ボンドスーツの男らしさと軽やかさを両立
「Finjack(フィンジャック)」は、「Advanced Sartorial Concept」をテーマに掲げ、伝統的な素材や仕立て技術だけにこだわらず、時代にマッチしたアイテムを提案するブランドです。
ブランド名の由来は、「Fine Jacket=素晴らしいジャケット」と「Finta Giacca=ジャケットのようなもの」というふたつの言葉から派生した造語。2019年秋のデビューにもかかわらず、扱うセレクトショップでは軒並み大ヒットを飛ばしています。
それもそのはず、仕掛け人は、数々の有名ブランドを世に送り出してきたヒットメーカーであるスピラーレの神藤光太郎さん。その神藤さんとの会話中、男が憧れるファッションアイコンはやっぱり007だよね、と意見が一致したのをきっかけに、今回のジェームズ・ボンドをイメージしたコラボレーションスーツの開発が始まりました。
ボンドスーツといえば、男らしい構築的なスタイルで知られていますが、イタリア製のスーツで慣れ切ってしまった快適な着心地も犠牲にしたくない、というのが僕からのリクエスト。
ボンドらしいディテールを取り入れ、ジャケットはシャープなラペルの2ボタン仕様に、トラウザーズはワンプリーツの少しゆとりのあるシルエットにする一方、ナポリ仕立てでアクティブな動きにも対応できそうなくらい軽い着用感を実現しています。
軽さにこだわりながら、構築的に“見える”のにはほかにも理由があり、モヘア混の生地(85%ウール、15%モヘア)を選んだのもポイントです。モヘアを混紡すると、生地にハリが出るんですよね。
このプロジェクトで使用した生地は、数十年間つくり続けられている定番なのですが、実は世界中のビッグメゾンやトップデザイナーが使っているものなんだそう。どおりで、見るからに高級感がありますよね。
色は、黒とミディアムグレーを用意。いつものことながら、東京の街並みに似合うことを考えてモノトーンで揃えました。僕も自腹で2色買いをして、これに白シャツかサックスブルーのシャツ、黒かネイビーのネクタイ、黒い靴を合わせようと計画中です。
サンプルを羽織ってみたところ、早くもヘビロテになる予感。冬以外の3シーズンに対応できるスーツに仕上がったと大満足しています。神藤さん、ありがとうございます!
これを着て、ボンドよろしく、東京の街を颯爽と駆け抜ける予定(笑)ですので、皆さん、見かけたらお声がけくださいね。
スーツ 14万3000円/Finjack
【問い合わせ】
スピラーレ
03-5468-8548
MINIMAL WARDROBE
Photo:Ikuo Kubota(OWL)
Text:Toshiaki Ishii