音楽やユースカルチャーには欠かせない、英国発のブーツブランド!
つい先ほど 2222ポストというゾロ目を目にして なんだか縁起が良さそうな「靴魂(くつたま)」企画。ここ数日は 2020年の大トリを飾る、2021年のハナを切るブランドを どれにすべきか、アタマをウニにして悩んでいます。
前回はアメリカを代表するブーツブランドをお届けしたので、第15弾はイギリス発、ユースカルチャーや音楽シーンと縁の深いブーツブランド、ドクターマーチン(Dr. Martens)をピックアップしてみます。
1901年、イギリス・ノーサンプトン州ウォラストンにて製靴業をスタートしたグリッグス家は、耐久性のあるワークブーツを作る老舗的な存在として知られていました。
一方、第二次世界大戦後のドイツ・ミュンヘンでは、軍に属する医師であったクラウス・マーチン氏が、ソフトな革とエアクッションソールを用いたブーツを設計。後に、大学時代の旧友 ヘルベルト・フンク博士とパートナーシップを結び、使用されていない軍事用品を原材料にして独自の靴を生産。ドイツ・ゼースハウプトで事業を開始します。
この事業は成功を収め、靴業界の雑誌に広告を掲載すると、それを偶然見かけたのがグリッグス家の三代目ビル氏。彼は、マーチン氏の事業に注目し、イギリスにおける製造特許を獲得。ヒールを改善し、アッパーはシンプルで丸みを帯びさせ、黄色のウェルトステッチ、ツートンの溝付きソールエッジ、ユニークなソールパターンを備えるブーツを完成させ、「Air Wair」と命名しました。
イギリスで発表されたブーツは郵便配達員や工場労働者などの間で人気を博し、1960年代後半には反体制でストリートギャング的な存在のスキンズ(スキンヘッズ)がドクターマーチンのブーツを愛用。この影響により、チェリーレッドのブーツが反逆的な姿勢の象徴となったのです。
そして、1970年中頃になると、グラムやパンク、ツートーンなどのミュージシャンにも注目され、音楽やユースカルチャーとは切っても切れない間柄に。
ところが…、40周年を迎えて間もなく、売り上げが劇的に減少。破産を避けるために、2002年には英国の工場ひとつを除き、その他すべての工場は閉鎖することに。その後はファッションデザイナーやブランドと組むことでブランド再生を目指し、2017年にはシュプリームとコラボシューズを発売。ストリートでの認知度も向上し、新たな評価を獲得するまでに至りました。
では、話をクルリンパと戻して、ドクターマーチンの素敵な投稿5選をご紹介していきます!
ドクターマーチンの1460 8ホールブーツ
まずは、ダナーの回に続いての登場となる@jigoku.dannaさんの投稿から。
ドクターマーチンの記念すべきファーストモデルである8ホールブーツは、生産ラインが1960年4月1日に開始したことから「1460」と名付けられています。
前述した、白人至上主義で極右のスキンズが履いていたのが、この「1460」のチェリーレッド 。シューレースを白紐に替え、余った紐をぐるぐる巻いて履くというスタイルを確立させ、日本でもそれを真似る人が多かったのは懐かしい話です。
@jigoku.dannaさんは、編み上げブーツの脱ぎ履きを楽にするクイックリリースジッパーにキルトを加えたパーツを自身で製作し、アレンジさせて履いてるのが素晴らしい!
このアレンジで、既視感の強い「1460」のチェリーレッドもまったく異なった表情に変化しますね。このアイデア盗みたくなりました。
ドクターマーチンの2976 チェルシーブーツ
続いては、@hiro_rs69さんの投稿です。
ヴィクトリア女王のために靴職人が作ったとされるサイドゴアブーツを「チェルシーブーツ」と呼ぶのですが、ドクターマーチンも70年代に「2976 チェルシーブーツ」として世に送り出しています。
ブーツ好きを公言しているだけあって、履きこなし方が板についていますね。時計、アウター、ブーツのコンビネーションもオトコっぽく、ラフ&タフな空気が漂います。
ただ、履き潰すのではなく、しっかり手入れされているところに物への愛着が感じられ、好感が持てます。是非どのブーツも長く愛してあげてください!
