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FORZA STYLE - 粋なダンナのLuxuaryWebMagazine

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働く男を応援する装うことの理論と応用を網羅! 働く男におしゃれは必要ない、と著者は考えます。しかし人は裸では生きていけません。だから、服を着るのです。もちろん、やりすぎてはいけません。つまり、他者におしゃれだと感じられてはいけないということです。趣味としてのファッションと、日常着る服は異なるのです。

寒い時季にジャケットの上に羽織るコートが多様な時代です。トレンドや価格に踊らされることなく、10年着られる基準で選べば間違いありません。

初期投資はそれなりにかかりますが、安物買いの銭失い、とならない堅実な買い物がそこにはあります。この冬からずっと先の冬まで着られる一着をぜひ見つけてください。

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タリアトーレのチェスターフィールドコート編み柄の入った濃紺ウール100%生地を使った定番的デザインのチェスターフィールドコート。右腰のチェンジポケットがクラシカルな印象を与える。11万5000円(税抜)/タリアトーレ(ビームス 六本木ヒルズ)

最もオーソドックスなビジネスコートは、チェスターフィールドコートと呼ばれるものです。ウール製でジャケットのように上下の襟があるもの。英国貴族のチェスターフィールド伯爵が着用していたものに端を発し、ブラックタイのドレスコードにも対応するコートです。

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ラルディーニのチェスターフィールドコートやや毛羽だったウール生地の触り心地がたまらないチャコールグレーの一着。定番的なチェスターフィールドコートのデザインながら、サイドのポケットを斜めに配すことで軽やかな印象もプラス。13万6000円(税抜)/ラルディーニ(ストラスブルゴ)

これを少しくだけさせたものがポロコート。上下襟、腰のフラップ&パッチポケット、ダブルの前合わせ、背面腰にベルトがつき、袖が折り返されたものです。

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リングヂャケットのポロコート打ち込みのあるウール100%生地は、肉厚ながら軽い着心地。さらに、さわり心地に魅了される。クラシカルなディテールを忠実に再現し、仕立てのすばらしさも加わり、服好きも脱帽の一着。28万円(税抜)/リングヂャケット(リングヂャケットマイスター 206 青山店)

ポロプレイヤーが競技外中にユニフォームの上から羽織っていたことからそう呼ばれるようになりました。こちらもウールやキャメルが素材の主流です。

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パイデアのポロコートイタリアのパイデアの一着は、ライトツイードにダイアゴナル状のストライプを配した印象的な生地を使用。ライトグレーを選んだことでビジネスでも派手に見えることはないだろう。21万円(税抜)/パイデア(グジ 東京店)

次にトレンチコート。カジュアルでも人気のこのコートは、トレンチ(塹壕)でも汚泥や雨水から着用者を守り、また多くのベルトやリングを配すことで装備品を身に付けられるようにしてあるのも特徴。当時の英国軍がバーバリーやアクアスキュータムに作らせ、戦後、それらはファッションアイテムとして普及していきました。

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バーバリー一枚袖のトレンチコートサトシーノ#服魂(ふくたま)からのワンシーン。著者私物のトレンチコート

生地はコットン製が主なので、春先や秋に着ることが多いでしょう。同じようなコットン製でトレンチコートほど装飾のないステンカラーコートも春秋に着るコートです。ちなみにステンとはフランス語、カラーは英語という和製語。ただしくはバルカラーコートといいます。

以上の4着が定番のコートです。ウールのチェスターフィールドとポロ、コットンのトレンチとバルカラー、どちらか一着、計二着は必携でしょう。しかし、各時季に一着しかコートが使えないというのは何とも心持たない。同じようなデザインのものを複数着持つ、というのが常套ですが、新たなデザインのコートでいつもと印象を変え、また実用性も上げるというのも一手だと思います。

先に挙げた4着はどんなビジネスシーンにも対応します。つまりフォーマル性が高いということです。ですので、次に揃えるコートはもっと実用性の高いものにしてみてはいかがでしょうか。

汎用性つまりスーツにもジャケパンにも合う着回し力が高いのが大前提。そこに防寒性、収納性(ポケットの多さ)、軽量、撥水という実用性を加味したい。

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ムーレーのダウンジャケットラグジュアリーダウンジャケットの代名詞となっているムーレー。なかでも定番人気モデルなのがこの「BARBIERI(バルビエリ)-WK1」。使いやすいディテールに加え、ファスナーや袖のリブなど細かな作りやパーツに目を見張るものがある。撥水性のあるアウトシェルに、天然のダウンを。23万円(税抜)/ムーレー(コロネット)

私のおすすめはアウトドア由来のコートです。ダウンジャケットとマウンテンパーカがその代表。ダウンジャケットはモコモコしていないものがビジネスにはいいでしょう。裾の短いブルゾン型のデザインもビジネスには不向きでしょう。ジャケットの裾がコートからはみ出さないものがいいのですが、あまり長すぎるものもかさばるのでパス。ひざ上くらいの着丈がベストです。

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ピレネックスのダウンジャケット昨冬あたりから着用者を多く見かけるようになったダウンといえば、このピレネックス。とくに人気の高いモデルが「アヌシー」。フレンチダウンを使い、撥水性のあるアウトシェルにはステッチがなく、ドレッシーな印象。価格も他のラグジュアリーダウンに比べ、手ごろな点も人気の理由。11万円(税抜)/ピレネックス(グリフィンインターナショナル)

アウトドア由来のダウンジャケットにはフードとファーがついているものも多いのですが、あまり大げさなものはビジネスシーンには過剰に見えます。また色はアウトドアウエアに多い原色を避けるようにするのも当然。ネイビーやチャコールグレイがジャケパンとスーツに合います。

トレンチやバルカラーの代替コートとしておすすめしたいのが、マウンテンパーカです。このアウターはその名のとおり、登山用ウエアで、お尻が隠れるくらいの着丈、胸と腰の4つのフラップ&パッチポケット、フードがデザインの特徴です。

素材は風防と防水にたけたものが使われます。マウンテンパーカの魅力はデザインと素材に凝縮されています。機能的でいながらそれが過剰に見えないのです。もちろん、最新技術を使ったもっと機能性の高い登山用アウターがありますが、ビジネスシーンで使うには大げさすぎるように思います。

ミリタリー由来のアウターにもダウンジャケットやマウンテンパーカに匹敵するものがあります。たとえばN3-BやM-65がそれです。が、この二着は少し遊び心を感じさせるもの、つまりビジネスシーンには不要のおしゃれを感じさせるアウターだと私は考えます。

Photo: Ryouichi Onda
Styling:Takahiro Takashio
Text:Takashi Ogiyama

【お問い合わせ】
グジ 東京店☎️03-6721-0027
リングヂャケットマイスター 206 青山店☎️03-6418-7855
ビームス 六本木ヒルズ☎️03-5775-1623
ストラスブルゴ☎️0120-383-563
グリフィンインターナショナル☎️03-5754-3561
コロネット☎️03-5216-6521


 

 


 

 

 



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