お馴染みの鹿の子素材が他にはない表情を演出します
第311回は、ラコステのダウンです。
1933年、ポロシャツの誕生とともに創業した「ラコステ」。軽量性と運動性に優れ、スタイリッシュなテニスウェアを求めたルネ・ラコステ氏が、「L.12.12」を生み出したことは有名な話。本連載で以前ご紹介しましたが、今回注目するのはポロシャツの生地に採用されたピケ素材。
ピケは畝のある二重構造の織物を称したフランス語で、ラコステのポロシャツのようなピケ生地は「鹿の子」の名でもお馴染み。立体的な生地感が肌の接地面を減らし汗で纏わり付く不快感がなく、吸汗性や通気性に優れる機能性を持つことから、スポーツウェアに多く採用されていました。
それに目をつけたルネ・ラコステ氏がポロシャツに採用、今日の“ポロシャツ=ピケ生地を配した半袖襟付きシャツ”のイメージを作り上げたのです。ラコステはその後、お馴染みの素材として様々なアイテムに登用。中でもポロに続いて好評なのがこちらのダウンです。
ポロよりもさらに畝が細かいピケを採用し、今シーズンは綿からダウンに最適なポリエステルへアップデート。これによって従来のピケダウンの半分ほどに軽量化し、より運動性の高いスポーティな仕上がりに。
コーデュロイよりきちんと感のあるピケが、ステッチレスのシャープなダウンパックと相まって、ボリュームを抑えたモダンな着こなしを可能にします。一般的なナイロンやウールのダウンとは異なる表情を魅せるから被りしらず。
ダウンジャケットはこれからの季節に欠かせないヘビーアウター。周りと差をつける洒落感を求めるならば、ありそうでないラコステのピケダウンは重宝間違いありません。
ニットにもスポーティな機能性を取り入れるラコステ。その象徴がクールマックスとウールのブレンド素材を使用したクルーネックニットです。ウールの保温性に吸水速乾機能が加わった本作は、ありがちな屋内外の激しい寒暖差にも難なく対応。同色のワニロゴがさり気ないアクセントに。
コットンとリネンを混紡したサーマルカットソー。リネンらしい爽やかな着心地を実現する一方で、ワッフル生地による空気の層が体温を外に出さないので適度な暖かさをキープします。秋冬はインナーで、春夏では一枚で。シーズンを問わずに着られる汎用性が、最大の魅力です。
Photo:Naoto Otsubo
Styling:Takahiro Takashio
Text:Hayato Hosoya
【問い合わせ】
ラコステお客様センター 0120-37-0202