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ビジネスコミュニケーション講師の藤田尚弓さんが教える、ビジネス現場で本当に使える「口のきき方」。話し方ひとつでビジネスが円滑に進む、コミュニケーションの極意を伝授します。

あなたの励まし方、本当にそれでいいですか?

コミュニケーション講師の藤田尚弓です。

同僚や後輩がトラブルやミスで落ち込んでいるとき、あなたならどんな言葉をかけますか? とりあえず「頑張れ」と声をかけたものの、相手にとって励ましになっていない、と実感することもありがちです。

立場が逆になったと想像してみましょう。とりあえずの「頑張れ」は「なにも知らないくせに」など無責任だと思われることもありますし、あなたの思いとは反対にプレッシャーを与えてしまった、という経験があるはずです。

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できるビジネスパーソンは、励まし方までスマートでありたいもの。そこで、相手の心に刺さり、立ち直るきっかけとなるような、励ましの言葉をご提案します。

落ち込んでいるとき、人はどんな心境にあるかを再確認しよう

ショックな出来事に直面したとき、誰でも精神的に不安定になっています。たとえば「現実を受け止めきれない」「どうしようもない怒りが湧いてくる」「自尊心が傷ついて耐えられない」など、いろいろな感情が頭と心に渦巻くもの。皆さんも身に覚えがありますよね?

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頭と心が混乱している状況にある人に励ましの言葉をかけても届きにくく、ことによっては励ましの言葉を悪い方向に解釈される可能性もあります。

そこで提案したいのは、状況に応じてコミュニケーションの取り方を変えることです。具体的に説明しましょう。

「見守り期」のコミュニケーションは最低限にとどめよう

パニック状態の相手にいきなり励ましの言葉をかけるのはNG。まずは混乱と動揺がおさまるまで、見守る時間が必要です。このときのコミュニケーションは、言葉よりも態度や気持ちが重要。具体的には、以下の3つのことを伝えましょう。

 

1 落ち着いたら話を聞く、という姿勢を伝える

見守り期には「落ち着くまで待っている」という気持ちを表すメッセージを伝えましょう。具体的には、

「話したくなったら、電話して」
「落ち着いたら話を聞くよ」
「話せるようになったら、声をかけて」

などです。待っている気持ちだけが相手に届くくらいにとどめましょう。

 

2 「分かるよ」はダメ。「分かってあげたい」が正解

安易に発する「分かるよ」は、相手の気持ちを逆なでする可能性も。気持ちを分かっている自分、ではなく、あくまでも相手の気持ちを想像して寄り添う言葉を使いましょう。

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具体的には、

「辛いよな、辛いよ。辛いんだよそういうときは」
「見てたら大変なんだって分かるから」
「その気持ちを分かってあげられたらいいのに」

などです。

 

3 見守る意志があることを伝える

励ます側としては、気持ちが落ち着くまでには時間が必要だとわきまえておきたいところ。時間がかかっても、立ち直るまで見守っているというメッセージを伝えましょう。

具体的には、

「元気になってからでいいよ」
「味方になるから」
「手伝えることが出てきたら言ってね」

などです。

「回復期」には耳を傾けることを意識しよう

数時間、あるいは数日が過ぎれば動揺と混乱はおさまってきます。ここから立ち直りに向かっていく「回復期」に入ると、励ましの言葉が前向きなものに解釈されやすくなります。つまり、あなたの言葉が届きやすくなるということです。

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前向きな言葉といっても、「頑張れ」という言葉は時期尚早です。「これ以上、どう頑張ればいいのか?!」「これでも頑張ってないように見えるのか?」とキレそうになったこと、ご自身にも思い当たるのではないでしょうか。

励ましの言葉というと「頑張れ」しか思い浮かばないという人は、この際にほかの表現を身につけましょう。「回復期」の励ましの言葉の例をお示しします。

 

例)「辛かったね」「驚いたよね」「大変だったね」

何があったのか、何が原因だったのか、といった問い詰めるような質問や、説教をしているように聞こえる励ましの言葉はNGです。まずは、気持ちを立て直した相手に共感すること。話を聞いてもらったということで心が軽くなる人もいますし「そうか、そうか」とうなずいていると度量の広い人だとも印象づけられます。言葉を過去形にするのもポイントですね。

 

例)「これからうまく行くといいね」「応援しているから、頑張って」

「見守り期」では避けていたような言葉も、「回復期」では前向きな言葉として伝わりはじめます。状況や相手との距離感を考慮して、元気になってほしい、寄り添う姿勢がある、というニュアンスの言葉を選びましょう。ただし、「こうすればよかったじゃん」のようなソリューション的な言葉は、あなたがどれだけ共感していてもカチンとくるので注意しましょう。

モラハラ? パワハラ? 絶対に避けたい「励まし」の言葉も頭の片隅に!

以前、「励まされて不快な思いをしたことがある」というテーマのグループインタビューを行いました。そのときに「どんなフレーズが不快だったのか?」を聞き取りましたので、いくつかご紹介します。

 

●不快な励まし方のフレーズ例

「大丈夫だって、なんとかなるって!」
「次は頑張ればいいじゃない。次行こう、次」
「俺のときはもっと大変だったんだよね」

普段、これらの言葉で励ましたつもりになっていないか、今一度確認してみましょう。

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ちなみに、不快感を与えないための言い換え方もご紹介しておきます。

 

●不快感を与えないための添削例

「大丈夫だって、なんとかなるって!」
「いい方法を見つけられるように手伝うよ」

「次は頑張ればいいじゃない。次行こう、次」
「次は挽回しよう。どうすればいいか考えよう」

「俺のときはもっと大変だったからさ」
「似たような経験あるけど、キツイよな」

「励まし」のボキャブラリーを増やしてビジネスをスマートに!

最後に「頑張れ」以外の励まし方でおすすめのフレーズを5つご紹介します。励ましのボキャブラリーを増やすことで、周囲の信頼感も増すかもしれません。

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「楽に行こうよ」……迷惑をかけられた状況でも、相手の気持ちをやわらげることができます。
「無理しないでね」「あまり根を詰めないで」……頑張りやさんを思いやる言葉です。
「逆にいい機会だったと思ってみよう」……苦しい局面から立ち直った人を励ます言葉です。
「応援させて」……「頑張れ」と言いそうになったら、こちらのフレーズを。
「●●さんならできると思う」……自信を失っている人を支える言葉です。

励まし上手が職場を変える

誰かに励ましてほしい、と思うのは恥ずかしいことではありません。上手に励ましてくれ存在があれば、同僚や後輩がリスクを取ってでも挑戦しやすくなるという可能性も。見守る→共感して聞く→励ましの言葉を伝える。相手の気持ちに寄り添ったステップを意識して、コミュニケーションしてみませんか?

Text:Naomi FUJITA
Photo:Getty Images



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