みなさん、こんにちは。
腕時計羅針盤、RYです。

昨年の9月に書いた「はじめての腕時計の選び方と、オンオフで使いやすいおすすめモデル3選」という記事中で、私の考える”腕時計の5つの基本形”を簡単に紹介させていただきました。
その5つとは、
①ドレスウォッチ
②3針スポーツウォッチ(or ラグジュアリースポーツウォッチ)
③ダイバーズウォッチ
④パイロットウォッチ
⑤クロノグラフ
です。
その他にも、様々な複雑機構を積んだ腕時計はたくさん存在しますが、基本的にはこの5タイプの腕時計が、最も手に取られるのではないでしょうか。
しかし、腕時計をこれから初めて買おうという方にとっては、何が何だか全くわからないと思います(私も初めはそうでした)。
そこで今回から全5回にわたって、それぞれの腕時計の特徴や選ぶ時のポイントを、代表的なモデルの写真と共に、できる限りわかりやすく紹介していこうと思います。
この5回分を読めば、腕時計の基本形を理解することができ、どこに注意して腕時計を選ぶべきなのか?自分にあっている腕時計はどんなものなのか?など、判断することができるようになると思いますので、少し長いですが、ぜひ最後まで読んでいただければ嬉しいです。
第1回目は”ドレスウォッチ編”です。
ドレスウォッチとは?

ドレスウォッチの特徴を3つにまとめると、
①とにかくシンプルで薄い
②上品でフォーマル
③金やプラチナなどの貴金属製も多い
ドレスウォッチは、とにかくシンプルで薄く、上品で正統派な腕時計です。
シンプルであるほど高貴とされ、日付表示や秒針がないものもあるくらいです。
基本的にフォーマルな装いに合わせるため、袖に下に入るよう薄く作られています。
そのため、ムーブメントを薄くできる”手巻き式”が他のジャンルの腕時計に比べて多くなっています。
また、プラチナや金など、高価な貴金属類で作られているものも多いのが特徴です。
これらはステンレススチールと比べて、柔らかい金属であるため、傷がつきやすくなっています。薄さと相まって、ラフに使うのは最も避けるべきジャンルの腕時計であるとも言えます。
逆に言えば、ドレスウォッチを長く綺麗に維持することができるというのは、それだけ気を配ることができる、物を大切に使う事ができるということを暗に示すことにも繋がります。
自分を磨いてくれるドレスウォッチ

ドレスウォッチは、数ある時計のジャンルの中で、最もシンプルであり、時計の基本形でありながら、最もチョイスが難しいジャンルであると私は思っています。
いや、むしろ余計な機能が無く、極めてシンプルがゆえに審美眼が試され、選択が難しいのかもしれません。
だからこそ、さらりとドレスウォッチを着けこなすことができれば、品とセンスの良さを静かに物語ることができると思います。
ドレスウォッチはタキシードやフォーマルスーツなど、格式の高い装いをメインターゲットに置いています。
そしてフォーマルウェアには、自由なカジュアルウェアとは違い、靴のつま先から、髪の毛の先端にまで、着こなしの基本ルールやマナーが存在しています。
したがって、そういったルールやマナー、さらに言えば立ち振る舞いまでセットで出来て、初めてドレスウォッチを付けこなす事ができると思います。
そういった意味において、「自分が試される腕時計」と言えるかもしれません。
しかし逆に言えば、「自分を磨いてくれる存在」でもあります。
初めは浮いていても、腕時計に釣り合うように自分を磨き、次第に本当の意味で自分のものとなる。そして自分が目指した自分の姿に近づいていく。
そんな使い方ができるのもドレスウォッチの魅力だと思います。
ドレスウォッチを選ぶ時の4つのポイント

さて、そんなドレスウォッチですが、選ぶときに注目したいのは以下の4点です。
①素材とベルト
②ムーブメント
③サイズ
④文字盤構成要素
それぞれ見ていきましょう。
①素材とベルト

