表参道から外苑前へ──ポール・スチュアートの新しい旗艦店『ポール・スチュアート 青山本店』が昨年11月7日に、キラー通り角に面した商業ビル「the ARGYLE aoyama（ジ アーガイル アオヤマ）」１階にグランドオープン。
店内に入ると、左側がメンズ、右側がウィメンズの構成で、正面奥にはバーを併設するという大人が楽しめる店になっています。「外苑前はアンティークショップなども多くて、ステキな街並みですよね」というマルちゃんと、気に入った服を試着して、価値あるお酒をいただきます！
大人のオンナのマルちゃんが、これからの洋服の賢い買い方、付き合い方を教えます
マコ マルちゃんはポール・スチュアートってどんな印象を持ってる？
マル 落ち着いた大人の男性が着ているイメージですね。ダブルブレストのスーツに、太くて華やかな柄のネクタイをしているようなエグゼクティブという感じ。あと、茶色がきれいな印象があります。
マコ なるほど、さすが的確です。新しいこのお店はどう？
マル 表参道にあった旧店は敷居が高く感じて、「お城ビル」にあった重厚でクラシックな店でしたが、外苑前のこのお店は天井が高くて明るいし、入りやすくなったと思います。居心地が良いですよね。
マコ マルちゃんは最近、洋服買ってますか。
手に持ったワンピース 9万9000円（税込）
マル この前、スタイリストの友人と、「顔は毎日大人になっていくわけだから、今ジャストの服を買うより、少し背伸びをした服の方が長く付き合えるし、５年先、10年先にクローゼットに入っていたらうれしい服を買うべき」という話をしたばかりです。
マコ 特に今は大きなトレンドもないし、たとえば大人なら「質」にこだわった服の買い方をしてもいいよね。
マル ポール・スチュアートのウィメンズは、私にはまだ背伸びして着る服という感覚ですが、自分の財産となる、コレクションする服としていいですね。バリバリ仕事をしつつ、お仕事の後や休日は家族や友人と外食にお出かけするというような多面性を持つ現代女性のライフスタイルにフィットするシルエットや色柄の服が多いと思います。
マコ 結局、素材と仕立てが良い服はずっと着られるし、見映えもするし、長持ちするからコスパがいいんですよ、よく言われることけど。
ウィメンズのラインナップは“理想のクローゼット”。ひと目惚れジャケットを試着！
マル ウィメンズはアイテム別のディスプレイがわかりやすくて、店内の見通しも良くて、お買い物しやすいです。気に入ったアイテムを試着していいですか？
マコ どうぞ、どうぞ。
マル ポール・スチュアートといえば、私の中では“ダブルブレスト”のイメージなんですけど、この白のジャケット、とってもキレイでステキ！
スタッフ イタリア製のメンズ仕立てで、素材はシルクウールの青山本店限定アイテムです。
マル マスキュリンだけれど、着る人のフェミニンさを引き出してくれそうですね。 着心地はとても軽くて、前ボタンを留めないで羽織るだけでもいいですね。マコちゃん、これ欲しいな（笑）。
ジャケット 33万円（税込）
スタッフ こちらのワンピースもぜひご試着ください。お似合いになりますよ。
マコ ほ～。マルちゃんは身長があるから、こういうワンピースは似合うね～。
マル このワンピースはフランネル素材なんですね。ウィメンズではちょっと珍しいかも。
スタッフ この素材もイタリアの生地で、メンズと共通で使用しています。
マコ 生地や色はクラシックなのに、モダンな雰囲気もあるのが不思議だね。
ワンピース 9万9000円（税込）
マル こういうジャケットやスーツじゃなくても“きちんと見えする”アイテムって、貴重なんですよね。コートのように羽織ればドレス風にも着られるから、今は難しいですが、パーティーやコレクション会場などに着ていきたい！
フォルツァーの“ウイスキー党”にそっと教える、店の奥にある隠れ家的本格バー
マル 今は外食にも大手を振って行けないですが、こういうバーで息抜きできるひとときっていいですね。お買い物がてら立ち寄れるのもうれしいですし。
マコ カフェスペースやドリンクカウンターがあるブティックは多いけど、バーテンダーがいる本格的なバーが併設されている店は東京でも珍しい。
マル 親しい仲の人でないと地下にあるほの暗いバーに連れて行かれるとちょっと警戒しますけど（笑）、このバーは入口からも奥に見えるし、間口が広いので開放感があって、天井も高くて居心地が良いですね。
マコ マルちゃんはウイスキーは飲む？ この「The COPPER ROOM（ザ コッパー ルーム）」は、実はとんでもないバーなんです。
マル 私、こう見えてウイスキー党でして……。一番好きなのはグレンモーレンジィです。最初は苦手だったのですが、今では正露丸のような香りがするアイラ系の「ラフロイグ」も好きですね。
マコ じゃあ、このバーは楽しめますよ。ウイスキーの「年代別の飲み比べ」ができるの。
鵜澤店長 たとえば、オールドパーの40年代、70年代、現行品の飲み比べができます。
マコ 店長は簡単に説明するけど、40年代のウイスキーって完全にコレクターズアイテムで、バーで飲めるのは本当に貴重。自分の父親が船乗りだったんだけど、海外航路のお土産って、必ずオールドパーとキスチョコだったんだよね。だからボトルの形状を見ると、亡き父を思い出す（笑）。
