休日の午後2時。一組の30代夫婦が私の前を歩いている。夫婦を見るととくに会話らしい会話はないのだが、仲良さそうな雰囲気が伝わってくる。仲が良いのはいいことだ。ファストファッションでそろえたであろう装いは悪くはないがつまらなく感じさせるのに十分なものだった。お互い慣れ親しみすぎて色気をなくしてしまっているようにも感じた瞬間、はたと我に返ったのだった。
みなさん、お疲れ様です。中年A、荻山です。
今回は、中古車探歩ではなく、中年Aのとある一日をご紹介したいと思っています。いやーかくいう私も色気を紛失しがちであります。いまさらモテたいとか、不倫したいな~んて思いはないのですが、色気を身に着けるってのは男の活力になるんですよね。活力わけば、仕事はもちろん、家族や仲間との時間がより充実して、暮らしが楽しくなるような気がするのです。
さて、男の活力には、クルマとファッション! という昭和マインドで育ってきた中年Aは、東京・赤坂にあるANAインターコンチネンタルホテルにやってきました。中年世代には、全日空ホテルといったほうがなじみがありますかね。
同ホテル内にある中華「花梨」でマセラティジャパン広報の野村奈津子さんとランチをして、日本販売限定12台というマセラティ・グラントゥーリズモMCを借り出そう、というのが今日の算段。
早速ご対面したグラントゥーリズモ。艶消しブラックのボディに組み合わされたカーボンパーツに気絶する中年A。
フェラーリ設計による4.7ℓのV8エンジンはノンターボゆえ、アクセルペダルを踏めば踏むほどパワーが湧き出てきます。これを踏まずに我慢できる漢はいるのだろうか。
車内もレザー、アルカンターラにカーボンを合わせたレーシーでいながら、エレガントも忘れないマセラティならではのセンスに脱帽するばかり。
んで、内堀通りを快走し、やってきたのは有楽町の駅前にある「心斎橋リフォーム丸の内」。ファッション業界人が足しげく通うお直し屋さんがここ。
スーツから古着までさまざまなアイテムをここでお直ししてきた中年A。数週間ほど前、衣替えをしていたところ、お気に入りのジョンスメドレーのメリノウールニットに虫食いを発見。
それも1枚どこれではなく、5枚も! 中年Aの冬の装いに欠かせないスメドレーのハイゲージニットだけに、なんとかならないものかと同店代表の内本久美子さんに相談。
結果は御覧の通り、まったく直したところがわからないほど。
同じ糸を揃えているのにまずは驚き、そして丁寧に編み直しに気絶!
ところで、みなさんはコロナ禍にあって仕事のやり方に変化はありませんか? 中年Aは本当に外出が減りました。打ち合わせや簡単な取材はオンラインでできます。ずーっと家にこもって、パソコンをパチパチとできるのはすごく効率的で、ステイホーム大好きな中年Aなのであります。
が、家にいるだけで腹は自然と減ってきるものですから、三食しっかりとる日々が数ヶ月。結果、3キロも太ってしまったのです。
ですので、お気に入りのパンツが入らなくなるのは明らかで……。このフランス軍パンツM-64もそのひとつ。近所のお直し屋さんに持ち込むと、「生地に余分がないから無理ですねえ」とつれないご返答。消沈した中年Aですが、懲りずに内本久美子さんにまたまた相談。
「なんとかしてみましょう」と心強いお言葉とともに、仕上がってきたのがこちら。
なんと、ウエストの後ろ部分に生地をプラスして、その縫い目はベルトループしたに隠すことで、オリジナルデザインを壊すことなく、ウエストを広げてくれたのでありました。そのセンスと技術に最敬礼を心の中で。
中年と中古車のロケで、お直しした情報とM-64を着用!
帰路。V8エンジンを轟かせ、ルンルンと走ったことはいうまでもありません(法定速度厳守)。
コロナ禍にあっても1日1日を充実させ、人生を楽しみたい中年A。海外旅行できない、飲み会できない、帰省できない、と嘆きたくもなりますが、自分の手の届くところに案外幸せが落ちているかもしれません。私の場合はクルマとファッションです。マセラティとジョンスメドレーでなく、軽自動車とユニクロだって楽しむ方法があるはずです。どうかよい2020年の年越しをお過ごしください。
Video Edit : Kabuto Ueda
Video & Text:Takashi Ogiyama
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