ポルシェを汚す、というライフスタイル
かつて空冷時代のポルシェ乗りには誇りがありました。バンパーやボンネットの小傷は序の口。本気でアクセルを踏んでいる911には、必ずといっていいほどAピラーの塗装面が飛び石でバキバキに削れていたものです。長年乗ればフロントガラスもまたしかり。
水冷モデルが本格化した2000年代に入ると、しっかりイメージを計算したファッション派オーナーが増えましたね。ラインナップの増加もあるのでしょうが、SUVだっていつもピカピカ。確かに街乗りがほとんどでしょうが、少し汚れたっていいじゃないかと個人的には思うワケです。
ポルシェからBEVであるタイカンの派生モデル『タイカン・クロスツーリスモ』が発表されました。簡単にいうと、このクロスツーリスモはタイカンをベースとしたクロスオーバー車。SUVにはかないませんが、オフロードをガンガン走れます。
このフォルムを見て“あれ?”っと思った方は、多分、パナメーラのスポーツツーリスモを思い浮かべていると思います。しかし、クロスツーリスモには間延び感がなく、引き締まったフォルムをもちます。
そう感じるのはスポーツツーリスモより約85mmショートな全長によるところも大きいのでしょう。正直いって、デザインの完成度はコチラが上かな?
ボディサイズはほぼセダンフォルムのタイカンと変わりませんが、最低地上高は+20mmであり、オプションの『オフロードパッケージ』を装備すれば、さらに最低地上高を最大+30mmまでリフトさせることが可能とか。
街乗りを考えても+20mmの最低地上高はとても使いやすく、また、オフロード対応のエクステリアと相まって、とてもファッショナブルに見えます。個人的には2WDのタイカンで軽快に走るか、4WDが欲しければクロスツーリスモを選びますね。それでは基本的なディメンションとグレード構成をお伝えします。
【Porsche Taycan Cross Turismo】
ボディサイズ:全長4974×全幅1967×全高1409mm
ホイールベース:2904mm
●Taycan 4 Cross Turismo
最高出力:280kW / 380ps(350kW / 476ps)
0-100km/h:5.1s
最高速度:220km/h
航続距離(WLTP):389–456km
バッテリー容量:93.4kWh(83.7kWh)
価格:EUR 93,635.00
●Taycan 4S Cross Turismo
最高出力:360kW / 490ps(420kW / 571ps)
0-100km/h:4.1s
最高速度:240km/h
航続距離(WLTP):388–452km
バッテリー容量:93.4kWh(83.7kWh)
価格:EUR 111.842,00
●Taycan Turbo Cross Turismo
最高出力:460kW / 625ps(500kW / 680ps)
0-100km/h:3.3s
最高速度:250km/h
航続距離(WLTP):395–452km
バッテリー容量:93.4kWh(83.7kWh)
価格:EUR 154.444,00
●Taycan Turbo S Cross Turismo
最高出力:460kW / 625ps(560kW / 761ps)
0-100km/h:2.9s
最高速度:250km/h
航続距離(WLTP):388–419km
バッテリー容量:93.4kWh(83.7kWh)
価格:EUR 187.764,00
※( )内はローンチコントロール使用時のデータです。
※車両価格はドイツ国内における付加価値税を含みます。
コチラに掲載したデータは、メーカー発表値とドイツ国内の公式HPから引用しいち早くご紹介しています。なお、欧州ではコンフィギュレーターがすでに作動中ですので、本気でご購入を検討されている方は是非お試しください。
日本仕様の発表時期は未定ですが、欧州ではこの夏に発売をスタートする予定です。タイカンの例にならえば、日本での受注は早くても秋口? あるいは年内ギリギリという可能性も否定できません。予想価格はタイカンのそれよりおよそ70万高?
『タイカン・クロスツーリスモ』はマルチユースが狙いなのでオフロード走行もカバーしています。よって、駆動方式は4WDの設定しかなく、タイカンのように2WDモデルはありません。居住性はコチラが上手ですし、個人的にはシティユース用に軽く作れて価格を下げられる2WDの設定をと妄想いたします。
Text:Seiichi Norishige