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ウール、シルク、ポリエステル。スーツ素材の正しい選び方、ゼロから教えます!

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プラダやヒューゴ・ボスのマーケティングなどを担当。長年NYの第一線で活躍してきた首藤眞一氏が教える「ビジネス現場で身につけた紳士の身だしなみ」。

スーツ選びの要は、シルエットより素材!

スーツを選ぶ時、みなさんは生地の素材をどうやって選んでいますか?

紳士たるもの、季節やシーンに合わせたスーツ選びが出来るようになりたいもの。

とはいえ、教えてもらったこともないし、品質表示を見ても何が何だかわからない……と悩む人がほとんどです。

今回は、スーツ選びをする上で知っておきたい、素材や織り方の基本についてご紹介します。スーツ選びが上手になれば、快適さはもちろん、人からの印象もグッとよくなりますよ!

【1】スーツ素材の代表はウール

まず、スーツ素材の代表格はウール(羊毛)。ウールは一年通して着ることができ、メンズスーツに最適の素材なんです。

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ウール100%のスーツは手触りが柔らかく見た目に上品な艶があり、夏は涼しく冬は暖かいという特長があります。以下の2つはウールの中でも人気のもの。

・メリノウール

メリットは4つ。優れた保温性、高い防臭力、通気性の良さ、肌触りのよさ。繊維がとても細かいため、チクチクする不快感はほとんどありません。

・タスマニアウール

特にオーストラリア南東に位置するタスマニア島で採れる羊毛は「タスマニアウール」といい、「スーパー120’s」以上の細さで世界総産毛量の0.8%と、産出量が極めて少ない最高級「エキストラウール」の品種としてよく知られています。もっちりと柔らかな肌触りが特徴で、保温性も抜群。

とはいえ、ウールにもデメリットがあります。それは、毛玉ができやすく、乾きにくく、また虫食いに弱いということ。きちんとしたお手入れが、長く着るためには欠かせません。

【2】季節によって織り方を使い分ける

スーツ選びの上で素材のほかにも重要なのが、その織り方です。例えば、フランネルは冬、トロピカルは夏向きです。

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フランネル素材は、ウールをフェルト状に起毛加工させた、柔らかくて暖かな毛織物のことを指します。暖かく柔らかくふんわりとした肌触りが特徴です。スーツにした時の着心地の良さはもちろん、秋冬らしい季節感が溢れる着こなしに仕上がります。

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トロピカル素材は、縦糸と横糸を交互に交差させた平織りの織物のことを指します。ハリがあり、縦横の伸びが均等なので安定性があり、型崩れしにくいのが特徴です。通気性がよく、薄地でありながら張りのある仕上がりなので夏向きと言えます。

【3】糸の細さを表すSUPER表示

スーツには、SUPER100’s(スーパー100)や、SUPER120’s(スーパー120)という表示がついています。

これは、ウール100%の素材に使用される糸の細さの表示です。(シルク混やカシミアなどの獣毛混のウール素材でも表示可)

スーパーの数字が大きいほど細い糸を使用した高級な素材ということになります。糸が細いと生地がしなやかで肌触りがよく、軽く繊細になるからです。

しかし、糸が細ければ細いほど耐久性に欠けるため、スーパー180や200になると、シワになりやすく、メンテナンスが面倒になってきます。

そのため、ビジネスマンが普段着るスーツには、細すぎる糸よりもスーパー120からスパー150くらいが適しています。糸の細い高級素材は、特別の時やお洒落で着るスーツに選びましょう。

【4】ウールと別の素材の混紡

また、機能や着心地を考えて、ポリエステル(合繊)やシルク(絹)、カシミアなどの素材と混紡して使用される場合があります。

シルクがブレンドされた生地は、光沢感がプラスされるので「上品」「華やか」「高級感」といった印象のスーツに仕上がります。一方、水に濡れてしまうと、繊維の間に隙間ができて型崩れしてしまいますので注意が必要です。

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ポリエステル混のウールは、静電気や毛玉が付きやすいデメリットがあります。しかし、耐久性があり、シワにもなりにくいため、毎日スーツを着る人には向いている素材です。スーツで作業をしたり、外回りの営業をするといった人には、ポリエステル混のスーツがおすすめです。

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カシミア混のウールの特徴はトップクラスの暖かさ。空気を逃さずしっかり保温をするので、ウール100%よりも暖かく感じられます。また、繊維が細いのでぐっと軽くなります。さらに、カシミヤは獣毛の中でもトップクラスのなめらかさを持つので、たとえ数パーセント混ざっているだけでも、そのなめらかさがしっかり感じられます。

ただし、デリケートな素材のため日頃からブラッシングや陰干しするなどの手入れをする必要があります。雨など水に濡れてしまった場合は、すぐに拭き取ることが長持ちさせるコツです。

【5】ウール以外の素材

春夏のスーツには、ウール以外に、通気性のよいコットン(綿)やリネン(麻)などの天然素材が使用されています。近頃では、ウールとキュプラ(天然素材のセルロースから作られた素材)を混紡した清涼感をうたった機能素材も登場しています。

・シルク(絹)

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シルクは蚕の繭から取れる天然繊維で、軽くて滑らかな肌触りが人間の肌ととても相性が良く人気があります。強い光沢があり、吸湿性・保温性・放湿性に優れているため、高級なスーツには、ウールと共に混ぜられている場合もあります。ウールよりもデリケートなため、お手入れが大切になります。

・リネン(亜麻)・コットン(綿、木綿)

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リネンやコットンは、吸水性、撥水性、通気性に優れているため春夏のスーツに適しています。コットンスーツは、イタリアのスーツ文化の中では人気がある素材の一つになります。しかし、シワになりやすく取れにくいため、一般的なビジネススーツにはあまりオススメではありません。

以上、今回はスーツの素材と選ぶポイントを解説しました。基本的にスーツにはウール素材がおすすめですが、スーツを着る場面や季節に合わせて、自分が求める機能や着心地の良さを与えてくれる素材を選べるようになると、お洒落の幅が広がってグッと楽しくなりますよ!

Text:Shinichi Shuto



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