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FORZA STYLE - 粋なダンナのLuxuaryWebMagazine
FASHION 干場の「エロサバ」

【黒セーターからTシャツの白をチラ見せ】リモートワークで何着る? ちょうどイイのはこんなスタイル。

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重たくなりがちな黒コーデを、白Tで柔らかな印象に

2020年もあとわずか。本来なら、東京オリンピック開催で日本全体が盛り上がっていたはずなのに、残念ながらコロナに始まり、コロナに終わりそうですね。

そんな厳しい状況が続いていますが、僕にとっては3つの大切なプロジェクトが始動した年でした。

いずれも国内の地方にある有力工場とタッグを組んで、世界に通用するブランドを開発しようという試み。そこで今回は、僕が手がけたMOBV(モーヴ)、30/70(トレンタセッタンタ)、K-3B(ケースリービー)という3ブランドを使ってスタイリングを考えてみました。

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アイテム

コート/MOBV
Tシャツ/クロスクローゼット
セーター/30/70
パンツ/K-3B
ベルト/ニール・バレット
ソックス/グレン・クライド
靴/WH

4年前に策定された「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」のなかで、2020年は訪日外国人旅行者数を4000万人にするという目標が掲げられていました。昨年が3188万人だったことを考えれば、五輪イヤーだった今年は、コロナさえなければ、十分現実的な数字だったはずです。

こうした状況を支えるべく、政府が打ち出している観光戦略のひとつが、地方の観光資源を整備・発展させて、地域経済の活性化につなげるという施策です。

なんで、冒頭からこんな話をしているかというと、僕が今年、ディレクターとして立ち上げに関わったMOBV、30/70、K-3Bも、こうした政府の観光戦略と根底にある課題解決の部分では似ているかなと……。

つまり、これから人口減少社会に入っていく日本では、地方が活性化しないことには、日本全体が衰退していってしまいます。「日本の良いものを世界の人に知ってもらいたい」という気持ちはもちろんあったのですが、それよりも地方創生の起爆剤になれば、という想いが強かったんです。

アパレル分野において、日本の技術力の高さは世界的に定評があります。ところが、国内の一般消費者にそのことはほとんど知られていません。というのも、そうした工場の多くはブランドの下請け仕事(いわゆるOEMというやつですね)が少なくないため、これまでその名前が前面に出てくることがありませんでした。

でも、サンフランシスコ発のEVERLANE(エバーレーン)をはじめ、日本でもD2C(オンラインSPA)で成功するブランドが ちらほら出てきているのを見ると、これからの時代、工場が自社ブランドをつくり、デジタルコミュニケーションでコアファンを獲得していくのは十分ありですよね。

さらに、地場産業として国内に点在するアパレル生産地は、どこも職人の高齢化や後継者不足の問題に悩まされています。業界全体にとって、そうした優秀なつくり手たちが消滅してしまうのは大きな痛手です。

ただ、地域に誇れるブランドがあれば、次代を担う有望な若者が現れるかもしれないし、売れればその分地域経済にも貢献できるうえ、それで雇用が生まれるといった好循環も期待できます。これまで長年ファッションに携わってきた身としては、業界に恩返しできる絶好の機会だと思ったんです。

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前置きが長くなってしまいましたが、コートは毛織物の産地、尾州(愛知県一宮市)で染色整理工場を営む「ソトー」が中心となって開発したMOBVの一着です。

このブランドは軽くて保温性の高いウールジャージーと縫い目に凹凸のないフラットな特殊縫製を特徴にしていて、色はメンズファッションの基本色である黒、グレー、ネイビー、キャメルで展開しています。程よいオーバーサイズシルエットや、ダブルブレストのボタン幅などにもこだわっているんですよ。

中に着たセーターは、ニット産地、新潟県の「第一ニット」とつくった30/70のもの。ブランド名は、極上の着心地が味わえる“シルク30%×カシミヤ70%”の素材の混紡率から命名しました。色は、この素材の素晴らしさを最大限に感じてもらいたかったので黒のみ。デザインも極力シンプルにしたのが特徴です。

