冬以外の3シーズン、気兼ねなく穿ける優秀な一本!
さてさて、第17回目はイギリス軍のライトウェイト ファティーグパンツです。
こんな時代だからでしょうか、リリースされる服はベーシックなものばかりとなり、遊びのある新作を目にする機会はだいぶ減りました。
それでも、お洒落を思う存分楽しみたい層は一定数いるわけで、そんな人々は面白い服を求めて古着を掘り、軍モノなんかにも手を広げる。
結果、かつてのヴィンテージ ブームとはちょっと違ったバブルが発生し、球数が減っていくばかりの古着や軍モノの価格が恐ろしいことになってます。フランス軍 M-47の値段とか見ると、気が遠くなりそう。
軍モノの良さって、命に関わる服だから機能的かつ実用的。そして、有事に備えて切らすわけにいかないから量産されており、それが平和になって不要になり、民間へ払い下げられて安価で手に入れられるのが魅力だったのに…。
まぁ、カッコよくて手に入れにくいモノの価格が釣り上がるのは世の常ではありますが、本来の部分を逸脱するのには賛同しにくいので、軍モノは安いものだけを探し求めて買うように心掛けています。
と、前置きがだいぶ長くなりましたが、このイギリス軍のファティーグパンツは、パッと見は米軍のベイカーパンツに似たユーティリティパンツです。
フロントに付けられた大きなパッチポケットが特徴ですが、ちと異なるのは左脚にだけ付けられたカーゴポケット。
オリーブドラブでカーゴポケットが付くと、どうしてもミリタリー感が強くなるものですが、マチがないためテーパードが効いたすっきりシルエットを崩すこともありません。
ちなみに、ケツポケは右側のみ。左側の代わりがカーゴポケットってことなんでしょうかね。
フロントはジップフライで、ドイツのファスナーメーカーであるオプティ(opti)のものを採用。昔のアディダスのジャージには、このジップが使われていました。
素材はコットンとポリエステルの混紡で、ライトウェイト。寒い冬場には向いていませんが、それ以外の3シーズンは結構快適に穿きこなすことができます。
前述したように基本払い下げのUSEDが多いんですが、ラッキーなことにデッドストックを入手。まぁ、そこまで価値のあるアイテムでもないため、USEDもデッドストックも同額の5280円で、とにかく安いっ!
ポリエステルが混紡されてるんで、穿きこむと毛羽立ってくるとは思うんですが、5000円台ですから気にせずガシガシ穿けますし、膝ついての作業だって問題なし。
ワンサイズくらい大きめを選んで、ベルトでウエストを絞って穿いてます。
安価でお求めやすいので、良サイズは完売してることが多いんですが、地道に探せばまだまだ見つかるとは思います。
ただ、これも軍モノ特有の面白さで、一本一本色が異なるからお気をつけを。
Photo:Shimpei Suzuki
Text:Ryutaro Yanaka