見た目からは想像できないほど軽い履き心地です
コロナ禍の影響で、自分の身は自分で守るといったマインドチェンジがあり、最近はミリタリーウェアに着想を得たような服ばかり着ています。しかも、1PIU1UGUALE3(ウノ ピゥ ウノ ウグァーレ トレ)とコラボで約1年間、「BLACK MILITARY」シリーズを続けているおかげで、その手の服がどんどん増えておりまして……。ところが、あるときはたと気がついたんです。合わせる靴がないことに(失笑)。
現行のアメリカ軍のコンバットブーツは、ハイテクなアウトドアブーツのようなつくりになってしまっていて、僕の好きな1960〜70年代のミリタリーウェアにしっくりこない。かといってモードブランドのものは特徴をデフォルメしていて、自分には大袈裟な気がしてしまう。
当時の本物もユーズドで見つけられますが、重い、堅い、(長時間履くと)痛い、の三拍子揃っていて、とてもじゃないけれど街履きする気になれません。つまり、ちょうどいいのがないんです。
ならば、坪内浩さんと僕が手がける「WH(ダブルエイチ)」でつくってしまえ! と取り組んだのがこのブーツ。目指したのは、ミリタリー特有のタフなイメージは残しながら、デザインされ過ぎず、モダンなコーディネイトに似合う一足です。
脱ぎ履きしやすいように内側にジッパーを装着し、足に当たっても痛くならないようにアンクル部分にパデッドを付けたのもポイント。
あと、本物のコンバットブーツは筒が太くて、僕が愛用するMINE DENIM(マインデニム)の「S.SLIM」に合わせると裾がもたつくのですが、これならきれいにデニムの中に収まります。
素材には、アノネイ社による「フンシャルカーフ」を採用。これがまた、とにかく柔らかくて、もっちりと足に吸い付いて、本当に最高なんです。
ソールにはおなじみのビブラム社による超軽量の「タンクソール」を選びました。実際に履いてみるとわかりますが、見た目のハードな印象からは想像できないほど軽い仕上がり。従来のWH同様にスニーカーのような履き心地を実現しています。
いやいや、ようやくこれで長い間、モヤモヤしていた気持ちが晴れました。これを履いてどこに行こうかな。
6万3800円/WH(オリエンタルシューズ)
【問い合わせ】
オリエンタルシューズ
03-6804-3280
WH ウェブサイト
Photo:Ikuo Kubota(OWL)
Text:Toshiaki Ishii