デジタル時計にハマるきっかけとなった記念すべきモデル
2020年に20周年を迎えたディストリクト ユナイテッドアローズのオープンから店頭に立ち続ける顔的な存在で、ブログやコラムにてマニアックで役に立つ、素敵な話題を提供してくれる森山真司さん。
基本的に服を捨てることはなく、自宅のクローゼットや収納には収まり切れないくらいの服を所有する森山さんが、なかでも思い入れが強くて捨てられない服をご紹介する企画の第3回目は、タイメックスのアイアンマンです。
おそらく電池を入れても液晶が表示されるか分からないし、ベルトも激しく劣化してしまっていて、もう絶対に着けることはできないんですが、なぜか捨てられない…。
このデザインの良さに惹かれまして、ファッションとしてデジタル時計をするきっかけになった時計です。
G-SHOCKが注目される以前、デジタルブームのときに、しかもペアウォッチで買ってるんです。当時デジタル時計でレディースがあるのが衝撃で、奥さんの分も買いました。
ペアウォッチなんて初めて買いましたし、後にも先にもこれだけで、それ以降は買ってないです(笑)。
じつは高校生のころからアンティークウォッチが好きで、この時計に出会う前は 手巻きばかり。全然無名のアンティークを買ったり、ゼンマイのモデルも好きだったので同じタイメックスでもベトナムを買って着けていました。
それで、壊れては新しいものを求めてを繰り返していたんです。
そんな折に、出逢いはファッション誌だったと思うんですが、「デジタルもアリだな」と思わせてくれた時計が、アイアンマン。
このおかげで、G-SHOCKが逆輸入で入ってきたときも すんなりと受け入れられましたし、その後データバンクもタッチスクリーンなんかも買うことに。漢字データバンクに関しては、拝み倒して譲って貰ったほどです(笑)。
ちなみに、ネットフリックス(Netflix)で放送されてた「ストレンジャーシングス」で、デヴィッド・ハーバー演じるホッパーが、これ付けてるのを観て、時代考証の仕方巧いなぁと感心しちゃいました。
それが関係していたのか、この前 復刻もしたんですが、フェイスのオレンジの配色が違ったんですよねぇ…。
いずれにせよ、思い出がたくさん詰まった時計なので、壊れて動きませんが、今後も絶対に捨てることはないですね。
Photo:Shimpei Suzuki(Item)
Edit:Ryutaro Yanaka
「ディストリクト ユナイテッドアローズ」セールスマスター
森山 真司さん
ファッション業界で30年に及ぶキャリアを誇り、ディストリクト ユナイテッドアローズにおいては2000年の立ち上げ時より在籍する名物スタッフ。『スター・ウォーズ』をこよなく愛する、“自称ジェダイ”は、服・革靴など莫大な量を所有。1968年生まれ。