェストフィールド」。ドレスに限らずカジュアルな装いにもマッチする一足を"高島屋のメンズセールにてあり得ない値段で買えた"なんて、なんとも羨ましいです。
こちらはプレメンテなので、汚れを落とすというよりは履く前にお手入れして、汚れをつきにくくする行為。意外におざなりにされがちですが、作られてから時間を経た革は水分や油分が抜けて乾燥してることが多くヒビ割れなどが起きりやすい。悲しい思いをする前に事前準備をすることで、靴をキレイなまま長く履くことができます。
そして、スエードやヌバックの場合は、＠kobuchizawaさんのように保革栄養と防水ができるサフィールのスエード&ヌバック スプレー、もしくは通気性を損ねることなく水や油、汚れなどから強力に保護してくれるタラゴのハイテックナノプロテクターを使っておくのが吉。
急な雨でも怖くないですし、汚れもつきにくくなるのでキレイな状態を長く保てます。
やっぱりキレイな靴を履いていると気分がイイですよね。もちろん紳士たるもの、つねに心掛けるべきではありますが、新しい年を迎える際には昨年までの御礼をこめて、より一層美しく磨いてあげるのが良いかと。靴は道具であり、相棒でもあると思いますから。
それでは、本日はここまで。是非これからも ドレスシューズに限らず、ブーツやスニーカーなどなど、みなさんの愛用靴を「#靴魂」を付けて たくさんポストしてください！ 目標は、#腕時計魂に追いつくことです！！
ちなみにですが、会員登録して頂けるとコメントを書き込むことができますので、#靴魂に対するご意見や感想、「オレはココの靴が好きだー」「こんな切り口で靴が見てみたい」などなど奮ってコメントしてください。
それから、インスタグラムの#靴魂を介して、皆さんが交流してくれたら、こんなに嬉しいことはありません。
投稿に関してですが、撮影の仕方は自由。靴のみ、履いている足元、その靴を中心としたコーディネートなどなど、靴が写っていれば何でもOKです。ぜひご自慢の一足をインスタグラムに投稿してください。もしかすると あなたの投稿を取り上げるかもしれません。
それでは次回の「あなたの靴、見せてください」もお楽しみに！！
Edit：Ryutaro Yanaka
