レディースですが、ダッフルなので前合わせも気にせず着ることが可能!
2016年10月にヒョンなことからスタートした「こじラグ」も 気がつきゃ 200回! よくもここまで続いたし、どんだけ買ってきてるんだ オレと、感心と諦めのあいだでココロが震えております。
さて、200回めのキリ番ってことで 今回もちょっとした大物、エルメス バイ マルタンマルジェラ(HERMES BY MARTIN MARGIELA)のダッフルコートです。
こちらも 以前に紹介したヴァルーズのニット同様にレディスなんですが、女性がコンフォートに着られるようにオーバーサイズで仕上げられているため、しっかりした体格の僕でも難なく着ることができます。
そして、さすがに この時期(1997年〜2003年)にエルメスをバンバン買えるほどではなかったので、このコートも ニット同様、ある女性が購入したものを譲って頂いたんですが、ほぼ新品でした!
華奢な日本の女性には少し大きかったのが幸いし、それなりのお値段でしたが ありがたいことに僕の手元にやってきました。
このダッフルがスゴいところは、トグルとなるレザーのストラップがすべて取り外しできること。すべて外せば、ただ羽織れるだけのマントのように変身しますし、外した3つのストラップはバングル的に使うこともできます。まぁ 腕に巻くことはありませんが…。
そして、ストラップだけでなく襟もボタンで取り外せて、ノーカラーのコートにもアレンジが可能です。
マルタンがエルメスのプレタポルテをデザインするときに考えた"リュクス"の定義には「クオリティとコンフォートの完全なバランス」というのがあり、自身のブランドとは異なる唯一無二な美しく上質な素材を使って、時代性を超越したフォルムを描く、シンプルなアイテムを提案し続けていたのですが、ただのシンプルな服じゃありませんでした!
素材もウールにカシミアを混紡したメルトンなんですが、とにかく柔らかくてモッチモチ。裏地もついていないので、カーディガンを羽織るような気分で着こなすことができます。
さらに、スゴいのは 使われているボタン! マルタンがクリエイティブ・ディレクターをつとめていた時期のボタンは、糸を通す部分が6つ穴になっていて、そこを「H」の文字になるように縫ってあるんです。はっ! よく見たら「H」。
そこにシビれる! あこがれるゥ!
これに袖を通すたびに、エルメスの底力と、マルタンのクリエイティビティに感服して、あの時代にガンガン買えるようなオトコでありたかったと思います。もう少しだけ早く生まれていれば…
いままたマルタン マルジェラが再評価され、これらエルメス バイ マルタンマルジェラのセカンドハンド価格が高騰してしまい、新たにアイテムを手に入れることは困難ですが…、チャンスがあったら欲しいものもたくさんあります。
とは言え、このコート、シルクのヴァルーズニット、カシミアのチョッキがあれば十分な気もしているので、手放すことなく大切に着ていこうと思います。
Photo:Shimpei Suzuki(item)
Edit:Ryutaro Yanaka