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CAR 中年と中古車

奇跡の車アルヴィスを乗り比べて驚いた【新車なのに戦前車】

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若かりし青年があっという間に中年となっているように、かつては高嶺の花だったピッカピカの新車も気がつけば中古車に。あの時は高くて買えなかったけど、今ならイケるかも!? な妄想を抱く二人の中年、中古車野郎Aチームが読者の皆さんに代わってとっておきのクルマを探す企画です

あの名車を新車で乗れたら……そう思う車はありませんか? R32GT-R、ナローポルシェ、トヨタ2000GT……新車で買って、大事に今まで持っていられたら、今いくらで売れるんだ! なんて野暮言う人は、新車で買っても目移り激しくちょいちょい乗り換えてしまう質。

コンティニュエーションというカテゴリーが世界でちょっとしたブームになっています。継続を意味するこのカテゴリーは、往時の名車を現代に蘇らせること。当時の図面をもとに、新品のパーツで組み立てられた車がそれで、ジャガーはDタイプ、XKSS、Eタイプ・ライトウェイト、そしてCタイプを、アストンマーティンはDB5ゴールドフィンガー、DB4GTザガートを、復刻させています。

今回ご紹介するアルヴィスもコンティニュエーションに力を入れています。アルヴィスは、1919年にスタートした英国の自動車メーカーで、1960年代までロールスロイスやベントレーに次ぐ高級車を製造していました。70年代以降は軍用車両などを手掛けていましたが、数年前に突如、コンティニュエーション車両を登場させました。

ちなみに、アルヴィスはエンジン、シャシ、トランスミッションを自社生産し、ボディを名だたるコーチビルダーに外注することで有名でした。パークウォードやヴァンデン・プラがその代表で、コンティニュエーションでもそれらの意匠をしっかりと再現しています。

今回は4.3リッター・ヴァンデン・プラ・ツアラーの1937年式ヘリテイジと、2020年式のコンティニュエーションを乗り比べることができました。見た目は本当に同じです。ヴァンデン・プラが手掛けた美しく豪華、そして上品な佇まいにうっとりとさせられます。

コノリーレザーのタッチもたまりません。ただし、補器類、たとえばブレーキがドラムからディスクに、ステアリングがウォーム&ローラーからラック&ピニオンへ、さらにキャブからインジェクションへと交換されているのです。

乗るとどちらも魅力的です。ヘリテイジは、ウォーム&ローラーの操舵に慣れるのに少し時間はかかるでしょうが、それを自分で手なずけられた喜びは何物にも代えられないでしょう。

一方、コンティニュエーションは大戦前の車両を現代に、なんのストレスもなく走らせられる奇跡にただただ感謝したい。街行く人の視線をたまには楽しみたい。ちなみに、前述のジャガーらのコンティニュエーションカーは公道では走らせることはできません。現代の安全基準を満たさないのがその由。アルヴィスは幸か不幸か小規模メーカーのため、この安全基準を満たす義務がなく、ナンバーが付き、公道を走れるのです。

しかも、年式は往時のもの。つまりコンティニュエーションながら年式は1930年代となるのです。これは奇跡と呼ばずにはいられません。ちなみに値段は6000万円ほど。これを高いと見るか、安いと見るか。クラシックカーに造詣が深い方なら、これは安い、と思うはずですが。そんな奇跡の車、アルヴィスが走るシーンを動画でもお楽しみください。

【動画】新車なのに戦前車!奇跡の車アルヴィスを乗り比べ

 
Video:Yoshihide Shoshima
Video Edit::Airi Harumi
Text:Takashi Ogiyama

【車両に関する問い合わせ】
ALVIS品川ショールーム
東京都港区港南2-12-23明産高浜ビル1F
03-5563-8863
アルヴィスの公式サイトはこちら



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