40年代のオールドパーは4000円、70年代は2300円、現行品はなんとタダで楽しめる「飲み比べ」。手前のボトルはこのバーで一番古い100年前にボトリングされたブランデーで9700円。この値段では他では絶対に飲めないとのこと。その奥はブレンデッドウイスキー「KING GEORGE Ⅳ」で3000円（いずれも税抜）
マル ウイスキーだと目移りしすぎちゃうので、私は今日はカクテルがいいかな。
鵜澤店長 それでは、キンカンととちおとめのカクテルをどうぞ。
マコ 自分はキングジョージをください。ハチミツのような香りが好きなんですよ。
マル マコちゃんはウイスキーをどう飲むんですか。
マコ 安いウイスキーはハイボールにしちゃうけど（笑）、これくらいのクラスの酒なら、ちょっと水を垂らして、香りを楽しむ“トゥワイス・アップ”かな。
鵜澤店長 そうですね。水を垂らす程度入れると、香りの花が開いて、ウイスキーが持っているポテンシャルをグッと引き出せます。
マル ワインに詳しい人も素敵ですけど、ウイスキーの話ができる男性っていいですよね。
マコ 男って、夜な夜なバーに来て、カウンター越しにそんな話をして世の中の勉強をしているんですよ（笑）。
マル それで好きなお酒と好きな飲み方が増えていくんですね。
マコ このバーは、気持ちよく酔っていると、お酒とおつまみがエンドレスで出てくるから、酩酊しちゃダメだよ（笑）。
ディレクター鴨志田康人の感性が加わった、ポール・スチュアートメンズの新世界
マル 今日は、鴨志田さんがディレクションに加わってから、初めて本格的にメンズを見るのを楽しみに来たんです。
マコ 2019年秋冬コレクションから鴨志田さんがポール・スチュアートの日本におけるディレクターに就任してちょうど一年。この店のオープンと重なって、秋冬モノは見ごたえがあるってウワサですよ。
マル マコちゃんも試着してみてくださいよ～。私が青山本店限定アイテムを着たので、同じ限定品がいいかな。
マコ それなら“鴨志田カラー”が感じられる服がいいよね。メンズの空間はどう？
マル メンズはテーラードとカジュアルがきっちり分かれていて、見やすくなりましたね。コーディネートのイメージが湧きやすい感じで、安心して買い物ができる雰囲気がします。
マコ カジュアルとテーラードの他に、広々としたフィッティングルームもあって、新しい空間も楽しめる。
マル ポール・スチュアートは、「メイド トゥ メジャー」（オーダーメイド）のお客様が増えているって聞きました。スーツってなぜかアウトトレンドみたいに言われていますが、洋服って人柄を表す一番身近なものだから、リモートワーク全盛でも、週に一度ぐらいはスーツを着ておしゃれを楽しんでほしいです。
ピーコート 15万4000円（税込）
マコ マルちゃんは良いことを言うね。といいながら、選んだのはビッグバッファローチェックのアルパカシャギーを使用したピーコートです。
マル デザインはベーシックなのに、不要なステッチがなくてきれいなピーコートですね。見るからに暖かそう。
約一年間のマコマル連載、ありがとうございました！
マコ 二人で試着合戦とバータイム、楽しかったですね。大人は、こういう時間をわざわざ作って、新しい服やお酒との出合いをもっと楽しむべきだと思います。
マル 本当にそうですね。今はいろいろ難しい時期ですが、奥さまやパートナーの方となら時間と場所を共有することはできるはず。
マコ コロナウィルスの感染対策ばかり気にして、マスクをした顔もいつしかこわばって、気持ちも固まりがちだから、親しい人と笑い合ったり、ゆっくり好きなお酒を嗜んだり、ちょっとした“ほぐし”は絶対必要。
マル 今日はしっかりほぐされました（笑）。フォルツァーの皆さんも体調の変化に気をつけて、公私にわたってご活躍ください！
ポール・スチュアート 青山店
東京都港区北青山二丁目14-4 ジ アーガイル アオヤマ 1F
TEL 03-6384-5763
営業時間 11：00～20：00（現在は11：00～19：00）
併設するバー「The COPPER ROOM（ザ コッパー ルーム）」
営業時間 18：00～24：00（現在は14：00～20：00 ※ラストオーダー19：00）
※営業時間は変動しますのでご確認の上お出かけください
丸山尚弓（まるやま なおみ）
「美人すぎるメンズファッションライター」として活動中。メンズファッションを題材とした自身のFacebookは、コメントが女性目線で分かりやすいと好評で、紹介した商品には問い合わせが殺到する。ファッション初心者を「素敵な男性」へと優しく導くことが信条。またファッションだけでなく「人生を豊かにするライフスタイル」をテーマに、男性としてトータルの魅力アップが目指せる記事を発信している。ライター以外の活動として、メンズブランドの企画やブランディングも行う。特技はコミュニケーション力を活かして外国人ともすぐに友人になれること。趣味はタウンウォッチと英語での映画鑑賞。
Instagram：@maruchan.703
Photo：Yuuji Hirose
Text：Makoto Kajii
