女心を取り違えないように、慎重に行動するのがおすすめです
★★★
ようこそ お越しくださいました
ここは繁華街にひっそりと佇む
『純喫茶ぺぺ』
昭和レトロでどこか懐かしさを感じる
恋に迷える大人達のユートピア
ここは純喫茶の雰囲気を大切にしており
一風変わった店主が
お客様をイメージした珈琲カップの代わりに
お悩みにぴったりの「恋のナンバー」を
硬派にお出ししております
刺さりすぎて気絶なさらないよう
お気をつけくださいませ
どうぞ 最後までおくつろぎの上
ゆるりとおたのしみください
純喫茶 ぺぺ
★★★
本日のお客様は、
僕は、今月から付き合っている彼女にある秘密を隠しています。
それは、「1ヵ月前に彼女の親友と1回だけ寝た」ことです。
この件が彼女にバレると、喧嘩になりそうで心配ですが、告白できません。
黙っていてもいいと思うのですが、どう思いますか?
──今日HeyHey! フリーター(24)
今日HeyHey! さん、ご来店有り難うございます。
なんというか、少女漫画に出てきそうな禁断の三角関係ですね。
ご相談内容をお聞きしたところ、貴方は「この山にはイノシシが出るから」という忠告を無視して夜中に登山するような、危険な匂いがします。
いくら他人がどうこう言っても、恐らく我が道を行かれるでしょうし、人生というのは自分の力で得て、自分で失うしか実感が湧かないので、自己責任で参りましょう。
仮に、「1年前」に「友達の元カノ」と寝てしまった場合、ある程度時間や距離感もあり、さほど気にならないと思うのです。
今回の場合は、「1ヵ月前」という期間の短さと「彼女の親友」という関係性が気になりました。
このまま黙っていればいいということですが、老婆心から少しお節介焼かせてください。
今後のリスクについて、一緒に考えてみたいと思います。
1.男と女の友情の違い
今回の「親友」というキーワードですが、男同士の友情と女同士の友情って、似て非なるものだと思います。
男同士の友情は、活動(スポーツや部活)を共有することで芽生える絆であったり、今日のライバルが明日の友になったりもします。
普段頻繁に連絡をとらなくても、いざという時に頼りになったり、壊れにくい縁であったりすることが多いですよね。
一方で、女同士の友情は、感情を共有することで、絆の安定をはかります。
SNSやメールなど、常に言葉によって日々確認されているのにもかかわらず、いざという時、崩壊したりします(集団気絶)。
また、卒業・就職・結婚・出産等、ライフステージや立場が変化することによって、自然消滅や解散となる事態も起こります。
特に、今回のような色恋が関わる場合は、友人から一気にライバルへ変化したりしがちです。
何故、男女問題で女の友情が崩壊しやすいかと分析しますと、多くの男性は「身体と心を切り離して物事を考えられる生き物」ですが、多くの女性は「身体と心が運命共同体」なのです。
ですから、一度身体の関係を持って、相手にハマりやすいのは圧倒的に女性です。
この女性特有の感性を無視してしまうと、後々面倒なことになると思いますので、気をつけてください。
2.女性はお喋りです
20代前半の女子にとって、恋バナは友達同士で集まった際の定番トークです。
あるアメリカの研究で、男性が1日に発する単語数は平均7000語。一方、女性の場合は平均2万語で、およそ3倍もの単語数を発しているといわれています。
男同士は、普段の会話の中で恋バナをしないのが普通かもしれませんが、20代そこそこの女性にとって「彼氏の有無」は、仕事の昇給よりも、第一に親友に報告すべき内容なのです。
ですので、彼女が親友に、「最近彼氏ができたんだ」と貴方の名前を告げるのは時間の問題です。
3.「自縄自縛(じじょうじばく)」
今回は、過去に貴方がとった行動で、今の状況に影響が出てきてしまいました。
「自縄自縛(じじょうじばく)」とはまさにこういう事かもしれませんが、自分のとった行動のために、後に自由な動きがとれず苦しい立場になることです。
親友同士の会話の中で、彼氏として貴方の名前が挙がってしまう際、「友情に亀裂が入る」か「貴方との仲に亀裂が入る」という未来が予測できてしまいます。
彼女へ真実を告白する場合であれば、「他人の口から聞く」よりも「自分の口から言う」方が受け止め易いかもしれませんので、喧嘩を覚悟で正直に話しておくのも良いと思います。
そんな自分を受け入れてくれる器の大きい彼女であれば、より大切にした方が良いですし、先行き安泰なのではないでしょうか。
また、黙っておく場合であれば、彼女の親友に根回しをして、「黙っておいてほしい」とお願いするのもアリです。
親友が生粋の愛人体質で、守秘義務のある人であることを祈りましょう(気絶)
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【お答え】
女心を取り違えないように慎重に。
「根回し」か「自分の口から言う」か
いずれも波乱と覚悟が伴います。
ここは運試し。運が良ければバレないかも(気絶)
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今回ご紹介するナンバーは、工藤静香さんの「黄砂に吹かれて」。
おニャン子クラブの会員番号38番の静香さんは、「うしろ髪ひかれ隊」としても活動されていた伝説のアイドル。
1987年ソロデビュー曲「禁断のテレパシー」を皮切りに、ヒット曲を連発。80年代を代表する歌手であり、女優・画家・宝飾デザイナーの一面を持ち合わせた多彩な女性です。
今回のナンバーは、中島みゆきさん作詞の男女のあれこれを歌った曲。
「嘘つき」と彼女に言われてしまう事態になりかねませんので、女心を取り違えないように、慎重に行動するのがおすすめです。
“「うそつき」「うそつき」「うそつき」
こみあげる
(答えて)もらえばよかったのに
きくのが恐かった名前
私じゃない名前だもの
笑顔で終わったあの日から旅人”
「黄砂に吹かれて」
歌:工藤静香. 作詞:中島みゆき. 作曲:後藤次利
参照:『Uta-Net』
お客様、選曲はお口に合いましたでしょうか?
またのご来店、心よりお待ち申し上げております。
純喫茶 ぺぺ
Photos:Yuta Takamatsu, Shuhei Kato
Text:RIKAPEPE(ペペ)
Illustration:Eri Sakai