用途が限られるので、今では年1程度の使用ですが、お気に入りです。
バーニーズ ニューヨークの顔的存在として、PRや自社メディア、オンラインストアを統括する中野光章さん。インディアンジュエリーに対する造詣が深いのは業界内外でも有名で、数多の名作を備えています。
ファッションにおいても、モードにとどまらず、古着、ストリート、はたまたアルティザンまで幅広いジャンルに精通する中野さんが、思い入れが強くて捨てられなかった服をご紹介する企画の第4回目は、ゴローズ(goro's)のメディスンバッグです。

「大学時代のアメフト部に、渋カジをこよなく愛するケビンというあだ名の友人がいて、相当なゴローズ好きでした。
彼の付き合いで一緒に買い物に行くことになり、当時は今ほどの並びはなかったので抽選もなく、普通に丸太に座って並んで順番を待って入店したんですが…、興奮して いろいろオーダーする友人の傍で、そのときはうまく自分の欲求がまとまらず、
並んだのに何も買わなかったので、スタッフの方には だいぶ驚かれましたが(笑)。
その後しばらくしてから、あのとき飾ってあったバッグが良かったかもと思い始め、ひとりで再訪。買いたい旨を伝えたんですが、残念ながらそれはサンプルのため購入はできず…。
しかし、似たようなこちらのバッグは商品だったので、購入に至るわけです。

フラップの縁に、5セントニッケルシルバーのベーシックなコンチョを表裏交互に打ち付けて貰ったものの、なぜかほとんど使用しなかったんです。
ひとりで並んで緊張して買ったのに…(笑)。
その後、しばらく寝かせる日々が続いたんですが、ある日 上野にあるインディアン ジュエリーショップ、スラブでWBH(ウィルフォルド・ヘンリー・ビゲイ)のバックルに出逢い、"まんまベルトに付けるには厳つすぎるけど、あのゴローズのメディスンバッグに付けたらカッコいいんじゃないか"って閃めきまして。

バックルに丸カンをつけて加工して頂き、コンチョのようにしてバッグにセットしたらイイ感じになったので、社会人になり新宿店のデザイナーズフロアに立っていた頃の休日に
財布入れて携帯を入れると一杯になってしまうので、用途は限られ、今では年に一度使うかどうかですが、見た目も可愛いので愛着もあり、これからも手放さずに置いておくと思います」。

バーニーズ ニューヨーク クリエイティブサービス部 兼 EC部 アシスタントディレクター
1996年バーニーズ ジャパン入社。新宿店デザイナーズフロア、PR、セールスプロモーションの各マネージャーを経て現在はPR、自社メディア、オンラインストアを統括。インディアンジュエリーに深い造詣を持ち、座右の銘は「インディアンジュエリーは出逢ったときが最安値」。
Photo:Shimpei Suzuki
Edit:Ryutaro Yanaka