日常のちょっとしたアクセントに
モックネックのTシャツを初めて着たのは18歳のとき。渋谷にあるセレクトショップでアメリカ製のそれを見つけて、即買いしました。当時は、西海岸風のスケータースタイルがマイブーム。少し大きめサイズのモックネックTに、わたりが太くて裾は細いゆるめのパンツと、ハイカットシューズをよく合わせていた思い出があります。
カッコ良い友人たちの間では、そんなスケーターっぽい服装に、トップを短めにして、襟足を伸ばした「ダックテールへア(別名ウルフヘア)」と呼ばれる髪型にするのが流行っていて……。いま考えるとかなり斬新ですよね(笑)。
最近、当時の気分がいまと少し重なる部分があるような気がして、またモックネックTが着たくなったんです。でも探してみると気に入るものが、なかなかないんですよね。いつも言っているとおり、白Tのような消耗品は、ガンガン着たいので、値が張るものは射程圏外。そうすると、やっぱり自分でつくるしかないわけです。
そこで、おなじみの「+CLOTHET(クロスクローゼット)」にお願いして、いつも着ているTシャツをモックネックにアレンジしてもらいました!
生地は僕の大好きな究極の超長綿素材「スビンプラチナム」のスムース。少し大きめを着たいので、ボディをビッグシルエットにしました。+CLOTHETならではの立体的なパターンメイキングで、着心地も至極快適です。
ネック部分で特にこだわったのは、襟の高さ。高過ぎるとタートルネックみたいになってしまい、春夏らしく見えないうえ、クラシックな趣になってしまいます。
そこで、カジュアルに着られるようなバランスを追求して、何度もサンプルをつくり直して調整しました。また、ネックの開き具合も、首にピッタリと張り付かないのがポイント。首元が少し見えるぐらい、余裕があったほうが、抜け感が出ると思ったんですよね。
着こなしは、僕も大人になったので、さすがに昔のまんまというのは無理(笑)。それに+CLOTHETのスビンプラチナムは高級感があるので、ストリートの気分を味わいつつも、上品にまとめたほうが良いでしょう。
例えば、きれいめのカーゴパンツにサンダルといった組み合わせや、白ショーツにスリッポンスニーカーといった、スポーティだけれどエレガントな感じのするコーディネイトなどはどうでしょうか?
いまあらためて見ると、モックネックTって、やっぱり新鮮。夏になって薄着になると、どうしても着こなしがワンパターンになりがちですが、こういうTシャツを一枚用意しておけば、日常のちょっとしたアクセントになると思いますよ。
各8800円/+CLOTHET
【問い合わせ】
+CLOTHET
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Photo:Ikuo Kubota(OWL)
Text:Toshiaki Ishii