どこのブランドなのか分からない、さり気ない主張具合も好きでした
ディテールやシルエットを細部まで表現したファッションイラストや ポップで軽妙なキャラクターなどを巧みに描くイラストレーターとして活躍するソリマチアキラさん。オーダースーツを颯爽と着こなすウェルドレッサーとしても有名です。
1950〜60年代のスタイルを愛しながらも時代の空気を捉え、それほど執着せず、着なくなったものは手放してきたと語るソリマチアキラさんが、思い入れが強くて捨てられなかった服を紹介する企画の第5回目は、モンクレール(MONCLER)のダウンコートです。
2001年頃に出逢った、「これだったら」と思える一着
若い頃は真冬でも薄着で、スエードのブルゾンくらいしか着ていなくて。"伊達の薄着"じゃないですけど、20代なんてコートの類いすら着たことがなかったんです。
古着ばかり着ていたから、コートが合わないと感じていたのか…、防寒には軍もののMA-1シリーズとかB-15を着ていたんです。
そんなでしたから、ダウンなんかはもちろん着たことがなかったというか、よくあるモコモコとしたダウン自体も好きではなかったんです。
その後30代になって、スーツとかを着るようになったのをきっかけにコートも着るようになりまして、確か2001年頃に「これだったら」と思えるデザインで、モコモコしていないダウンに出逢えたので、購入に至りました。
中にはしっかりダウンが詰まっていて暖かいんですが、ぱっと見はハーフコートっぽいというか。
軍ものでいうならN-3Bくらいな感覚で着られるので、あまり身構えずに取り入れることができましたね。
ファー付きのフードは取りはずこともできます。
タグも今のものとは違って、サイドにさり気なく付いていまして、どこのブランドなのかを主張しすぎない感じも良かったんです。
これで満足したので、これ以降ダウンは買っておらず、寒いときには羽織って出掛けています。
もちろんモンクレールですから、品質的には間違いがないので、今後ずっと着続けると思います。
イラストレーター
ソリマチアキラ
東京で生まれた後、新潟に移り住んで 18歳までを過ごす。中学生の頃よりアイビーやプレッピーに触れ、ファッションに傾倒。古着屋や百貨店内のショップスタッフ、バーテンダーなど、さまざまな職種を経験する傍ら、イラストレーターとしての活動をスタートさせ、本業に。雑誌、広告など幅広い分野で活躍。一般社団法人東京イラストレーターズ・ソサエティ会員。1966年東京生まれ。
Photo:Shimpei Suzuki
Edit:Ryutaro Yanaka