CAR スーパーカー回顧録

【トヨタ2000GT】元祖ミニスカ女王と世界へ羽ばたく和製スーパーカー

皆さんこんにちは。中年B、ノリシゲセイイチ(56)です。

スーパーカー少年とは漫画『サーキットの狼』をリアルタイムで読んでいた中年である……というのが前提なのですが、いま振り返ると、タイトルがサーキットなのに読者である少年の心は登場するスーパーカーに固定されていたと思うのです。

主人公の風吹裕矢はモータースポーツへ身を転じキャリアを積みF1へ。ワタシもF1のダイジェスト放送や1976年に初めて日本で開催されたF1をTV中継で見ていましたが、ソレとコレとは別モノという感じ。まあ、この辺りは個人差ですかね~。

Yahoo! 配信用パラグラフ分割

さて、今回は日本の至宝『トヨタ2000GT』です。劇中では隼人ピーターソンの愛車です。

裕矢:おまえさんの車はフェラーリか、それともマセラッティかい?
隼P:ユーたち日本人なのにどうしてそう外車にのりたがるのかね? 日本にもすばらしい車がたくさんあるじゃないか。そのなかでもミーの愛車あれが日本のほこるさいこうの車ね!

ですよね~。舶来文化には何かと憧れます。ノリシゲはYouとMeを覚えました。

裕矢:勝負だーっ ピーターソン!
隼P:フッホッホッホ ばかめーっ!

ドリュリュリュ。ですよね~。アウト側から追い抜こうとする裕矢に、イン側にいたピーターソンがわざと膨らみブロック! キャラ的には反面教師の悪役ですが、流石に公道レース前年チャンピオンだけにテクがあります。

Yahoo! 配信用パラグラフ分割

『トヨタ2000GT』は1967年~1970年の期間発売されました。流麗なボディに固定式&リトラクタブルという2タイプのヘッドライトを採用。そのフォルムはピニンファリーナ級です。

車内デザインといわれますが、当時、共同開発していたヤマハに在籍していた元BMWのアルブレヒト・フォン・ゲルツ(BMW503や507をデザイン)が絵を描いたともいわれます。同氏はこの時代、日産で初代シルビアを手掛け、また、次期スポーツモデルの先行開発車をヤマハと共に日産内で開発。このモデルは頓挫しましたが、その影響は日産が後に認めるほど240Zに反映されました。

ちなみにゲルツ氏が92歳で亡くなっとき、その実績と貢献を称えBMWは正式なプレスリリースを発表しています。

Yahoo! 配信用パラグラフ分割

『トヨタ2000GT』の開発の経緯はちょっとややこしいのですが、ザックリ整理すると、ヤマハがFRスポーツを企画。自社では4輪車の生産・販売ができないので、日産にこの企画を打診。フェアレディの次期モデルを開発したかった日産が了承。しかし、経緯は不明ですがこのコラボは先に触れたように途中で破局します。

共同開発が頓挫し困ったヤマハは、次にトヨタに打診。この時代、トヨタはスポーツモデルとしてS800しかなく、また、1965年に始まる乗用車の輸入自由化をにらみ、世界に通じるスポーツカーの必要性を感じ、すでに新規車種の開発をスタートしていました。ココにヤマハが加わり最終的に『トヨタ2000GT』が完成します。

Yahoo! 配信用パラグラフ分割

1965年(昭和40年)第12回 東京モーターショーにプロトタイプ『280A1』を展示。翌1966年に市販生産車としての『トヨタ2000GT』が発表されます。1967年の第14回 東京モーターショーでは、ミニスカート姿で一世風靡した英国のファッションモデルであり当時17歳の“ツイッギー”(小枝という意味)が『トヨタ2000GT』の前でニコリ。つまり、わかりやすくいうと、わずかな時間ですがコンパニオンを務めたワケです。

Yahoo! 配信用パラグラフ分割

©︎gettyimages

契約条件だったのかもしれませんが、翌1968年2月8日、ツイッギーのもとに『トヨタ2000GT』が納車されます。最終的にこの個体はアメリカのトヨタミュージアムに送られ展示されました。

Yahoo! 配信用パラグラフ分割

©︎gettyimages

『トヨタ2000GT』といえば『007はニ度死ぬ』のボンドカーとして有名ですが、これは自動車雑誌の掲載記事がプロデューサーの目に留まったのがキッカケです。トヨタはこのオファーに応じ左ハンドルと右ハンドル各1台を用意したのですが、主役のショーン・コネリーが大柄でうまく撮影シーンに応じたスタイルで収まらないことが判明。コレに対応し急遽オープンカー仕様のスペシャルな2000GT(2台)が作られました。

Yahoo! 配信用パラグラフ分割

英国BBCの人気番組『トップギア』のボンドカー特集に出演した現ジェームズ・ボンド役のダニエル・クレイグは、ボンドカーのなかでも『トヨタ2000GT』がスタイリッシュだと語ります。

Yahoo! 配信用パラグラフ分割

いまさらどうかと思いますが、念のためスペックをおさらいしておきましょう。

【TOYOTA 2000GT】
ボディサイズ:全長4175×全幅1600×全高1160mm
ホイールベース:2330mm
サスペンション:ダブルウィッシュボーン(前後)
エンジン: 2リッター直列6気筒 DOHC(MF10型)
最高出力:150ps / 6600rpm
最大トルク:18.0kgm / 5000rpm
トランスミッション:5速MT(1969年8月MCでATを追加)
車両重量:1120kg 

Yahoo! 配信用パラグラフ分割

総生産台数は337台。国内販売218台、海外販売102台。その多くはMT仕様ですがMCのタイミングで設定されたAT仕様は僅か17台だとか。『トヨタ2000GT』の発売当時の新車価格は238万円。比較してS800が59万5000円(1965年)なので価格的にはスーパーカーかもしれませんね。

Yahoo! 配信用パラグラフ分割

乗るとどうか? 1990年頃と記憶しますが、わずかな距離ですがワタシは『トヨタ2000GT』を運転させてもらったことがあります。当時の中古車価格は800万円程度だったような気がしますが、とはいえ、高級クラシックカー。アクセル開度もチョビットなので評価は難しいのですが、まあ2リッターNAで6気筒なので、出だしのパンチ力はありません。

Yahoo! 配信用パラグラフ分割

エンジンはトヨタ・クラウンのM型をベースにツインカム化。シャシーはロータス・エランやジャガーEタイプに倣ったX型バックボーンフレーム(Yの文字を鏡合わせしたかのような形状)を採用します。少しスピードを乗せてから、のびやかに走るのが楽しいと思います。

Yahoo! 配信用パラグラフ分割

トヨタも一部の部品の再生産を開始するなど、近年、その価値がウナギ上りの『トヨタ2000GT』。この先を待っても相場の下落はなさそうです。「フッホッホッホ、ミーは買ったわよ~」なんて声を聞かせてほしいものです。

Text:Seiichi Norishige



RANKING

1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
AND MORE