メルセデスの異端児からドリームカーへ躍進
現行型メルセデス・ベンツCLSクーペは現在3代目。日本導入を時系列で追うと2018年6月26日に発売開始。そして、2020年9月28日に標準装備をアップデート。主たるメニューは対話型インフォテインメントシステム「MBUX」の標準化と、最新版の安全運転支援システムへの更新を行い現在に至ります。
で、今回のトピックはエクステリアを中心としたマイナーチェンジ(以下、MC)のアナウンスです。ドイツ本国ではこの4月から受注体制を整え随時デリバリーとなる模様。早速、エクステリアからチェックしてみましょう。
真っ先に目につくのはやはりそのクルマの顔であるフロントグリル周辺です。キラキラ感漂う新意匠はスターグリルと呼び標準モデルに採用。また、メルセデスAMGでは横バーのデザインから変更し、同ブランドのアイデンティティであるパナメーラグリルが採用されています。
バンパーも一目でMCモデルだということがわかります。フロントは開口部や細部の空力処理、リアのディフューザーはあまり変化を感じませんが、リアコンビレンズは発光部のデザインが微妙に異なります。
全体的には精悍さが増してスポーティな路線へとベクトルを変えたMCモデル。逆に現行モデルはエレガントなやさしい印象とでもいいましょうか、微妙に異なる世界観はそれぞれ支持されるのではと思います。
なお、ギャラリー内の最後に現行型の画像を2点追加しておきますので違いをご確認ください。続きまして、今回発表されたMCモデルのラインアップとパワースペックです。
【Mercedes-Benz CLS Coupe (BR 257)】
●ディーゼル
CLS 220 d
エンジン:2リッター直列4気筒ターボ(OM 654)
最高出力:143kw(194ps)/ 3800rpm
最大トルク:400Nm / 1600-2800rpm
CLS 300 d 4MATIC
エンジン:2リッター直列4気筒ターボ+ISG(OM 654 M)
最高出力:195kw(265ps)/ 3800rpm
最大トルク:550Nm / 1800-2200rpm
モーター出力:15kW(20hp)/ 200Nm
CLS 400 d 4MATIC
エンジン:3リッター直列6気筒ターボ(OM 656)
最高出力:243kw(330ps)/ 3600-4200rpm
最大トルク:700Nm / 1200-3200rpm
●ガソリン
CLS 350
エンジン:2リッター直列4気筒ターボ(M 264)
最高出力:220kw(299ps)/ 5800-6100rpm
最大トルク:400Nm / 3000-4000rpm
CLS 450 4MATIC
エンジン:3リッター直列6気筒ターボ+ISG(M 256)
最高出力:270kw(367ps)/ 5500-6100rpm
最大トルク:500Nm / 1600-4000rpm
モーター出力:16kW(22hp)/ 250Nm
Mercedes-AMG CLS 53 4MATIC+
エンジン:3リッター直列6気筒ターボ+ISG(M 256)
最高出力:320kw(435ps)/ 5500-6100rpm
最大トルク:520Nm / 1800-5800rpm
モーター出力:16kW(22hp)/ 250Nm
現行モデルに採用されるパワーユニットに大きな進化は見られませんが、今回は是非とも直4ディーゼルのマイルドハイブリットを搭載した『CLS 300 d 4MATIC』、ガソリンの直4ターボを搭載した『CLS 350』の導入も期待したいところ。
なお、販売国の詳細は不明ですが、『CLS 53 4MATIC+』には特別装備を施したとびきりスポーティな限定車を300台用意すると明言しています。気になる方はディーラーにひと声掛けておきましょう。この手のニュースはメディアより早く情報が伝わる可能性があります。
スタイリッシュな4ドアクーペの先達を務めたCLSクーペは、いまではニッチな存在ではなく、メルセデスファミリーのなかでロードスターやカブリオレの各モデル同様に“ドリームカー”にカテゴリーされます。
ブツヨクを刺激された方は是非ともご自宅のガレージに収めてください。ちょっとお値段は高めですが、CLSクーペならライフスタイルを反映する最良の選択肢となるはずです。
Text:Seiichi Norishige