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FORZA STYLE - 粋なダンナのLuxuaryWebMagazine
FASHION 店主の拘りが強い店

代々木上原の洋服屋さんに突撃。クセ強のきっかけは「マーケティング疲れ」!?

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服好きにとって、メンズショップの店主やスタッフと服の話をするのは何よりも楽しい。

マニアックで博識でクセがすごい店の“トリセツ”を紐解いていく今回は、「代々木上原に土曜日になるとおしゃれな男性が並んでいる店がある」というウワサを聞いて向かった「JOHN(ジョン)」にフォーカス。2011年7月にオープンしてちょうど10年目で、オーナーの檀上佑一さんは、「8月は入荷が多いので ぜひ見に来てください」とメッセージ。

【JOHNのトリセツ①】商品は、別注&オリジナルがメイン

秋冬の立ち上がりのオススメは、ムートンジャケット!

上の写真で檀上さんが手に持っているのは、スペインの「GABRIELA COLL GARMENTS(ガブリエラ コール ガーメンツ)」というブランドのコート(13万7500円)。仕入れた理由を尋ねると、「デザイナーは女性なんですが、勢いで作っちゃった感じに惹かれました。ドメスティックブランドにはないインポートらしいデザインと雰囲気がとても好きです」と説明してくれました。


オーナーの檀上佑一さん

この取材で、FORZA STYLEの読者の方にぜひ見てほしいとショップの奥から持ってきたのが、ムートンジャケット。


受注受付中のムートンジャケット

「自分がすごく気に入って着ていたムートンジャケットがあるんですが、とても重いんです。でもデザインはカッコイイので、うちで取り扱っているブランド「stein(シュタイン)」にお願いして、作り直してもらいました。

今、受注受付中なんですが、とても軽く仕上がっているので、ぜひ試着してほしいです」と檀上さん。

今のところ価格は19万円ほどを予定しているそうです。

【JOHNのトリセツ②】好きなモノしか扱わない

自分が気に入ったモノだけを置いている“趣味の店”

JOHNは、2011年に、外国人向け託児所だったブルーの外観の一戸建を改装してオープン。檀上さんが洋服のバイヤーで、奥さんがパティシエだったので、当初は「奥さんのカフェをメインに、僕がロンドンで買い付けてきたTシャツや小物を扱った“イギリスっぽい雑多な店”にしたかった」そうですが、二人に子どもが生まれて忙しくなって、次第に洋服をメインにする店にシフトしていったそうです。

お店のコンセプトは?と訊くと、「洋服屋で商品をセレクトしていない店はないと思うので、セレクトショップと呼ぶのもイヤで、あえて言うなら“趣味の店”ですね。コンセプトは定めていないし、自分が気に入ったものだけを置いています」


“is not available”Tシャツ各7920円

と言いつつ、しっかりJOHNのオリジナルも作っていて、「これはオリジナルというより謎のプロジェクトで(笑)、“is not available”と呼んでいるんですが、ベルリンのブランドから送られてきた商品と一緒にインビテーションが入ってきて、それをプリントしたTシャツです」と檀上さん。今日は本人も着用しています。

「好きなブランドしか扱わない」というJOHNがラインナップしているブランドは、日本ブランドの「COMOLI(コモリ)」や「stein(シュタイン)」、「HERILL(へリル)」などが人気で、コモリは2013年頃から取り扱っているそうです。

いずれのブランドもショップ別注の商品が多い理由を訊くと、「JOHNの前、恵比寿にあったショップのバイヤーをしていたときは、その時の売れ筋商品や新しいモノを探すことに一生懸命になっていたんですが、そういうのもしんどくなって。その反動が いまのうちのスタイルです」と説明してくれました。

【JOHNのトリセツ③】街の変遷と人の移り変わり

洋服好きのコミュニティがなくなってしまった

小田急線の代々木上原駅が全面的にリニューアルしてから、なんとなく街の感じが変わったなと調べたら、高架下の商業施設がリニューアルしたのが、JOHNがオープンした年の2011年。

檀上さんは、「オープンした当初は、カフェのお客さんを中心に、新しいモノ好きのコミュニティのようなものができつつあったんですが、そういう人たちが引っ越したり、街も2年ほど前から大衆受けする店が増えて、変わってきましたね」

JOHNの現在のお客さんは30代や40代が多く、「ここから引っ越していった人がわざわざ来てくれたりしますが、新しく引っ越してきた人は来ないですね(笑)。前は近所の人をターゲットにしていたんですけど、今は特にターゲットを決めずに、本当に自分がやりたいことに集中して、それを表現すればいいかなと思っています」と言います。

【JOHNのトリセツ④】40代になって考えること

洋服のプロは当たり前。違う情報を話し合えるほうが楽しい

JOHNをオープンして10年。「洋服をメインにしてから、まだ手探りの部分もありますが、自分が“趣味の店”と割り切ってから売上も伸びているし、相当ニッチな店ですが、そういうスタイルが好きな人が集まったり、紹介してくれたりして広がっているのは感じます。“他にないから買ってくれる”という感じですね」

オープン当初は30代前半で、いまはFORZA男子と同じ40代の檀上さん。ファッション観の変化を尋ねると、「20代、30代はいろんな店を見て回っていましたが、今は行っても古着屋ぐらいで、洋服の情報はなるべく入れないようにしています。その方が本当に好きなモノと出合えて仕入れることができるし、服以外の政治やアートなどをいろいろ見て、“今はこういうのが良いな”と俯瞰して考えるようにしています。

サラリーマンの人もそうだと思いますが、自分の仕事だけを見ていたら飽きちゃいますよ。自分は洋服のプロなのは当たり前ですが、自分を飽きさせないためにもいろいろ見たり感じたりするようになったと思います」と、40代の仕事観を語ります。

『JOHN』
東京都渋谷区元代々木町18-8
Tel.03-6407-0177
営業時間:土日祝13:00~18:00、月・火曜14:00~19:00
水~金曜定休
Instagram:@aiamjohn

Photo:Yuuji Hirose(Quand Photos)

Text:Makoto Kajii



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