FORZA STYLE - 粋なダンナのLuxuaryWebMagazine
FASHION 男のおしゃれ不要論

【ジェイエムウエストンの180シグネチャーローファー】75年間選ばれ続けてきた最強ローファー

働く男を応援する装うことの理論と応用を網羅! 働く男におしゃれは必要ない、と著者は考えます。しかし人は裸では生きていけません。だから、服を着るのです。もちろん、やりすぎてはいけません。つまり、他者におしゃれだと感じられてはいけないということです。趣味としてのファッションと、日常着る服は異なるのです。

アメリカとフランスは似ているように思います。どちらも農業と自動車の大国であり、さまざまなプロダクトでも相似性の高いものがあります。

ローファーもそう。loafer、つまり怠け者を意味する通り、ヒモを結ぶことなく履ける、この靴の起源は1920年代に英国王室や貴族たちの室内履きとされたもの。それが、北米大陸に渡り、1930年代に外履きとして広まった、とされます。それを代表するアメリカ靴が、G.H.バスの「ウィージャンズ」です。

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フランスを代表するシューメーカー、ジェイエムウエストンにもローファーがあります。同社は1891年、南フランス・リーモージュに開いたブーツ工房に端を発します。創業者の息子ユージューヌが、1904年にアメリカに渡り、グッドイヤーウエルト製法などの技術を学び、1922年にジェイエムウエストンを設立しました。

そして、同社を代表するモデル、180シグネチャーローファーは1946年に誕生したのです。

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アメリカで見たグッドイヤーウエルトとローファーが生かされているのでしょう。しかし、アメリカンローファーとはなんだか異なるように感じます。時代はもちろん大きく違いますが、同じく労働者のための車、フォードT型とシトロエン2CVが異なるかのように。

つまり、アメリカンローファーの、やや粗野な、カジュアルな印象(それはそれで非常に魅力を感じます)が、この靴からは感じられないのです。その理由はなんでしょうか……。

それは素材と作りの違いに他ならないと思います。まず、ジェイエムウエストンは革素材に並々ならぬこだわりを見せます。アッパーに上質な革を用いるのはもちろん、ソール用レザーも自社生産するほどなのです。

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自社のタナリー(皮なめし部門)では、タンニングから仕上げまでを行うことができます。それをソール用レザーで行っているのはフランス広しといえども、ここだけなのです。皮の毛を取り除くところから始まり、濃度の違う水槽への漬け込みに10週間、さらに土の中に8~12ヶ月埋めて寝かします。上質な牛の皮をフランスの栗の木といった植物性素材でなめしていく。約2年もの時間をかけ、ジェイエムウエストンのソールは完成するのです。

だからソールがすり減り、穴が開いたりしてオールソール(ソールの張り替え)を行うのであれば、絶対にジェイエムウエストンのショップに出すことをおすすめします。なぜなら、フランスへあなたの180シグネチャーローファーは送られ、前述のソールで張り替えられるから。街中のリペアショップではそうはいきません。

180シグネチャーローファーの製作工程は1946年の誕生からほとんど変わらず、手作業によるものが多い。手で革を切り、手で縫う。機械を使うこともあるが、その機械も半世紀ほどのメカニズムをもつものです。

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靴の良しあしを見分けるのにカカト部分の作りを見ることが有効です。作りのいい靴はここがぷっくりとふくらんでいて、カカトを包み込み、フィット性を高めてくれます。

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つま先もまるみを帯びているのが180シグネチャーローファーの特徴。ここが長すぎたり、短すぎたり、また尖っていたりすると時代感が問われやすい。つまり、モードに見えすぎたり、逆に古く見えたり、と。いつ履いても‟中庸の徳”を感じられるのです。

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作りも見事、という他ありません。グッドイヤーウエルト製法をベースにしつつも、同製法の履き始めの返りの悪さ(頑丈にアッパーとソールを縫い付けるので最初は固い)を消すため、大いなる工夫が施されているのです。

通常、この製法では、すくい縫いの際、中底に硬いL字のリブテープと呼ばれるものを接着します。これが履き始めの固さを起こします。耐久性をかんがみると必要なパーツですが……。しかし、ジェイエムウエストンは、このリブテープを使わず、中底を甘皮状に切り起こし、そこですくい縫いを行っているのです。これはオーダーメイド靴や、ハンドソーンウェルテッド(手縫い)製法で駆使される、非常に手間と技術力が必要なもの。靴の返りがよく、快適な歩行を実現させるために、見えないところにこれほどまでに注力している点にジェイエムウエストンの矜持を感じずにはいられません。

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見えるところ、たとえば甲のモカ縫いにもうっとりさせられる。見た目の上品さをキープしながら耐久性も考慮したステッチの太さとピッチ、サドルの裁断と縫製、何十年経っても古さを感じさせないのも魅力です。

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また、180シグネチャーローファーの魅力はサイズ選びにもあります。長さはもちろんのこと、ウィズ(width)こと幅が選べるのです。細い順にAからFまで6つが存在し、現在日本ではC、D、Eという3つの幅が選べます。

スーツからデニムまで、さまざまな着こなしに合わせやすい180シグネチャーローファー、1足持っていると非常に便利ですよ。

靴各12万1000円/すべてジェイエムウエストン
お問い合わせ ジェイエムウエストン 青山店☎️03-6805-1691
公式サイトはこちら

Photo:Ryouichi Onda
Styling:Takahiro Takashio
Text:Takashi Ogiyama



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