CAR Dr.ノリシゲの妄想ドライブ

【スバル新型BRZ】ハイスペック過ぎてハチロクの機先を制したのでは?

説明しよう! 妄想ドライブとはヴェテラン モータージャーナリスト・ノリシゲセイイチが「このクルマにのったら、こんなことをしたい。こんなところに行きたい。この街道でぶっ飛ばしてチャンネーとこんなことがしたい!」と妄想の世界に遊ぶ気絶コラムである!

BRZのリアルな残価は5年後37%です

トヨタGR86かスバルBRZか? 大いに悩むことながら、先行販売されたのはBRZでした。メーカー間の垣根を超えたこの兄弟車、その論争に際限はないのでしょうが、指名買いの2車だけに、意外と迷わない方も多いのではと思います。

BRZの車名の由来は、「Boxer Engine」+「Rear wheel drive」+「Zenith」の頭文字。低重心を実現したボクサー(水平対向)エンジンを搭載し、究極のスポーツ性能を追求した後輪駆動車という意味になります。車体を上方から見下ろすと搭載されたエンジンが左右対称となり、また、直4エンジンより全長が短いことから前後左右ともに重量バランスを考慮して車体設計できる点で4気筒ボクサーエンジンは有利なのです。

先代ハチロク&BRZの共同開発プロジェクトがスタートした当初は、お互いの開発陣が「クルマづくりの何たるかを教えてやるわい!」でしたが、いざ剣を交えた後は「お主なかなかやるのぉ~」と激変。以来、両社は絆を深める結果となりました。

2代目ハチロク(正式名はGR86)&BRZは基本的に先代プラットフォームを引き継いでいます。しかし、素材の見直しや構造、生産工程において、大幅な進化を遂げています。きっと大きなチャレンジであったであろうと察することができるのはルーフのアルミ化です。

重心位置から遠く高い位置にあるルーフは運動性能に大きな影響を及ぼすだけに、その軽量化はスポーツカーでは必要不可欠。しかし、従来のスバルは市販車への採用を見送ってきました。理由は簡単。凹みやすいから。誰もが屋根付き駐車場にクルマを保管しているわけではないのです。

しかし、実際にはアルミ製ルーフの採用を実現しました。これには異素材を結合させる接着技術の発達もあるのでしょうが、共同開発唯に決断できたのだと思います。さらに興味深いのは、エンジン制御、サスペンション系のパーツが兄弟車で異なる点です。少し掘り下げてみましょう。

まず、エンジン制御ですが、GR86はアクセルOPENに対し即座にレスポンスさせ燃料を吹く印象で、対するBRZはリニアに反応させる印象だといいます。吸気システムは共通のトヨタD-4Sですが、この直噴システムはランボルギーニに見られるようなポート噴射と気筒内噴射を組み合わせたタイプです。このあたりのセッティングは両車に違いが見受けられます。

サスペンションはフロントハウジングの素材に違いがあります。GR86はダイレクト感を重視して鋳鉄、BRZはバネ下の軽量化(乗り味に変化あり)を目的にアルミ素材を採用しています。また、リアのスタビライザーの取り付けや補強材のリアブレースの有無(GR86は未装着)に違いがあり、構造上はGR86が直感的、BRZが上質感をも狙った作りといえるかもしれません。

デザイン面ではフロントのバンパー形状など、空力処理に違いが見受けられます。目的はほぼ同じなのでしょうが、そのアプローチが視覚としてわかるので大変興味深い部分です。無論、カタチには好き嫌いがあるでしょうから、こうした点も両車の見所となります。

いずれにせよスポーツカーは五感を刺激する野生と、動的パーツの精度が醸し出す味わいが魅力となります。この点はちょっとお高い機械式クロノグラフ同様に心地いい波動を奏でます。また、重心に対する近い乗車位置は流行りの都市型SUVでも実現不可能です。ちなみに先代と比較すると、前席シートの間隔を狭め、攻めたこだわりの設計を行っています(マスの集中化)。

先行発売されたBRZで支払いシミュレーションを行ったところ、5年払いパターンの残価はグレードを問わず37%でした。遅れて秋に販売されるというGR86がどうなるか今はわかりませんが、一般的にスポーツモデルとして考えればスバルは頑張った! といえるでしょう。あらためてスペックをまとめます。

【SUBARU BRZ】
ボディサイズ:全長4265×全幅1775×全高1310mm
ホイールベース:2575mm
トレッド(前後):1520 / 1550mm
最低地上高:130mm
車両重量:1270~1290kg
エンジン:2.4L 水平対向4気筒
ボア×ストローク:94.0×86.0mm    
圧縮比:12.5
最高出力:173kW(235ps)/ 7000rpm
最大トルク:250Nm / 3700rpm
燃料タンク容量:50L(無鉛プレミアム)
トランスミッション:6MT / 6AT
駆動方式:RWD
サスペンション(前後):ストラット / ダブルウィッシュボーン
タイヤサイズ:215/45R17・215/40R18
車両価格:『R』308万円(6MT)/ 324万5000円(6AT)
『S』326万7000円(6MT)/ 343万2000円(6AT)

リアルに購入するとなると同じBRZでもモデル選びに迷います。装備面では充実した『S』が魅力ですが、カスタマイズ派が選ぶべきは少しお安い『R』でしょうか。スポーツ派は強化・改善された6MTモデルを。違いが判るオトナは日常遣いにサラリと6ATを選ぶのも粋というもの。

皆さんが結論を出すのはディーラーでの試乗後にしましょう。いまメディアを賑わせているのはあくまでプロトタイプ車両であり、量産プロダクトではありません。しかし、その方向性は示されていますのでネットサーフィンの価値はあります。ボディカラーを含めいまは大いに悩みましょう!

Text:Seiichi Norishige

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