雅美:そういう人生を送っている人をまぶしく感じることがあります。でも、40年間近く家猫(室内飼育の猫)で過ごしてきて、いきなり野良猫になれるのかな。
川崎:あなた、言葉のセンスがいいわね。そのセンスはお母様譲りね。
雅美:母の家系は、平安時代から続く和歌の名門です。
川崎:いいじゃない。ところで、その“血”を受け継ぐ人はいるの? ご両親はそういうの気にしそうだけれど。
雅美:はい。大いに気にします。2歳上に兄がいますが、兄は実家を嫌い、大学から東京に出て、外資系企業に勤務しています。コロナでもずっと海外にいたのですが、兄の息子の中学校進学関連の問題で、今年の年末に日本に帰ってきます。
川崎:チャンスじゃない。いちどお兄さんと話し合った方がいいよ。だってあなたがずっと親のことをやっていた。そろそろバトンタッチしてもいいんじゃないかな。
雅美:父の会社を継ぐのも兄ですから。父は今、69歳なので、事業承継のタイムリミットまであと5年くらいしかない。兄はそれを受けなくてはいけないともわかっている。だから、兄の勤務先は父の事業に関連している分野に強い企業なんです。
川崎:なるほど。お兄さんもわかっているんだよ。でも、お兄さん、あなたに対してお父さんと同じような厚遇をしてくれるかな。
雅美:………たぶん、ないですね。少なくとも外商の買い物はなくなる。兄の嫁が質実剛健のキャリア女性で……ちょっと川崎さんに似ています。
川崎:そうなの(笑)。じゃあ、厳しいよ(笑)。さて、ちょっと話を変えよう。マッチングアプリは何を使っているの?
雅美:外国人が登録しているアプリです。私、外国人の男性がいいんです。レディーファーストだし、マメだし。日本の男性は女性をマウントする。下に見る。そして家事も育児も何もしない。
川崎:じゃあさ、外国人の男性と結婚することを考えたら?
雅美:あ!!!そうか。日本の名家の男子と結婚することだけ考えていたから、外国人との結婚は考えていなかった。私、意外と外国人男性にモテるんです。
川崎:わかるよ。そのクールビューティさと、意見をハッキリ言うところとかね。私が知る限り、外国人男性は、意見をハッキリ言う女性が好き。
雅美:そうなんですよ。日本の男性だとイラつかれるところも、外国人の男性だと好きだと言ってもらえる。それに私は日本語でものを話すより、英語のほうが伝えやすいんです。英語って感情をストレートに出す。それがいいんです。今の彼と言うか、微妙な関係の男性も、3歳年上のアメリカ人男性です。お互いに行き来して何度もデートしています。今日も彼の家に泊まるんですよ。彼の家は〇〇(家賃100万円以上の物件のみの高級マンション)で夜景がキレイ。今から楽しみなんです。
川崎:すごいね。微妙な関係というのは、相手は彼女や妻がいるのかな? でも、恋愛は家族から離れられる唯一の場所だからね。
雅美:今日、川崎さんと話して、いろいろ問題がわかった。私は、親の支配下から抜けないとダメですね。どこにもいけない。