フランスを代表するフラッグシップサルーン
本来なら2020年3月のジュネーヴ・モーターショーで披露される予定が急遽中止に。フランスを代表するラグジュアリーブランドであるDSオートモビルズの最新作『DS 9』は、コロナ禍のあおりを受け、華やかな舞台を飾ることができませんでした。
これも時代とはいえオンラインでのセレモニーはじつに寂しく感じます。嘆いても仕方のないことですが、全長約5mの本格的フラッグシップサルーンの誕生に、期待を寄せていたクルマ好きの気持ちを思うとやるせない気持ちになります。
しかしいま無事デビューを果たした『DS 9』は、欧州からいよいよデリバリーを開始します。日本への導入時期は未定ですが、順調なら年内にも正式発表があるかもしれません。欧州仕様のスペックからご紹介いたします。
【DS AUTOMOBILES DS 9】
ボディサイズ：全長4934×全幅1932×全高1460mm
ホイールベース：2895mm
駐車場のサイズも関係するでしょうが、ドアミラーを閉じたサイズが上記の全幅となります。ドアミラーを広げたときの幅は2079mm。比較的ゆとりある平置きタイプの駐車スペースを確保するのが得策です。続いてパワーユニットです。
【PureTech 225 Automatic】※ガソリンエンジンFFモデル
エンジン：1.6リッター直列4気筒ターボ
最高出力：225ps（165kw）/ 5500rpm
最大トルク：300Nm / 1900rpm
参考価格：PERFORMANCE LINE + 47,700€ / RIVOLI + 51,700€
【E-TENSE 225】※ハイブリッドFFモデル
最高出力：180ps（133kw）/ 6000rpm（ガソリン）
最大トルク：300Nm / 3000rpm
モーター出力：110ps / 320Nm
システム出力：225ps / 360Nm
バッテリー容量 ：11.9 kWh
参考価格：PERFORMANCE LINE + 55,000€ / RIVOLI + 57,900
先行してデリバリーされるのはガソリンエンジン車とハイブリッドのFFモデルとなります。後輪用モーターを搭載するハイブリッド4WDはこれら2モデルを追うように後から登場します。価格差は約1万ユーロ。
【E-TENSE 4×4 360】※ハイブリッド4WDモデル
最高出力：200ps（147kw）/ 6000rpm（ガソリン）
最大トルク：300Nm / 3000rpm
モーター出力：フロント110ps / 320Nm・リア113ps / 166Nm
システム出力：360ps / 520Nm
バッテリー容量 ：11.9 kWh
参考価格：PERFORMANCE LINE + 68,500€ / RIVOLI + 69,400
トランスミッションは全モデル共通の8速ATを搭載します。余談ですがシトロエンのフラッグシップカーである『C5 X』のボディサイズは全長4805×全幅1865mm×全長1485mmであり、ホイールベースは2785mmです。『DS 9』はひとまわり大きなサルーンとなります。
フランス流のラグジュアリーを具現化するDSブランドは、やはり空間演出というか世界観がイギリス、ドイツ、イタリアのそれとは異なります。ルーフライニング（天井の素材）はアルカンターラ、シート表皮はナッパレザーであり、ウォッチストラップデザインと呼ぶ立体的なシートも独特で優雅さのなかにきらびやかな華があります。
パーソナライズのメニューがどこまでこの日本で実現するのかわかりません。しかし、王道の本格サルーンは根強い支持もあり、『DS 9』がその期待に応えてくれる稀有な存在であることは確かです。大げさにいえば新生『DS 9』は人生を愉しむための大人のサルーン。イケてる40代はしっかりと注目してくださいね。続報が届き次第、新たなレポートをお届けいたします。
Text：Seiichi Norishige
