撥水、透湿加工、トレンド感も盛り込んだ大人の一着
「TIMONE(ティモーネ)」は、僕がクリエイティブ・ディレクターを務める「K-3B(ケースリービー)」を手がける石川県の合繊テキスタイルメーカー、カジグループのオリジナルブランドです。カジグループの素材開発力は世界的にも知られ、数多くの実績と絶対の信頼を備えているのはご存知ですよね。
この冬、登場した透湿防水3レイヤーオーバートレンチコートも、カジグループの世界屈指のワザが凝縮されたもの。実は、某ラグジュアリーブランドに納入した素材と同じものを使っているそうで、おそらく そちらのブランドだと、この数倍の価格になっているかと……。そういった意味でも、コストパフォーマンスが抜群なんです。
防水コートといえば、コットンギャバやゴム引きもありますが、個人的に重いコートが苦手でして……。そんな理由から、軽量なナイロンコートを選ぶことが多いんです。
でも、雨に降られるとどうしても蒸れるんですよねえ。その点、このコートでは3層のレイヤーで、そうした問題をらくらくクリア。コート内部が汗でベタついて気持ち悪い、なんてこともありません。
ある種、ナイロンっぽくないマットな素材感も、贅沢な雰囲気。シワがほとんど気にならないので、出張の際にコンパクトにたたんでバッグ内に入れておけば、現地に着いてそのまま着用といったこともできそうです。現代にふさわしい機能性に優れていて、とても使いやすいと思いますよ。
あと、素材がいいのはもちろんなのですが、デザインもなかなか秀逸。トレンチコートにはエポーレットやD冠、ショルダーパッチなど、特徴的なディテールがいくつかあるんですが、それが大袈裟というか、気恥ずかしく感じられることがありまして……。それをこのコートでは極力省き、モダンな顔つきに仕上げているんです。
ダブルブレストのボタン感覚を広めにして、男らしい感じに見せているのもポイント。型部分が若干ドロップショルダーぎみなので、今っぽい雰囲気で着られるのもいいですよね。オン・オフ問わず、さまざまなシーンでコーディネイトできそうです。
色は3色ありまして、僕が選んだのはオリーブグリーン。普段よく着るグレースーツにも合うし、案外オリーブグリーンってどんなスタイルにも相性がいいんですよ。それにコートで、この色って新鮮じゃありません?
Photo:Ikuo Kubota(OWL)
Text:Toshiaki Ishii