FASHION 店主の拘りが強い店

アメカジのお宝が良心的な値段で掘れる。渋谷のアメカジショップに行ってみた!

服好きにとって、メンズショップの店主やスタッフと服の話をするのは何よりも楽しい。マニアックで博識でクセがすごい店の“トリセツ”を紐解いていく3回目は、1994年開業で、アメリカの並行輸入モノに強いショップ『ルビーズ』にイン。

「コロナ前は年に3回、2~3週間ぐらいレンタカーに乗って一人でアメリカを回っていました」というオーナーの近藤弘樹さんが手にしているのは、アルファインダストリーズのアメリカ製M-65ジャケットとワークブーツ。どちらも貴重なデッドストックです。

近藤さんは買い付け暦30年で、全米50州をくまなく回ったという超つわもので、今回は近藤さんの“武勇伝”も含めて、ノドから手が出るデッドストックを紹介。ゴールデンウィーク中はオンラインセールを実施中!

【ルビーズのトリセツ①】近藤さん、アメリカでショックを受ける

初めてアメリカに行ったとき、工事をしている労働者がみんなリーバイスのジーンズに、レッド・ウィングのワークブーツを履いていて、「ほんとにペコスを履いて工事をしてる!」のが格好良く見えたのを今でもよく覚えています。

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大学時代にコロラド大学に短期留学をしたときに、今は無きアウトドアショップの名店「ボルダーマウンテンナー」へ行ったり、レンタカーを借りて店を回ってジーパンのデッドストックを見つけたりして、もともと古着は好きでしたが、「これは商売になるかも?」と思ったのが そもそものきっかけですね。

大学を卒業して一般企業に勤めましたが1年で辞めて、原宿の古着ショップのバナナボートで3ヵ月アルバイトをしているときに社長にアメリカへ連れて行ってもらって、社長と分かれてからレンタカーを借りてモノ探しを始めました。それが1991年のことです。

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南部の町でデッドストックのラングラーや白のサテンパンツを大量に見つけて、それらの卸もやりながら資金を作って、3年後に原宿に店を構えました。最初の店は神宮前一丁目で1年半ぐらい、それから竹下通りの脇に移って、現在の場所ではもう17年ほどになります。

【ルビーズのトリセツ②】仕入れの変遷は、まさに並行輸入の歴史

1994年に開業してから、最初は古着の卸などもしていましたが、基本的には独自ルートで直輸入したインポート商品とデッドストック商品のみを扱っています。仕入れの情報源はアメリカへ行って回るだけ(笑)ですね。ショッピングモールなどを見ていくと、流行っているモノが見えてきます。

若い頃から海外に住んでみたいという思いがあって、アメリカは文化を含めてライフスタイルが好きでした。商売を始める前からアメリカ人が着ているものには興味がありましたね。

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開業した当初は、やはりジーパン探しがメインで、赤耳のデッドストックやXX(ダブルエックス)を見つけて喜んだりしていました。

2000年代はレッド・ウィングでしたね。レッド・ウィングの80年代のディーラーリストを入手して、それを元に何千軒分をネットで全部検索して、半分以上はつぶれていましたが、残っていた店を1200軒ほど回って、つぶれていない600~700軒から、ポストマンシューズや古いアイリッシュセッター、ペコスなどを相当数買いました。靴ではフローシャイムやオールデンなど古いドレスシューズも扱っていましたね。

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奥のカモフラパンツは90年代のデッドストック 8690円、手前は76年のデッドストックのM-65パンツ 2万1780円

それから今は軍モノがメインです。というのも、アメリカ製で今、デッドストックで残っているのは軍モノぐらいしかないんですよ。アルファのアメリカ製のM65ジャケットやフィッシュテールのM65パーカー、軍モノのゴアテックスなどは よく売れています。

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並行輸入を30年続けられた理由ですか? 真面目に諦めないで、アメリカのど田舎まで探して歩いたからでしょうね。自分でも馬鹿馬鹿しいことをやったと思います(笑)。

【ルビーズのトリセツ③】業界人も驚嘆する、近藤オーナーの武勇伝

アメリカでの仕入れが面白かったのはやはり仕事を始めた頃ですね。「XXを100本ぐらい見つけたら家が建つんじゃないか」という話をよくしていて、当時、XXは1本50万円ぐらいで商売できたので、あながち冗談でもない。夢がありましたよね(笑)。

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真ん中のスウェットは、チャンピオン製のジョージア工科大学の100年モデル 1万5180円、左右はペンシルベニア大学のパーカー 1万7380円。近藤さんはキャンパスを回って、生協「BOOK STORE」でカレッジスウェットやカレッジTシャツを買ってくる

アメリカは50州全部行っていて、州によっては人口200人以上いる町はすべて回ったのが8つか9つあるはずです。今はナビやパソコンがありますが、90年代は電話帳でした。電話帳から店を探して、それを地図に落としていって、全部回りました。それだけやってもお宝級のすごいモノがあったところは数軒ですね。

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カレッジTシャツ奥から、ノースカロライナ大学、ペンシルベニア大学、コロラド大学、エール大学。Tシャツ 6490円~

アメリカで面白いのは、ミシシッピーを挟んだ東西で置いてあるものが変わるところ。リーバイスは東側にはなくて、あっても501ではなく505なんですね。カバーオールやワークウェアは東にしかないなど、ミシシッピーが境界線のようなものでした。

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デッドストックのポロシャツ奥からポロ、フレッドペリー、ビッグポロ、ポロ。ポロシャツ 9790円~

これまでで一番儲かったのは 97年です。そうです、「エアマックス95」ですね。97年は1年でアメリカへ 13回買い付けに行きました。当時はネットはまだないんですが、なぜか入荷日をみんな知っていて(笑)、アメリカから来た荷物をそのまま開けた状態で売っていました。またスニーカーブームが来ていますが、今はあんまり興味がないですね。

【ルビーズのトリセツ④】より多くの人に着てほしいプライス設定

店をやっていて一貫しているのは、「良心的な値段で売りたい」という思いですね。それは仕事を始めてから変わっていません。あくまで自分の感覚なんですが、90年代デッドストックのアルファのM-65ジャケット(※記事TOPで持っているもの)は 2万1780円で、アメリカ製でこのプライスはないと思います。

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ブルックスブラザーズの靴はアレン・エドモンズ製のデッドストック。ディスコン(discontinued=生産中止)の貴重品だ。 5万4780円~

特にワークウェアなどはより多くの人に着てもらいたいと思っていますね。コロナのこういう状況も合わせて、アメリカ製のデッドストックは年々貴重になってきますが、本物のアメリカを伝えていこうと思います。

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原宿 ルビーズ
東京都渋谷区神宮前5-13-14 POWERS表参道 B1F
03-3406-2240
営業:12:00~20:00

定休:日曜

Photo:Shimpei Suzuki
Text:Makoto Kajii



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