FASHION 僕が捨てなかった服

【追悼の意を込めて】天才ライダー、故加藤大治郎の記念Tシャツ

人生には、どうしても手放せなかった服、そう「捨てなかった服」があります。そんな服にこそ、真の価値を見出せるものではないでしょうか。そこで、この連載では、ファッション業界の先人たちが、人生に於いて「捨てなかった服」を紹介。その人なりのこだわりや良いものを詳らかにし、スタイルのある人物のファッション観に迫ることにします。

日本が生んだ「ナンバー1ライダー」を偲んで

洋品、車、ワインで、それぞれ家一軒分ほど散財するという趣味が高じて、2019年東京・人形町にヴィンテージショップ「Tango245」を開店した結城恵介さん。

膨大な数の服を所有してきた結城さんが、なかでも捨てられなかった服をご紹介する企画の第10回目は、加藤大治郎の記念Tシャツです。

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今でこそ本田圭佑選手や大阪なおみ選手、もう少し前だと中田英寿やイチローなどが世界で活躍していますが、バイクの世界ではそれをさかのぼる70年代くらいから日本人選手が活躍していました。表彰台を独占することもあれば、年間を通してシリーズチャンピオンを獲得するなんてことも。

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©GettyImages

多くのライダーがいましたが、なかでも加藤大治郎というライダーは、かの有名なバレンティーノ・ロッシ(※ロードレース世界選手権参戦以来15年間で9回のワールドチャンピオンを獲得しており、「史上最強のライダー」との呼び声も高い)にも勝るとも劣らない資質を備えていたと思います。

そんな彼がいよいよ世界最高峰クラスに本格参戦という 2003年の鈴鹿サーキットでの開幕戦にて、確か3周めのシケインでフェンスに激突…。病院に搬送されるも息を引き取ってしまったのです……。

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©GettyImages

多くの人が彼の死を悔み、鈴鹿サーキットや茂木サーキットで行われる日本グランプリでは最終コーナー寄りのメインスタンドに大治郎シートが設けられたり、ちびっ子向けのバイクが開発されてそのワンメイクレースが行われたり、イタリア・ミサノのサンタモニカ・サーキットのメインゲートに通じる新しい道路が、「加藤大治郎通り(viale daijiro kato)」と名付けられたりするほどでした。

あれから既に20年近くの月日が流れているわけですが、確か青山のホンダ本社で行われた、ファン向けのお別れ会の雰囲気は忘れることができません。

生きていれば、ロッシとのガチバトルを何年も見られたかと思うと、本当に残念です。

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これらは、上記の大治郎シートを取った際に付く記念Tシャツです。当然捨てられるはずもなく、年の抜けがあるのは、同じ想いを抱くお客様に気持ちを託して渡しているからです。

ノリックや富澤翔也など、バイクでお亡くなりになられたすべてのライダーとともに、ご冥福をお祈りいたします。

Photo:Shimpei Suzuki(Item)

Edit:Ryutaro Yanaka

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結城恵介
ヴィンテージショップ、Tango245店主
DCブランドや英国物、イタリアンブランド、クラシコイタリア等の荒波にもまれながら、会社員時代、出張にかこつけてビスポーク、スミズーラを巡る旅に年数回出るまでに。その趣味が高じて2019年ヴィンテージショップを開店。欧州の銘品、逸品を販売する一方で、日本の若い職人と組んだ別注品も手掛け、海外展開を計画。散財額は、洋品、車、ワインそれぞれで 家一軒分? モットーは「迷ったら全部買う」



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