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【低燃費走行を目指す】エンジンブレーキを使うと低燃費と安全運転が実現する⁉

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安全装備や自動運転でますます高額化している現代のクルマ。上手に購入する方法は? さらに、所有してからも様々なトラブルやアクシデントが起きるのがカーライフ。それら障害を難なくこなし、より楽しくお得にクルマと付き合う方法を自動車ジャーナリスト吉川賢一がお伝えします。

長い坂道などでエンジンブレーキのためにシフトダウンをすると「ブーン」と大きな音がします。この音、エンジンが唸りを上げているようにも聞こえるため、「燃料をたくさん使っていそう……」と不安になる方も多いようです。

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ハイブリッド車はシフトのBをセレクトするとエンジンブレーキがかかる

エンジンブレーキは、燃費にどのような影響があるのでしょうか。そしてあの「ブーン」という大きな音の正体は!?

 

■エンジンブレーキはポンピングロスを使った減速

「エンジンブレーキ」は、その名の通りエンジンの特性を使って、車速を落とすこと。アクセルペダルから足を離した状態で、ギアをシフトダウン(CVTだとBレンジなど)すると、エンジンは回転数を上げようとしますが、スロットルバルブが閉じているため、エンジンが空気を吸い込むことができず、大きな回転抵抗となり、クルマを減速させることができます。この「エンジンが空気を吸込むときの抵抗」のことを、「ポンピングロス」といいます。

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日産スカイライン400Rのシフトノブ Dレンジを右に倒すと、ATのシフトダウン、シフトアップが手動でできるようになる

エンジンの内部抵抗には、摩擦抵抗など他の理由もありますが、最も寄与が大きいのがこの「ポンピングロス」です。よくある例えですが、息を吸込むとき、大きく口を開けて吸込むのと、口をすぼめて吸込むのでは、後者の方が吸いにくくなりますよね。この吸い込みにくさが、ポンピングロスの原理と同じです。

「ブーン」と唸るような音が出ますが、エンジンブレーキを多用したとしても、適切なエンジン回転数になるようにコントロールされていますので、クルマが壊れたりすることはありません。

 

■燃費はよくなる傾向だが、効果はごくわずか

走行中にアクセルペダルから足を離し、シフトダウンをすると、燃料カットのエンジン制御が入ります。このとき、理屈上は、燃料噴射量が「ゼロ」になります。そのため、エンジンブレーキを使っている間は、ガソリンの消費は少なくなり、その状態で走行し続けている間は燃費が向上します。しかしその効果はごくわずか。格段に燃費が良くなるものでもありません。

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長い下り坂では、ブレーキフォードを起こさないよう、エンジンブレーキを積極的に使った方が良い エンジンの音が高まろうと、燃料の使用はごくわずかなので、燃費は伸び続ける

ただし、惰性でクルマが加速していってしまうような坂道を下っている場合、アクセルオフにしている間は、理屈上は燃料カットとなりますので、燃費は良くなります。平地でアクセルオフにすると、車速が徐々に下がりますので、エンジン回転数は低下し、アイドリング回転付近までに低下すると、エンジンはストール(停止)を防ぐため、通常通りに燃料噴射を復帰させます。

 

■エンジンブレーキは、坂道での安全運転につながる

エンジンブレーキには、下り坂で起こりやすいベーパーロック現象やフェード現象といった、危険な状況に陥ることを防ぐ、という重要な役目があります。長い下り坂では、フットブレーキと併用して、エンジンブレーキを積極的に使った方が良いでしょう。その際、エンジンの音が高まろうと、燃料の使用はごくわずかなので、燃費は伸び続けます。

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エンジンブレーキも駆使して、燃費をのばしましょう

ちなみに、カタログに記載されているWLTCモード燃費は、以前のJC08モード燃費よりも、実走行での燃費に近い数値です。その数字を越える燃費を実現できると、「燃費走行が上手」と自信をもって言ってよいと思います。どこまで低燃費な走行ができるのか、周囲の車に最大限の注意を払いながらも、ゲーム感覚で楽しんでみるのもおすすめです。

Text:Kenichi Yoshikawa
Photo:Getty Images,AC,NISSAN,TOYOTA
Edit:Takashi Ogiyama

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吉川賢一ポートレート吉川賢一(自動車ジャーナリスト)1979年生まれ。元自動車メーカーの開発エンジニアの経歴を持つ。カーライフの楽しさを広げる発信を心掛けています。

 



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