CAR Dr.ノリシゲの妄想ドライブ

【フェアレディZ】日産の新型車を初代から振り返る。

説明しよう! 妄想ドライブとはヴェテラン モータージャーナリスト・ノリシゲセイイチが「このクルマにのったら、こんなことをしたい。こんなところに行きたい。この街道でぶっ飛ばしてチャンネーとこんなことがしたい!」と妄想の世界に遊ぶ気絶コラムである!

もしも8代続く歴史あるフェアレディZから選ぶなら……

2021年8月17日。待ちに待った新型フェアレディZがいよいよ発表されます。同日発売? となるか現時点ではわかりませんが、いずれにせよ時代の流れを考えればスポーツカーファンには吉報といわざるを得ません。

車名に『Z』が付く前のフェアレディ(当時はフェアレデー)を初代とカウントするならば、これから発売される新型“Z”は8代目。ザッと並べればSP/SR(1962-1970年)、S30(1969-1978年)、S130(1978-1983年)、Z31(1983-1989年)、Z32(1989-1998年)、Z33(2002-2008年)、Z34(2008-2020年)、そして今回のZ35(2021年-)となります。

ヤングタイマーと呼ばれるちょっと懐かしいクルマのなかで、意外と熱いのが1980年代の日産車です。恐らく時代的にも華やかなTVや映画など、メディアの影響も多いのだろうと思います。で、こんな時代背景と個人的愛車遍歴から選ぶZは、名車の誉れ高いS30型ではなく3代目にあたるS130型のフェアレディZです。

どうしてS30型じゃないのか? と疑問に思われる方も多いと思いますが、1964年式のワタシから見ればS30型は幼少期に大人が乗っていたスポーツカーです。だから憧れて乗るという決断もあるのでしょうが、個人的には社会人デビューしてギリギリ乗れるリアルな選択肢だったS130型が好きなのです。

自動車づくりは難敵排気ガス規制を徐々に克服し、工業製品として日進月歩の進化を辿ります。吸気システムはアナログなキャブレターからマイコン制御のインジェクションへ。快適装備はエアコン、カーオーディオ、パワーステアリング、パワーウィンドと、ますます魅力が増大。

S130型のエポックなところは、デタッチャブルトップ(左右分割式の脱着式ルーフ)の“T-BARルーフ”の採用です。手軽にオープンエアモータリングが楽しめるこの機構、アメリカ市場を意識した決断なのでしょうがコルベットやトランザムなどのスポーツ&スペシャリティカーが採用していました。Zもこのスタイルにならったのでしょう。

これに呼応してS130型を特別な存在へと高めていたのが、“マンハッタンカラー”と呼ぶスタイリッシュな2トーンボディカラーの採用です。また、シルバーとブラックの塗装面を入れ替えた俗称“逆マンハッタンカラー”もあえての選択として人気がありました。

パフォーマンス的なトピックはターボエンジンの投入であり、スカイラインのようにDOHCエンジンは採用されませんでしたが、直列6気筒エンジンの回転フィールは格別です。このエンジンはデビュー4年後の1982年に搭載されましたが、同時に国産車初の60扁平のロープロファイルタイヤを採用した点も話題となりました。

エンジンラインナップをまとめると、2リッター直6のL20E(130ps)、同ターボ版のL20ET(145ps)、2.8リッター直6のL28E(145ps/155ps)の3機種となります。

【S30 / 2シーター】
ボディサイズ:全長4115×全幅1630×全高1295mm
ホイールベース:2305mm
トレッド(前後):1355 / 1345mm
車両重量:1135kg

【S130 / 2シーター】
ボディサイズ:全長4420×1690×1295mm
ホイールベース:2320mm
トレッド(前後):1385 / 1380mm
車両重量:1,225kg

ボディサイズで比較すれば、S130型はトレッドの拡大が顕著です。装備面の充実も重なり車重は増えましたがいまとなってはご愛敬。とはいえ、キャブレター時代のS30と比較すれば非力な印象はぬぐえず、走るのが好きなマニア(通称走り屋)はみな一様にエンジンやサスペンションをチューニング(パフォーマンスを上げること)していました。

フェアレディZといえば2名乗車のクルマと思いがちですが、Z32型までは『2by2』という形式上4名乗車可能なモデルも存在しました。確かに短時間でも合法的に4名乗車可能となれば便利ですが、Zオーナーの間ではボディ形状の違いから “Zバン”と揶揄されたものです(Z32を除く)。ちなみにこの『2by2』は2シーターと比較して全長とホイールベースが+200mm大きくなります(2つのボディを作るとは贅沢ですね~)。


拡大画像表示©︎gettyimages

S130型のフェアレディZといえばガルウイングドアに改造した『西部警察』の劇中車だったことがあまりに有名ですが、個人的にはT-BARルーフとマンハッタンカラーが醸し出す強いファッション性が鮮明な記憶であり、初めてライフスタイルを感じさせてくれたクルマでした。


拡大画像表示©︎gettyimages

最後になりますが、なぜZでレースをしていたハリウッドスターであるポール・ニューマンをスカイラインのCMキャラクターに採用したのか? いまでも不思議です。でもそこが『Z ZONE』なのかもしれませんね(CFのコピー)。

Text:Seiichi Norishige

日産ヘリテージ



RANKING

1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
AND MORE