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LIFESTYLE 田舎で楽しむ英国的衣食住

レシピ付き【英国の新年はローストビーフ!】赤ワインのグレイビーソースも、意外と簡単です〈田舎で楽しむ英国的衣食住〉vol.8

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英国を始めヨーロッパ諸国では、クリスマスは言わずもがな、1年で最も重要な行事です。そのクリスマスが終わり新しい年が来ようとしていますが、英国人は新年をどのように過ごすのでしょうか?

私が知る限りでは宗教行事であるクリスマスやイースターのように決まった過ごし方はなく、各家庭で様々のようです。その中で多かったのが、「ロースト」を食べながらシャンパンでお祝いするというもの。

私が新年をロンドンで過ごした際も、友人宅でローストビーフを食べたことがあります。英国では「サンデーロースト」といって日曜日になるとレストランやパブでランチタイムにビーフやポーク、ラムなどのローストが提供されますが、家庭では特別なオケージョンにローストが用意されます。特にローストビーフは御馳走の中の御馳走といえるでしょう。年末年始に花を添える料理としてトライしてみてはいかがでしょうか?

◆使う肉の部位は? 王道か変化球か、好みに合わせて◆

英国のローストビーフは伝統的にリブロースを使いますが、サーロインやランプ、フィレを使うこともあります。私が今回選んだのはトウガラシという部位です。

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稀少部位トウガラシ

牛の肩甲骨付近の希少部位で赤身の旨味が強く、赤身好きの私にはちょうどよいのと、肉汁も豊富なためローストビーフに欠かせないグレイビーソース作りに最適なのです。ご自身の好みの部位をローストして見るのも一興ですね。

◆イングリッシュマスタードの勧め◆

1814年創業のColman’s(コールマンズ)のイングリッシュマスタードはローストビーフのシーズニングには必須だと教えてくれたのは、コールマンズの地元Norwich(ノーリッチ)出身の友人。肉の臭み消しや風味づけだけでなく、肉の表面が焦げるのを防いでくれる優れた調味料です。以前ご紹介したリーぺリンのウスターソースと同じく日本でも手に入ります。

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和ガラシに似た味ですが、よりマイルドで香り高い印象です。和洋問わず使えます。粉とペーストの2種類が販売されています。肉のシーズニングには粉の方が便利です、がペーストタイプでも大丈夫です。

◆手際良く調理すれば意外と簡単。ローストビーフ&ヨークシャープディング◆

1, 牛肉を室温に戻しておく。冬場は1時間~1時間半、夏場は30分程度。

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2, ヨークシャープディングの生地を作っておく。ふるいにかけた薄力粉に塩ひとつまみと卵4つを加えてよく混ぜ合わせる。

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3, 牛乳を加え、ダマなどがなくなるまで混ぜ合わせておく。前日など、事前に作って冷蔵保存しておいてもOK。

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4, 人参と玉ねぎを切り、ニンニク(皮付き)と共にベーキングトレーやパイ皿に敷いておく。オリーブオイルなど(分量外)をかけておくと野菜が焦げにくくなる。

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5, 室温に戻しておいた牛肉に強めに塩胡椒をし、マスタードと小麦粉を表面に塗って馴染ませる。4の上に牛肉を置き、ハーブを散らして、250℃に予熱しておいたオーブンに入れる。

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6, 10分経ったら温度を200℃に落とし、45分(ミディアムレア)、50分(ミディアム)、55分(ウェルダン)焼く。この間にじゃがいもを軽く茹でておく。

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7, 焼き上がったら肉と人参とニンニク(グレイビーソース用に2片ほど残しておく)をアルミホイルで包んで保温し、約30分休ませる。玉ねぎはグレイビーソースに使う。

8, ヨークシャープディングを焼く。マフィン型などに植物油を塗り、オーブンで5分ほど熱しておく。

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9, 型の半分くらいまで3の生地を流し込み、オーブンに戻して、25〜30分焼く。茹でておいたポテトに7で出た肉の脂を絡ませて耐熱皿に移して一緒に焼く。

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10, グレイビーソースを作る。肉を焼いたトレイに残った脂と肉汁をこそげとり、鍋に移して火にかける。肉と一緒に焼いた玉ねぎとニンニク、薄力粉を入れキツネ色になるまで炒める。

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11, ブイヨンと赤ワインを加え、とろみがつくまで煮込む。火を消す直前にローズマリーで香りづけする。火を消したら塩胡椒で味を整え濾しておく。

12, 休ませておいた肉を切り分ける。本場英国では厚めに切るが、硬い部位などは薄めに切った方が食べやすい。

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13, 焼き上がったヨークシャープディングや他の付け合わせを盛り付けて、グレイビーソースをたっぷりかけて完成。

◆祝いの席には、やっぱりローストビーフだった◆

この記事を書きながら、昔のことを振り返っていると祝い事の際には高い確率でローストビーフを食べていることがわかりました。自分の誕生日祝いに友人の家族が焼いてくれたり、友人の特別な日を「Rules Restaurant」などロンドンのレストランでちょっと豪勢に祝うこともありました。

どんな形であれ、しっかりと思い出に残る強烈な何かがローストビーフという食べ物にはあるように思います。2020年はどなたにとっても困難な年であったのではないでしょうか。まだまだ先の見えない状況で、お正月もいつもと違った過ごし方をせざるを得ないご家庭も多いようです。2021年には少しでも状況が改善するよう祈っております。皆さま、良いお年をお迎えください。

《材料》4~5人前

<ローストビーフ>
牛肉ブロック  1kg
塩       適量
胡椒      適量
薄力粉     小さじ1
マスタード   小さじ1
人参      3本
玉ねぎ     大1個
ニンニク    1個
タイム     小さじ2
ローリエ    2枚
ローズマリー(フレッシュ) 1本
ベビーポテト  8個  or 普通のじゃがいも 4個

<グレイビーソース>
薄力粉     大さじ4
ブイヨン    250ml
赤ワイン    250ml
ローズマリー(フレッシュ)1本
塩       適量
胡椒      適量

<ヨークシャープディング>
薄力粉     130g
卵       4個
塩       ひとつまみ
牛乳      200ml
植物油(オリーブオイル、菜種油など)

ホースラディッシュ    お好みで
クレソン(飾りとして)  4〜5本

photos&text: Kohki Watanabe

 

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◆渡邉耕希(わたなべ・こうき)◆
愛媛県出身の1992年生まれ。ロンドンの大学でクラシック音楽を学ぶ。現地でヴィンテージ・アイテムの魅力に取りつかれ、服や靴を中心にアイテムの歴史的背景まで探求するようになる。無類のスイーツ好きが高じて開設したYouTubeチャンネル「The Vintage Salon」にて料理や英国菓子作りを通して日本で実践できる英国的生活を発信している。



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