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FASHION 僕が捨てなかった服

【フォーマルOKのフリース】外でもレストランでも着れるのには秘密があった。

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人生には、どうしても手放せなかった服、そう「捨てなかった服」があります。そんな服にこそ、真の価値を見出せるものではないでしょうか。そこで、この連載では、ファッション業界の先人たちが、人生に於いて「捨てなかった服」を紹介。その人なりのこだわりや良いものを詳らかにし、スタイルのある人物のファッション観に迫ることにします。

ダブダブで着られないけど、なぜか手放せません

編集長干場が、お洒落だけにとどまらず、どんな所作が美しいのか、色気とは何か、男の美学とは何かなどについて教えを乞い、"人生の師匠"と公言するビームスの無藤和彦さん。

現在は、ブリッラ ペル イル グストのディレクターを務め、50歳を過ぎても「モテるためにはどうすべきか」をテーマに、自然体でかっこ良いスタイリングを意識しながら商品ディレクションに携わる無藤さんが、思い入れが強くて捨てられなかった服をご紹介する企画の第7回目は、ニック・アシュレイ(Nick Ashleyのフリースジャケットです。

「1994年ころ、弊社のロンドンオフィスに在籍する北村夫妻に、"ローラ・アシュレイの息子さんが新しいショップをオープンさせたから見に行こう"と、誘われました。

その後、日本でも大きく展開されるようになりましたが、当時はまだ小さなお店で。連れて行ってもらった際に、このジャケットをニックさん本人に勧められたんです。

"フリースなので軽くて暖かいし、バイクに乗る際は上までボタンを留めて着れば風を避けられる。しかし、作りはテーラードジャケットなのでレストランに行っても入店を断られることはない便利なアイテム"と、丁寧に説明を受けたので、その場で購入したのを覚えています。

元モルデンミルズ社という繊維工場だったポーラテック社のフリースは、速乾性に優れ、軽くて暖かいのが特徴です。

フリースは安価な服の代名詞みたいになっていますが、ポーラテックのフリース自体も一般的なフリースより高額だったため、当時で確か300ポンドくらい。日本円で5万円くらいだった気がします。

久しぶりに引っ張り出してみましたが、これもダブダブで……。いまでは絶対に着ることはないんですが、なぜか捨てられないんです。デザイナー本人から直接購入したからでしょうか。

これからも手放すことはないと思います。

ブリッラ ペル イル グスト(Brilla per il gusto) レーベルディレクター
無藤和彦

21歳でビームス入社。渋谷の店舗でキャリアをスタートし、1992年にドレス部門のバイヤー、2003年には遊び心のある大人に向けたレーベル「ブリッラ ペル イル グスト」のディレクターに就任。50歳を過ぎても「モテるためにはどうすべきか」をテーマに、自然体でかっこ良いスタイリングを意識しながら、商品ディレクションに生かす。1965年東京生まれ。

Photo:Shimpei Suzuki

Edit:Ryutaro Yanaka



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