特徴的なデイライト、その名はシケイン⁉︎
2021年11月11日。同じ数字が4つも並ぶのだから何かあるに違いない! そう考えるのは人間の本能なのでしょうが、満を持してオンライン発表会をモニター前で待ち構えていると、車名が大写しになったまま一向に始まる気配がない。
回線トラブルか? と思っていたら、日系エンジニアが登場しバリバリネイティブな英語で何やらペラペラ。「今日の主役をはよ見せんかい!」と思っていたらステージ奥から黄色い新型アキュラ・インテグラ(コンセプト)が登場。そして……終了! ストレートにヤマをはって大谷翔平の剛速球を待ち構えていたら桑田真澄ばりの超スローカーブが来た……といったらお分かりいただけるだろうか(笑)。
肝心要のインテグラは2023年モデルだけに、どこまで詳細を語ってくれるか? と思っていましたが、わかったのは1.5Lの直4ターボ+6MTが用意されたプレミアムスポーツコンパクトであるということ。これって日本で売ってるシビックと同じですよね? というワケで、個人的には「まだスポコンいいます?」でございます。
これまでフロントヘッドライト、斜め後方アングルからの眺め、6速を刻んだシフトノブと、3枚のティザー画像が公開されてきましたが、正直いって、ココまで待ったのだからもう少し情報をくださいなという感じ(本番はもう少し先のハナシでしょうが)。
インディイエローパールというコンセプトモデル(と称する車体)のボディカラーも少々期待を裏切ってくれました。コチラが勝手に「エレガント路線?」と勘違いしてきたからでしょうか、鮮やかなボディカラーの魅力は別として、どうにもしっくりきません。実際のマーケットは別として、スポコンインテグラではなく大人プレミアムな4ドアスポーツクーペを強調してほしかったなと思います。
気を取り直して新たに発表されたプレスリリースに目を通します。気になる価格は3万ドル台との記述が。基本的メカニズムはシビックと同じなので、先読みすれば6速MTの他にCVTも設定されるでしょうか。
特徴的なヘッドライトはジュエルアイLEDヘッドライトといい、パテントをもつヘッドライトでした。エッジを効かせたデイライトのデザイン名はなんと『シケイン』。いかにもモータースポーツのDNAをもつホンダらしい演出です。
リアのコンビネーションランプは一体式で、シビックのようにリアフェンダーとハッチゲートで2分割されるタイプとは違い、インテグラの特徴的なリアスタイルを構成しています。この点はティザー画像と変わりなく見えます。
デッキタイプのスポイラー形状の恩恵もあり、シビックとは違い尻すぼみ感がないのはインテグラの魅力でしょうか、躍動感があり、かつ、精悍な印象です。
最後に気になったのは、このインテグラが日本発信のデザインであるということ。先に触れたように基本的メカニズムはシビックと共通。ホンダが日本で作ろうと思えばシビックと同じ工場で作れるはず(ヴェゼルとフィット同様に)。
今回の新型インテグラはアメリカのオハイオ州で生産されるそうですが、なんとか日本でも発売してほしいというのがホンダファンの切なる願い。「じつは日本でも作る計画なんですよ」なんて話を聞きたいものです。
Text:Seiichi Norishige