若かりし青年があっという間に中年となっているように、かつては高嶺の花だったピッカピカの新車も気がつけば中古車に。
あの時は高くて買えなかったけど、今ならイケるかも!? な妄想を抱く二人の中年と、謎のコスプレイヤー・アイリちゃん、合わせて中古車野郎Aチームが読者の皆さんに代わって、とっておきの中古車を探す企画がこちら「中年と中古車」。

今回は、クラシカルな上品さと、現代的な実用性を兼備した初代ジャガーXK8をご紹介します。と、その前に、ジャガーXK8をおさらい。

1996年から2006年まで販売されていたコードネーム「X100」であるジャガーXK8は、ジャガーがフォード傘下となり、XJSに替わる新たなスポーツモデルとして誕生。XKとは、みんな大好きEタイプ、それ以前のスポーツモデルを示す名称です。そこに新開発のV型8気筒エンジンを載せることで、XK8と名付けられました。

ターボに頼らない自然吸気のV8は、4リッターの排気量で、294馬力を発生(その後登場したスーパーチャージャー付きのXKRは375馬力)。2002年のマイナーチェンジではそれぞれ304ps、406psと出力を上げています。
2+2のクーペとコンバーチブルからなるこのクルマのデザインは、ジャガーのデザイン・ディレクターであったジェフ・ローソンによるもの。在籍時にミッドシップスポーツカーXJ220や、サルーンXJ(X300型)、Sタイプ、Xタイプの監修をしたとされます。
XK8のデザインを見ると、どこかEタイプを思わせる曲線やプロポーションに強く惹かれます。
さて、お待ちかね、実車を見てみましょう。

1999年式のコンバーチブルモデルです。アクアマリーンのボディ色になんともいえない品と色気を感じます。
オープンにして見られることも意識してか、レザー内装も同系色でまとめられています。シートベルトのプラスティック製キャッチまで同色で、なんともラグジュアリー! 新車で買った方に感謝を。

現代の感覚では少々遅く感じられる幌の自動開閉時間は20秒ほど。実車の作動はあくまでスムースで、整備の万全さをここひとつ見るだけでも理解できます。
もちろん、エンジン始動もぐずることなく一発で。アイドリングも安定していて、変な音はなし。走行10万キロを超えていますが、まだまだ現役選手として活躍してくれるでしょう。

今回おじゃましたジャガー専門店JEFは、中古ジャガーの販売も行っていますが、メインは整備にあります。日本レイランド、ジャガージャパンでメカニックとして経験を積んだ井上代表によって、日常使いできるXK8はもちろん、往年のEタイプやMk.Ⅱ、歴代XJサルーンやXJS、なんとダイムラーのダブルシックスまでがずらりと整備中。

新車に比べ、当たりはずれの可能性の高い中古車ですから、買った後の心配はつきないもの。とくにディーラーでは面倒をみてもらえない年式のものならなおさらです。

だからこそ、整備をメインとする同店で購入するのは安心度が高いと言えるでしょう。

新車当時1200万円ほどで販売されていたジャガーXK8コンバーチブル。こちらの中古車は、その10分の1ほど。新車で買われたアナタはお売りになった際、悲しかったかもしれません。が、僕ら中古車フリークはアナタに感謝いたします。中古車とは新車で買ってくれたアナタがいたから誕生するのですもの。
JEF(ジェフ)
神奈川県平塚市横内 2740-1
0463-75-9707
https://jag-ef.com/








Video : Yoshihide Shoshima