ドクターマーチンの2976 チェルシーブーツ(スエード)
次は #腕時計魂の常連で、パラブーツ、ジョセフ チーニーの回に続いての登場となる@lanciablさんの投稿です。
@jigoku.dannaさんと同モデルの「2976 チェルシーブーツ」ですが、珍しいブラウンスエード。
オールブラックのヌバックはインラインでの展開がありますが、こんなブラウン? イエロー? まるでティンバーランドのイエローヌバックのようなカラーがあるのは知りませんでした。
しかも、サイドゴアがブルーという絶妙なコンビネーション。ハミルトン『コントアー』のゴールド、ボーダーソックスに使われたブルーラインともよく合っています。
ほど良く履き込まれて付いた汚れも良い雰囲気。個人的にはスエードは少し汚れているくらいがカッコいいと思っています。
ドクターマーチンの1461 3ホールシューズ
続いてご紹介するのは、@toyo.natarii.88888さんの投稿。
記念すべきファーストモデルである8ホールブーツが誕生した翌年、1961年4月1日に産声を上げたため「1461」と名付けられた、通称「スリーホールシューズ」です。
長きに渡ってアイコン的存在である「スリーホールシューズ」は、発売当時、耐久性が必須な労働者の靴として売られていました。しかし、時代の流れとともに政治デモを行う人やイギリスの大学生の間で人気となったそうで、思想を携えたインテリ予備軍に愛された靴だったようです。
20年ぶりに買った このコは、どんな感じに履かれるのでしょうか? 20年の時を超えても同様なのか、それとも当時とは全く違う履き方なのか?? 気になるところですので、その辺のコメントを添えた履きこなし方を披露してくれたら嬉しいです!
ドクターマーチンの3989 ブローグシューズ
最後は、@fash_ion9297さんの投稿です。
スコットランドやアイルランドの農夫が作業用に履いていた靴がルーツとなった、クラシックなフルブローグシューズ。
当時と同じイギリス・ノーサンプトンで、職人の手によって作られているMADE IN ENGLANDのモデルです。
ブランドのアイコンであるイエローステッチを排除してあることで、ビジネスでも履けそうな表情。見た目の"らしさ"は弱まりますが、ポテっとしたシルエットやエアークッションソールの履き心地の良さは変わることなく、汎用性は飛躍的に上がっている気がします。
オンオフ境なくヘビロテを考えるなら、こんなドクターマーチンもアリではないでしょうか。今後どんな風に活躍するのか、ぜひ経過報告もお願いします!
さて、カルチャー的な要素が強すぎるため、背景を知りすぎると おいそれとはチャレンジしにくい印象が強かったドクターマーチンですが、最近はラインナップも増え、だいぶ試しやすくなっていますね。
エアークッションソールはスニーカーに負けないくらい快適ですし、アッパーにはソフトな感触のスムースレザーが使用されているので、履き心地の良さを保証してくれます。そして何と言っても、手頃。スニーカー以上ブーツ未満な感覚で気軽に買えるのが嬉しいです。
ただ、その一方で、多少値が張るのは恐れずに 古き良きMADE IN ENGLANDも継続し、残してくれることを切に願ってます。
本日はここまで。是非これからも ドレスシューズに限らず、ブーツやスニーカーなどなど、みなさんの愛用靴を「#靴魂」を付けて たくさんポストしてください! 新たな目標は、#服魂に抜かれず、#腕時計魂に追いつくことです!!
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それでは次回の「あなたの靴、見せてください」もお楽しみに!!
Edit:Ryutaro Yanaka