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FASHION 干場の「エロサバ」

【色気・エロスを封印!】そしてバージョンアップしたエロサバ 2.0

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もしダニエル・グレイグが007シリーズでこのフライトジャケットを着たら……

10月1日に公開になった007シリーズの最新作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』はもうご覧になりましたか? 1962年に始まった同シリーズはこれで25作目。6代目のダニエル・グレイグ最後のジェームズ・ボンド作品としても注目が集まっていますよね。

そこで、この映画を鑑賞するにあたって、これまでの作品をもう一回観直したてみたんです。それからというものの、妙にミリタリーっぽい格好がしたくなってしまい……。今回は、1932年登場のフライトジャケットの名品「A-2」を主役にしたスタイルをご紹介します!

アイテム
ブルゾン/1PIU1UGUALE3(ウノピュウノウグァーレトレ) BLACK MILITARY BY YOSHIMASA HOSHIBA
Tシャツ/+CLOTHET
パンツ/1PIU1UGUALE3(ウノピュウノウグァーレトレ) BLACK MILITARY BY YOSHIMASA HOSHIBA
サングラス/レイバン
ベルト/FIXER
時計/MARATHON
靴/WH

英国海軍中佐でありながら、その本当の職務は英国防相秘密情報部「MI6」のエージェントであるジェームズ・ボンド。イアン・フレミングの原作では、予備役中佐とされていますが、それは決して公にできない真の姿をカムフラージュするためのもの。スーツスタイルの印象が強いボンド作品にも、実はミリタリー由来のアイテムがちょいちょい出てくるんですよ。

ダニエル・グレイグがボンドを演じるようになった、2006年の『007/カジノ・ロワイヤル』から何作か振り返っても、ボンバージャケットやコマンドセーターのようなものを身に着けていますし、何より原作者のイアン・フレミング自身が英海軍情報部に勤務経験があり、第二次世界大戦中には諜報部員として活動していたという人物なんだそう。つまり、ミリタリーとは切っても切れない縁があるのです。

この「A-2」は、僕が「1PIU1UGUALE3(ウノピュウノウグァーレトレ)」とのコラボで展開している「BLACK MILITARY BY YOSHIMASA HOSHIBA」による一着。ボンド映画の最新作に「A-2」は出てきませんが、もしダニエル・グレイグが『007』シリーズでこのフライトジャケットを着たら、という設定で妄想を膨らませました(笑)。

カーゴパンツも少し前に発売したBLACK MILITARY BY YOSHIMASA HOSHIBAのもの。編み上げブーツは「WH」のコンバットブーツです。かたちはモダンなアレンジが施されていますが、ガチのミリタリー合わせにしては上手くできたなと自画自賛しています(笑)。

通常、「A-2」はブラウン、カーゴパンツはオリーブグリーンが主流ですが、色がブラックになっただけでもガラリと雰囲気が変わるんですよね。ただ、Tシャツまでブラックにしてしまうと、狙っている感じが出てしまうと思ったので、あえて白を選びました。

何も考えないで合わせました、というぐらいがちょうどいいかなと……。さらにミリタリーっぽさを出すならオフ白のサーマルなんかもいいでしょうね。

『007』シリーズとミリタリーの蜜月関係のエピソードでは、初代ボンド役のショーン・コネリーが、風防がボロボロで傷だらけのサブマリーナにNATO海軍仕様のナイロンベルトを装着していたのが、すごく新鮮だったんです。大好きな映画ということもありますが、それ以来、ボンドがミリタリーアイテムをどう使いこなしているかに興味津々でして……。最新作でもコマンドセーターや編み上げブーツが登場していたのですが、やはりこういうタフネスなアイテムは男心をくすぐりますよね。

最近、エロサバの「エロス」の表現が時代の移り変わりとともに変化しているのを感じており、自分でも上手く言葉にできていなくてモヤモヤしていたんです。ただ、男性から醸し出されるエロスは女性が見て感じるもの。だから、より男らしいスタイルがいいのでは、という結論に達しまして……。

シャツのボタンを何個も開けた肌見せなどは、いまとなってはあざといだけ。禅問答のようですが、色気・エロスとは無縁のストイックさから匂い立つものなんじゃないか、というのが現在の僕の心境です。