ダイバーズやパイロット、その他スポーツウォッチが頑丈さを求めて、ステンレススチールがメインで使われるのに対して、ドレスウォッチはエレガントさを求める為、ハイラインのブランドではプラチナや金などの貴金属を用いることが多いです。
これらの貴金属は、やわらかく優美な上品さがある一方で、傷つきやすいため、価格の高さと相まって、かなり上級者向けとなるでしょう。
ステンレススチール製のドレスウォッチであれば、比較的価格も抑えられ、傷もある程度つきにくくなるので、入門編としてもおすすめです。
一方で革ベルトにも注目です。
ドレスウォッチは基本的に革ベルトが使われています。
メンズファッションでは、「靴やベルト、鞄などの革製品の色味を統一すると良い」とよく言われています。
そのため、買おうと思っているドレスウォッチの着用シーンを想像し、その他革製品と、腕時計の革ベルトの色が合っているかどうかに注目してみると良いでしょう。
なお、ベルトは汎用品が多く売られていますし、オーダーで作ってくれるお店もあるので、後で交換可能です。
②ムーブメント

ドレスウォッチの一つの特徴として、”手巻き式”ムーブメントが多いと言う点が挙げられます。
これは、”自動巻き式”に比べて、ドレスウォッチを薄く作る事ができるというメリットがある反面、衝撃に弱くなると言うデメリットもあります。
一方で、部品数が自動巻きに比べて少ないため、メンテナンスや修理はしやすい傾向にあります。
手巻き式は、定期的に自分でゼンマイを巻き上げる必要があるため、時計愛好家にファンが多いのですが、面倒に感じる人がいるのも事実です。
これはご自身のライフスタイルや感覚によるところですが、自動巻き式か手巻き式どちらが自分に合っているのか考えてみると良いと思います。
あくまで個人的な意見としては、
毎日使うorまだ機械式時計歴が浅いという人は自動巻き。
たまにしか使わないor機械式時計歴が深いという人には手巻き式がおすすめだと思います。
③サイズ

すべての腕時計に言えることですが、腕時計を選ぶときにはサイズ選びに気を付けましょう。
スーツと同様、いくら素材やブランドが良くても、サイズが合っていないとミスマッチに見えてしまいます。
ドレスウォッチはそのシンプルさがゆえに、文字盤の構成要素が少なく、間延びして見えるものが多いと思います。
そのため、サイズはいつもよりも小さめ、かつ現代基準で考えれば、ケース径40mm以内が大抵の日本人の場合には似合うと思います。
個人的にベストバランスは、ケース径38mm~34mmくらいだと思っています。
また、昔の腕時計はサイズの基準が小さかったので、ヴィンテージウォッチであれば30mmくらいまでは似合うと思います。
一方で、忘れがちな厚さも要チェックです。
シャツの袖の下に収まるかどうかをチェックすると良いでしょう。
個人的には、厚さ11mm以下であれば大丈夫だと思います。
④文字盤構成要素

④-1. 色
基本的には、文字盤の色は白やシルバーが定番です。
黒や濃紺もありますが、これはかなり上級者だと思います。
④-2. インデックス
ローマ数字が最も高貴であるとされ、それとほぼ同等にバーインデックス、アラビア数字はほんの少しカジュアル目とされています。
ここは気に入ったもので良いと思います。
④-3. 針
針は少ないほど高貴とされています。
したがって、時針と分針だけの2針タイプがもっとも高貴、それとほぼ同等レベルで2針+スモールセコンド(文字盤の下の方に小さく秒針があるタイプ)、次いで3針タイプとなります。
パワーリザーブや日付表示は出来るだけ無いシンプルなものが王道ですが、ここも気に入ったもので良いと思います。
まとめ

いかがだったでしょうか。
今回はドレスウォッチの特徴と選ぶ時の4つのポイントについて書かせていただきました。
非常に長くなってしまったので、もう一度まとめたいと思います。
ドレスウォッチの特徴は、
①とにかくシンプルで薄い
②上品でフォーマル
③金やプラチナなどの貴金属製も多い
選ぶ時のポイントは、
①素材とベルト
②ムーブメント
③サイズ
④文字盤構成要素
でした。
”最もシンプルでありながら、最も選択が難しい、それ故に自分が試され、自分が磨かれる腕時計”それがドレスウォッチだと思います。
今日の内容が、皆さんの参考になれば嬉しいです。
次回は、3針スポーツ(ラグジュアリースポーツ)時計編を書きたいと思います。
それではまた!ごきげんよう!