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FORZA STYLE - 粋なダンナのLuxuaryWebMagazine
FASHION 干場の「エロサバ」

リモートワークスタイル。このご時世だからこそファッションは抜かりなく。

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バストアップ重視のスタイルで、ビデオ会議でも抜かりなく

こんなご時世なんで しかたないのですが、またまたリモートスタイルの提案になります。ただポジティブに考えれば、これから先、週5のフル出勤が少なくなっていく過程で、ワンマイルウェア、ツーマイルウェアでファッションの楽しみを見つけるのは有意義なこと。

他人のために装うだけでなく、自分自身が心地よくいられる装いで気持ちをコントロールするのも、ニューノーマル時代の服のあり方なのかもしれませんね。

アイテム

セーター/30/70
Tシャツ/クロスクローゼット
ショーツ/ラルフ ローレン
時計/MARATHON
スニーカー/パトリック

僕がディレクターを務める30/70(トレンタセッタンタ)は、「究極の普通」を目指して良質な素材使いとシンプルなデザインにこだわった国産のニットブランド。昨年の立ち上げのときは僕が最高だと思う30%シルク×70%カシミヤの素材と、黒無地だけでコレクションを展開していこうと思っていたのですが、それだけだと着こなしが広がらないことに気がつき(苦笑)、ちょっとだけ方向転換することにしました。

これまでは使う素材と色を制限していましたが、ベーシックの枠をはみ出さないのを条件に、その次に揃えたいアイテムを追加。スポーティなライン使いを特徴にする「sporta(スポルタ)」シリーズを新たにラインナップしました。こちらのチルデンセーターは、ハリと光沢を特徴とするベルギー産の最高級リネンを使い、クラシックなケーブル編みで仕上げた一着。

リモートワークが続くと、究極Tシャツと短パンで済ませられるし、ビデオ会議のときも職業柄もあって、身内の打ち合わせなら寝グセ隠しのためのキャップがあればやり過ごせます。

でも、そこに甘えていたら、どんどん自堕落な格好になってしまい、抜けられない沼にハマってしまいそうでコワいのと、それならそれで普段着のなかに装う楽しみを見つけていったほうがこのご時世には合っていると思うんですよ。やっぱりファッションって、人をハッピーな気分にする力が絶対にあると思うので……。

このコーディネイトはビデオ会議を想定したスタイル。モニターに映るのは上半身だけなので、やり過ぎない程度でバストアップの印象でアピールできるものを選ぶ必要があります。ネイビーのチルデンセーターも好きなのですが、いまの自分の年齢には無機質な色のほうが似合いそうだと思い、ブラックをチョイス。モニターに映らない部分では、ちゃっかり自分の夏の定番になっているラルフ ローレンの短パンでラクチン仕様にしています。

僕の尊敬する故・落合正勝さんが著書に、夏はなるべく色をこざっぱりしたほうが涼しく見える、と書いていたのに影響されていることもあって、ここで使っているのはブラック&ホワイトだけ。エロサバの「エロ」をアピールするには、セーターは素肌に一枚でと言いたいところですが、それだと透けてしまうんですよね。日本人にはちょっとハードルが高い気がして、ラインのホワイトとリンクさせてクルーネックのTシャツを中に仕込みました。

スニーカーもホワイトベースで、ヒールカウンターがブラック。ここがクロコの型押しだってことが、ちょっとエロいかもしれませんね。

あとは、MARATHONの腕時計のフェイスに赤がワンポイントで入っているのも色気はあるような……。『FORZA STYLE』でもおなじみのマエストロ・赤峰幸生さんだったら赤のソックスを履いてしまうかもしれませんが、僕にはまだ難しいかなー。

無彩色のブラックはどんな色とも合わせられて、当然、赤ともマッチします。重厚感のあるブラックと赤の華やかさの組み合わせは、ゴージャス極まりない雰囲気。しかも人目を引き、妖艶さを醸し出してしまう場合もあり、僕のような若輩者はほんの小さな面積で入れるぐらいのほうがいいような気がしています。ただ、それも年齢を重ねていくと、きっと似合うようになるんでしょうね。

なんか今回は、真面目な話に終始してしまいましたが、これもぜんぶコロナのせいなのかもしれませんね。そういえば、2013-14年の「ぜんぶ雪のせいだ。」のコピーで注目されたJR東日本の「JR SKISKI」のキャンペーンで、初めて川口春奈さんを見たときのことは忘れられないなー。あのころは、ひとり言をつぶやいては、何でも雪のせいにしてたぐらいですから(笑)。


今回のスタイルのキモは……。

●リモートワークでも気分を上げるファッションは大事。
●ビデオ会議のときのスタイルはバストアップ重視。
●逆に見えないボトムスはラクチンを優先させてもオーケー。
●ブラックと赤の組み合わせはエロ過ぎるのでやり過ぎ注意。
●新しい生活様式は、無理せず、油断せず、続けることが大切。


Photo: Ikuo Kubota (OWL)
Styling&Model:Yoshimasa Hoshiba


 

 

最新刊となる7冊目は、いわゆる”ファッションの本”ではありません。性別問わず、誰しもが気になる人を惹きつける内面の魅力である色気の重要性。ファッション以前の人間的な、大事な部分について迫りました。色気があるとないとでは、仕事だけでなく、遊びや恋愛など、人生でのさまざまな局面が変わってきます。とはいえ、これと言った正解、とらえどころがないのが色気です。

異性を惹きつける性的な魅力が色気なのか? 髪型や体型、メイク、香り、ファッションなど外見をセクシーにすれば色気は出るのか? 肌の露出を高めボディタッチをすれば色気は出るのか? 逆に隠せば色気は出るのか? 雰囲気や仕草、目の表情、声に色気は宿るのか? はたまたダメ男やダメ女に色気はもたらされるのか? 上品な色気と下品な色気の違いとは? 男性が思う女性の色気とは? 女性が感じる男性の色気とは? 「色気力」とはいったい?

いろいろな経験をしてきたけど、まだまだ辿り着けない「色気力」。本書では、過去の失敗やコンプレックスを乗り越えながら学んだ「色気力」の正体に迫ります。巻末には、和文化総合プロデューサーであり、上品な佇まいからそこはかとなく「色気力」が溢れる美人エッセイストでもある森 荷葉さんとの対談「男と女の色気」もあります。お楽しみに!

あなたの基本を作り、周囲の人を心地良くさせるコツを紹介します。急速に変化する対人関係の在り方のヒントが満載の一冊です。ありがたいことに発売前から全国からたくさんの問い合わせをいただいております。ぜひ読んでいただけると幸いです。

「色気力」
(集英社文庫)

【エロサバ】-Hoshipedia

「エロサバ」とは、エロいコンサバの略で、干場の哲学により生まれた造語。シンプルでベーシック、コンサバティブな洋服を着ているのに、なぜかエロく見えるスタイルのこと。例えば喪服の女性。成熟した大人の女性が喪服を着ていて、メイクもナチュラルで抑制しているのに、不思議と色っぽく見えるスタイル。例えば、普通の白いシャツを着ているのにも関わらず、胸元のボタンの開け方や袖口のまくり方でSEXYに見えるスタイル。粗悪な素材でデザインが変わっているシャツでは駄目。上質な素材でベーシックなシャツだからこそ、崩して着こなしても上品さが保てるのです。男性で例えるなら、仕立てられたグレーの無地のスーツを着て、上質な白シャツに黒の無地のネクタイのような極めてコンサバティブなスタイルをしているのに、内側から大人の色気が香るスタイルのこと。



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