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【ロールスロイス・新型ゴースト試乗】「やっぱり違う!」奥ゆかしくも圧倒的なその魅力とは?

唯我独尊のごとく進化する ピナクルな雲上ブランド

「やっぱり違うなぁ……」、とつい口にしてしまうクルマを運転しました。ロールスロイス・ゴーストです。久しぶりの新型車であり、久しぶりのテストドライブとなります。フェラーリやランボルギーニ、ベントレーよりもずっと触れる機会の少ないクルマです。

ゴーストはロールスロイスファミリーの中で核となります。完全なショーファードリブン(運転手付き)のファントムよりもパーソナル感が強いのが特徴です。その派生に2ドアクーペのレイズやコンバーチブルのドーンもありますが、販売台数はゴーストが上。近頃はSUVのカリナンも人気ですがね。

試乗は昨年11月に行われました。会場となったのは中禅寺湖湖畔に新しくできたザ・リッツ・カールトン日光。世界初の大浴場のあるザ・リッツ・カールトンで、モダンなつくりの中に和を取り入れています。日本を代表するリゾートホテルになりそうですね。

新型ゴーストはこれまでとは骨格からして違います。カリナンにも使われるアルミニウム製スペースフレーム・アーキテクチャーが採用されます。要するに、軽量かつ剛性の高い骨組みを持ちます。エンジンは6.75リッターのV型12気筒ツインターボ。最高出力は571ps、最大トルクは850Nmを発揮します。まぁ、この辺は他のウルトララグジュアリーGTカーと比較してもらえばわかりますが、遜色ありません。というか、どちらかというと控えめで、同クラスと数値で争っていないところがステキです。かつてのロールスロイスはパワーを公表せず、「必要にして十分」と記載していましたが、そんな奥ゆかしさを感じます。

ではさっそく、走った印象へと話を進めましょう。試乗車は右ハンドルのスタンダードボディでした。ゴーストにはよりショーファードリブンに適したロングホイールベースも用意されます。

走り出しは至ってスムーズで、スーッと動き出す感じです。まさに“ゴースト”といったところでしょう。ちなみに、ロールスロイスに“ファントム(亡霊)”や“ドーン(朝焼け)”といった名前が付くのは、まさにそうした状態を表しているからです。つまり、音のしないモノ。そこは英国人のちょっとしたユーモアといったところでしょうか。歴代モデルには“シャドウ(影)"、”クラウド(雲)“なんかもありました。

このクルマはその気になれば速くも走れます。アクセルをグイッと踏み込むととてつもないトルクと共に大きなボディが加速します。周りの景色を置いていくとはこのこと。しかも、その時のハンドリングも軽快で気持ちがいい。多少切り始めに遊びはありますが、そこからピタッと収まり安定感をドライバーに伝えます。この辺はグループであるBMWテクノロジーも含まれていることでしょう。また、山道ではGPSやカメラを使って先のコーナーに構える姿勢をとります。最先端の電子デバイスで、どんな状態でもキャビンをフラットに保とうとする戦法ですね。エアサスが調整され、姿勢をキープします。

そのキャビンに付いて開発陣からオンラインで面白い話を聞きました。それはあえてエンジン音をキャビンに入れているということです。というのも、静粛性を極めキャビンを無音近くすると、乗っていて強い違和感を得てしまうそうです。なので、エンジン音や適量の自然界で起きる音を乗員に聞かせるようにしたのだと。何ともロールスロイスらしいストーリーじゃありませんか。

デザインは、あまり変わらないように思えますが、すべて新設計です。テーマは“脱贅沢”。ボディサイドのキャラクターラインを減らし、なるべくシンプルに仕上げたそうです。ただそれに関してはオンラインでデザイナーに直接問うたところ概念的要素が強いと感じました。ロールロイスを説明するにあたって具体的な話はそれほど必要じゃありません。

というのが新型ゴーストの概要。総合的に見てロールスロイスは概念のブランドだという気がしました。生憎その領域に達していないのですべてを正確にお伝えするのは難しいですが、「やっぱり違うなぁ……」は正直な感想です。



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