だって、『ゴルゴ13』(小学館)に登場する超一流スナイパー、デューク東郷も胸をはだけたりしないじゃないですか。それなのに、あの色気を撒き散らす様子は反則というか、ハードボイルドな性格だからこそ成立するエロスなんでしょうね。そして、そのデューク東郷はこんな名言を残しています。

「……男なんてのは、自分が一番良いと思う事をやるしかないんだ……たとえそれが、他人から見て、どう映っていようと……な。そして、一度決めたら状況がどうなろうと信じるしかない……」(第162巻:「鶏は血を流す」より)

マジでかっこいい……。しばらくはこの方向でいこうと思います(笑)。


今回のスタイルのキモは……。

●時代に応じて変遷するジェームズ・ボンドのスタイルはいつも参考になる。
●ミリタリー合わせは本気過ぎないかたちと色使いで。
●エロスを微塵も感じさせないスタイルこそがエロサバ2.0。
●ゴルゴ13の名言をいつか日常で使ってみたい……。
●新しい生活様式は、無理せず、油断せず、続けることが大切。


Photo: Ikuo Kubota (OWL)
Styling&Model:Yoshimasa Hoshiba


 

8冊目の書籍がダイヤモンド社から発売することになりました。タイトルは『これだけでいい男の服』。

世の中信じられないぐらいの洋服や情報が溢れ過ぎていて何を買ったらいいのか?どう着たらいいのか? よくわからない方もいらっしゃるんじゃないかと……。ということで今回は、僕が考える究極アイテム50とそれを使った春夏秋冬スタイル30をご紹介することにしました。ある意味、干場流服装術の集大成。

いつ誰が見ても参考になるように、着こなしはベーシックに、写真から文章表現まで熟考を重ね、わかりやすく作りました。少ないアイテムで1年間のさまざまな「装い」を網羅しなければいけなかったのでかなり苦労しました。おかげでこの数ヶ月、徹夜続き(涙)。

でも長年ご一緒している信頼出来るスタッフの協力もあって、とても良い本に仕上がりました。掲載しているスタイルは、僕が素敵だと感じる基本スタイルの一部です。ですのでこのスタイルをベースに、自分の個性や色を足したり引いたりしながら、自分のスタイル(型)を築き上げていただければ幸いです。

「お洒落」と「装い」は違います。「お洒落」は、意味も考えずとりあえず洋服を羽織れば成立しますが、「装い」とは、洋服の基本的なことを知り、いつどこに誰と何をするために着ていくのかを考えなければいけません。それぞれのアイテムの由来や基本的な着こなしのルールを知れば、いつ、どんなときに、どんなものを身に着けるべきかを知ることができます。

今、多くの人が知るべきは、ファッション誌に書いてある流行の「お洒落」ではなく、服装の理論に基づいたグローバルに通用する「装い」です。この考えはトレンド好きな女性にも通用するものです。

ハイエンドからファストファッションまで、着尽くしてたどり着いた結論! 年齢や役職に合った服装とは?  投資価値のある服とは? 必要最小限の服で、ビジネスカジュアル・スーツ・私服を網羅した「これだけでいい男の服」。少しでも多くの方々にご高覧いただきお役に立てれば光栄です。ぜひ読んでみて下さい。


「これだけでいい男の服」

(ダイヤモンド社)

【エロサバ】-Hoshipedia

「エロサバ」とは、エロいコンサバの略で、干場の哲学により生まれた造語。シンプルでベーシック、コンサバティブな洋服を着ているのに、なぜかエロく見えるスタイルのこと。例えば喪服の女性。成熟した大人の女性が喪服を着ていて、メイクもナチュラルで抑制しているのに、不思議と色っぽく見えるスタイル。例えば、普通の白いシャツを着ているのにも関わらず、胸元のボタンの開け方や袖口のまくり方でSEXYに見えるスタイル。粗悪な素材でデザインが変わっているシャツでは駄目。上質な素材でベーシックなシャツだからこそ、崩して着こなしても上品さが保てるのです。男性で例えるなら、仕立てられたグレーの無地のスーツを着て、上質な白シャツに黒の無地のネクタイのような極めてコンサバティブなスタイルをしているのに、内側から大人の色気が香るスタイルのこと。



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