パッと見じゃ気づかないくらいのデザインが秀逸!
さて、なにごともなかったかのように 201回め。今回も「エルメス」で、編み柄がなんとも珍しい、カシミアのクルーネックニットです。
2月3日に「立春」を迎え、暦のうえでは 春がはじまりましたが、気温は低いし、まだまだ全然冬。コートはもちろん、ぬくぬくなニットも手放すことはできそうにありません。
やわやわで肌触りも極上、しかも温くて、汗を掻いてしまっても匂いが残りにくいカシミアは最&高すぎる素材で、気に入ったものを見かけると お財布事情なんかは 後でどうにかすればよいとして 片っ端から清水ダイブしています。
おかげでクローゼットには カシミア山羊から恨みを買うんじゃないかってほど溢れかえっていますが、好きなんだから しょうがない。もちろん いままで一枚たりとも捨てたことはないし、どのコも満遍なく身につけています。
なかでもお気に入りなのが、安定のロロ・ピアーナと、みんなも大好きなエルメス。
とくにエルメスは、いつのシーズンも制作の手法など含め、面白いニットが満載なので、惹かれてしまっては結構な枚数をダイブしてきました。
あと ダイブには至りませんでしたが、2014年の秋冬にリリースされたクモとクモの巣が立体的に編みつけられたタートルなんかは どこにでも作れるような代物ではなかったし…
2016年秋冬のニットも、異なる編み柄を繋ぎ合わせているようなデザインが なんだかスゴかった。
こっちは結構悩みましたが、最終的にはスルー。買っておけば良かったという小さな後悔もあります。
そんな中でダイブしちゃったのは、こちらのニット。パッと見ただけじゃ なにが面白いのか…???
よく見ていただくと、プレーンなニットに 縄編みのような編み柄が文字通り無造作に並んでるんです。
「だから どうした?」って感じなんですが、これがリブにも乗ってるんで 絶妙な違和感をおぼえるわけです。既視感なくて。
いまはニット CADの技術も相当に発達しているので、おそらくディスプレイ上で指示をすれば、機械が いとも簡単に編み上げてくれるのかもしれませんが、この発想が面白かった。
柄がリブを侵食してるみたいで、他では見たことない。
アツく語れば語るほど、読んでくださる方々との温度差を感じますが…(笑)。
こんな風に一見なんてことないオーソドックスなアイテムに、よく見ると変わったギミックが入ってると どうしても惹かれてしまう。しかも それが上質なカシミアを贅沢に使ってたりなんかすると大好物。後先なんて考えてはいられません!
実際 着てみたところで気づく方は ほとんどいないし、興味を持つ人なんて皆無に等しい。ただ触り心地は抜群にイイから 擦り寄られる頻度は高め。それでイイんです。それがイイんです。
これも 余裕で減価償却できるくらいまで着倒して、天寿を全うして貰うつもりです。
Photo:Shimpei Suzuki(item)
Edit:Ryutaro Yanaka