限定モデル『T-spec』はNISMO譲りの専用装備だ
日産から2022年モデルの『NISSAN GT-R』が発表されました。正式発売日は今後のアナウンスを待つことになりますが、なんせ2021年モデルは発売早々に完売。今回も”瞬殺”のウワサが絶えません。
ポルシェ911ターボキラーの異名をもつ日産GT-Rは、世界的に支持を集めるスーパースポーツファン垂涎の一台です。押し寄せるEV化の波にいつ生産中止となってもおかしくないと思われる自動車業界のレッドリスト的存在です。
今回発表された2022年モデルのなかに最高峰の『NISMO』(完売)はありませんが、注目は車名の最後に『T-spec』の名を連ねた特別仕様車です。ちなみにこの2台はカタログモデルではなく抽選販売車(申込期間は2021年9月15日~9月29日まで)。日産によれば「基本的に両モデルあわせて100台限定ですが、なんとか1台でも多く作りたい」といいます。
【2022My NISSAN GT-R】
●カタログモデル
Pure edition 1082万8400円
Black edition 1277万2100円
Premium edition 1232万9900円
Track edition engineered by NISMO 1463万6600円
●抽選販売モデル
Premium edition T-spec 1590万4900円
Track edition engineered by NISMO T-spec 1788万1600円
『T-spec』両モデルに共通するのは、専用カーボンセラミックブレーキ、カーボン製リヤスポイラー、専用エンジンカバー、専用バッヂ(フロント・リヤ)の特別装備です。個別に見て行きましょう。
『Premium edition T-spec』には、専用のレイズ製アルミ鍛造ホイール(ブロンズ)を採用することでバネ下質量の軽量化を生かし、サスペンションに専用セッティングを施しています。内装のコーディネーションも専用。
バネ下の軽量化の恩恵は、ホイールリム幅の拡大によるタイヤの高剛性化(専用タイヤ)につながり、軽快でスムースなハンドリングを実現。結果的に修正操舵が50%低減されドライブが疲れにくくなるとか。
『Track edition engineered by NISMO T-spec』には、専用カーボン製ルーフ、カーボン製トランクリッド(トリムレス、本革プルストラップレス仕様)を特別装備。『NISMO』を参考にカーボン製パーツを採用し、さらなる軽量化を実現したといいます。
こうしてふたつの『T-spec』を比較すると、プレミアムエディションベースがあらゆる路面をいなすGT系、トラック・エディション・エンジニアード・バイ・ニスモベースが走りのパフォーマンスを追求したモデル作りとなっています。
新色のボディカラーは、歴代GT-Rに採用してきた色の進化版「ミッドナイトパープル」と、神秘的なオーロラから着想を得た「ミレニアムジェイド」の2色を追加。このあたりの経緯は日産の公式YouTubeチャンネルを是非ともご覧ください。
最後に『T-spec』という名称の意味をプレスリリースから引用すれば、“時代を導くという哲学であり、GT-Rの在り方や、その時代を牽引するクルマであり続けるという願いを表現した「Trend Maker」と、「しっかりと地面を捉え駆動する車両」という開発におけるハードウェアへの考えを表した「Traction Master」から名づけました”となります。
『NISSAN GT-R』に2023年モデルはあるのか? あるいは、この先2022年モデルの『NISMO』の発表はあるのか? など悩ましい疑問は残りますが、いずれにせよ『T-spec』の抽選申込は2021年9月29日が最終日です。お忘れなきようご注意ください。
Text:Seiichi Norishige