3シーズンで楽しめる汎用性の高さが魅力
僕には長年、本物の技術力をもった日本のメーカーと組んで、世界に向けたブランドを作りたいという夢があったのですが、それが2020年秋に動き出しました。
「MOVB(モーヴ)」とは、イタリア語で“動き”を意味するMovimento、“洋服”を意味するVestito、美しさを意味するBellezaの頭文字をつなぎ合わせた造語。ウールジャージー素材に特化し、男の基本色に色数を絞ったコレクションを展開しています。
製造の母体となるのは、国内屈指のウール産地の尾州(愛知県一宮市)で1923年に創業し、国内外のハイエンドブランドに高品質な生地の加工を提供している株式会社ソトー。そして、「TPS縫製」という特殊技術を得意とする、東京のバーンズ&ファクトリー社が縫製を担当します。
こちらのフーディは、通気性に優れたハイゲージ編みのウールジャージーを使用。真夏を除き、シーズンを問わず着られるのが特徴です。日本では冬以外にウールを着る習慣があまりありませんが、海外では3シーズン、ウールのニットをスマートに着こなす男性がたくさんいます。
もちろん湿度の違いはありますが、少し肌寒い朝晩のうちはアウターとして、暑くなったら無造作に袖をまくったり、肩がけしたり、腰に巻いたり……。さらに寒い冬にはジャケットやコートのインナーにするのも素敵ですよね。
そこで、日本の気候でもそんなふうに着られるニットがあったらいいな、という僕の煩悩を叶えさせてもらいました(笑)。かたちはカジュアルなフーディですが、スウェットのそれ同様に着ても、見え方は断然エレガント。
セットアップでパンツも用意しているので、自宅で贅沢なラウンジウェアとして着るのもいいでしょう。
あまり知られていませんが、ウールは環境によってさまざまな機能を発揮してくれる素材です。保温性だけでなく、体温を適温に下げる役割も果たし、着用者の体の温度調節を助ける機能も。汗をかいたあとでも汗冷えがしにくいうえ、消臭性、防臭性の部分でも最近注目されているんですよ。
2万6000円(税抜)/MOVB(株式会社ソトー)
肩凝りなので、軽い着心地なのも、僕にはうれしい点。最近、家にいるときは、だいたい白Tの上にブラックのこれを合わせています。
【問い合わせ】
株式会社ソトー
0586-45-1121
MOVB(モーヴ)
Photo:Ikuo Kubota(OWL)
Text:Toshiaki Ishii