ボトムスは、すでに何度か紹介しているK-3Bの4WAYストレッチのナイロンパンツです。こちらは合成繊維の世界的産地として知られる石川県金沢市にある「KAJIF(カジフ)」とのコラボレーションです。

このコーディネイトにあえてテーマを設定するなら、コロナ禍におけるリモートスタイルといったところでしょうか。Zoom会議に映る相手が、家でスーツというのはやっぱりトゥーマッチでしょうし、堅苦しい印象を与えてしまいますよね。

なので、この季節はセーターがキーアイテムになると思うんです。でも、黒だけだと重い感じになってしまうので、首元と裾からTシャツの白を覗かせたのがポイントです。

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ちょっと外出というときは、MOVBのコートを軽くはおって。

足元は白スニーカーでもいいと思いますが、シーズン的には少し重めのボリュームの靴を合わせるのが僕好み。どうでしょう、こんなシンプルな格好だったら抵抗感なく始められるのでは? あ、今回はエロサバのエロはなしかなー。


今回のスタイルのキモは……。

●色使いはモノトーン主体にすれば間違いなし!
●リモートワークでは快適かつきちんした見た目も大事。
●セーターの首元と裾から白Tを覗かせて重苦しい印象を回避
●D2Cブランドがこれから地方活性化の起爆剤になるとうれしい。
●新しい生活様式は、無理せず、油断せず、続けることが大切。


Photo: Ikuo Kubota (OWL)
Styling&Model:Yoshimasa Hoshiba

 

最新刊となる7冊目は、いわゆる”ファッションの本”ではありません。性別問わず、誰しもが気になる人を惹きつける内面の魅力である色気の重要性。ファッション以前の人間的な、大事な部分について迫りました。色気があるとないとでは、仕事だけでなく、遊びや恋愛など、人生でのさまざまな局面が変わってきます。とはいえ、これと言った正解、とらえどころがないのが色気です。

異性を惹きつける性的な魅力が色気なのか? 髪型や体型、メイク、香り、ファッションなど外見をセクシーにすれば色気は出るのか? 肌の露出を高めボディタッチをすれば色気は出るのか? 逆に隠せば色気は出るのか? 雰囲気や仕草、目の表情、声に色気は宿るのか? はたまたダメ男やダメ女に色気はもたらされるのか? 上品な色気と下品な色気の違いとは? 男性が思う女性の色気とは? 女性が感じる男性の色気とは? 「色気力」とはいったい?

いろいろな経験をしてきたけど、まだまだ辿り着けない「色気力」。本書では、過去の失敗やコンプレックスを乗り越えながら学んだ「色気力」の正体に迫ります。巻末には、和文化総合プロデューサーであり、上品な佇まいからそこはかとなく「色気力」が溢れる美人エッセイストでもある森 荷葉さんとの対談「男と女の色気」もあります。お楽しみに!

あなたの基本を作り、周囲の人を心地良くさせるコツを紹介します。急速に変化する対人関係の在り方のヒントが満載の一冊です。ありがたいことに発売前から全国からたくさんの問い合わせをいただいております。ぜひ読んでいただけると幸いです。

「色気力」
(集英社文庫)

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【エロサバ】-Hoshipedia

「エロサバ」とは、エロいコンサバの略で、干場の哲学により生まれた造語。シンプルでベーシック、コンサバティブな洋服を着ているのに、なぜかエロく見えるスタイルのこと。例えば喪服の女性。成熟した大人の女性が喪服を着ていて、メイクもナチュラルで抑制しているのに、不思議と色っぽく見えるスタイル。例えば、普通の白いシャツを着ているのにも関わらず、胸元のボタンの開け方や袖口のまくり方でSEXYに見えるスタイル。粗悪な素材でデザインが変わっているシャツでは駄目。上質な素材でベーシックなシャツだからこそ、崩して着こなしても上品さが保てるのです。男性で例えるなら、仕立てられたグレーの無地のスーツを着て、上質な白シャツに黒の無地のネクタイのような極めてコンサバティブなスタイルをしているのに、内側から大人の色気が香るスタイルのこと。



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