日本を代表するファッショニスタの審美眼の結晶
今年4月スタートした「S.MANO(エス マーノ)」は、メンズファッションディレクターとして活躍する西口修平さんが手がけるラゲージブランド。ブランド名は、特別な手仕事を意味するイタリア語の“Speciale Mano”に由来しています。
西口さんといえば、Instagramのフォロワーは13万人以上。最近上梓した『Nishiguchi Essentials 100』(ワン・パブリッシング刊)はバイリンガルに対応するなど、その人気は世界的です。そんな西口さんには以前から、取引先からバッグブランドをプロデュースしてほしいというリクエストがあったといいます。
そこで、自分が本当にほしいと思えるラゲージづくりに着手。コロナ禍のなかで、信頼するイタリアの工場とビデオ会議を通じて、素材をはじめ、サイズやデザイン、ディテールなど、綿密なやりとりを繰り返して、徐々に完成度を高めていったそうです。
厳選したイタリア製の素材を使っているのはもちろんですが、最大のこだわりどころは金具。既存ブランドと差異化するためにも、鋳型でつくるのではなく、一つひとつ真鍮を削り出したものを使うなど、かなり手が込んだ仕様となっています。
しかも、この金具はイタリアの技術では難しかったため、日本の職人を探り当てて発注。それをイタリアに発送して組み立てるという、日伊合作で最高峰を目指したといいます。
黒レザー(ブラウンも展開していますが)にゴールドの金具というのも、いかにも西口さんらしいセクシーで男っぽい組み合わせ。しかも、女性でももてる柔らかなニュアンスもあるのが何とも素敵です。
シボのあるレザーも型押しではなく、天然のシボがあるキップレザーを使っているのも魅力で、経年変化も存分に楽しめそうです。
西口さんにはワンショルダーをすすめられましたが、個人的にほしいと思っているのが小さめサイズの巾着タイプ。スーツをはじめ、Tシャツにゆるめのパンツを合わせたときなど、いろんなシーンで使えそうです。
西口さんいわく、カジュアルだけでなくテーラードウェアもこなれて見えるのを狙ったとのこと。まさに、その策略にハマりそうです。
どのモデルも、機能性よりもどちらかというと見た目のエレガントさを前面に出したデザイン。ポケットも貴重品を収納する内ポケットがひとつだけと最小限で、そうしたところも共感してしまいます。
カジュアルも、テーラードもいけて、しかも育てがいがあるなんて、今後が楽しみでしょうがないですよね。
キャンバスバーティカルトート 6万4900円
キャンバスフラップトート 7万4800円
ドローストリング バッグ(L) 7万5900円
ドローストリング バッグ(S) 5万3900円
/すべてS.MANO
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ディンプル
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MINIMAL WARDROBE
Photo:Ikuo Kubota(OWL)
Text:Toshiaki Ishii