このままだとワニ革は買えなくなり、希少性は上がる一方かと
さて、192回目は「ロロ・ピアーナ」。カイマン・レザーのベルト「オーエン」です。
やっぱりワニ革の竹斑(たけふ)や玉斑(まるふ)が綺麗に並ぶ様は美しく、心奪われてしまいますよね。ワニの話になると、クロコダイルか、カイマン(アリゲーター)かで、どっちが綺麗か、どっちが高価かなど議論になりがちですが…、いまやどちらも変わらないほど希少ですし、価格もさほど変わらなくなっていると思います。
毛皮やエキゾチックレザーの使用を禁止する流れを考えると、今後ますます手に入れられる可能性は低くなっていくでしょう。
買えなくなってから慌てて探すのも愚かなので、身の丈に合っているか、似合うかは ひとまず無視して、上質で一生使えるようなベルトを探してみることにしたんです。
まず向かったのは「エルメス」。ポロサス(クロコダイル)のベルトは目を見張るほどの美しさでしたが、バックル無しで軽く50万円超え…。現実的ではありません。
パッと踵を返して、第2候補のロロ・ピアーナを訪れたら、カイマン・レザーのベルトが 20万円弱で売っていたんです。
とは言え、おいそれと買える金額ではないので、呼吸整え、一旦帰宅。
ただ 興奮は覚めやらず。一度見てしまったら あの竹斑の美しさが気になって仕方がない。いやらしい光沢もないし、斑もゴリっとしてなくて使いやすそう。
おそらく 買うのを躊躇している内に価格はドンドン上がってしまい、その上昇に反して斑の美しいワニ革は使えなくなって、納得のいくベルトには出逢えなくなってしまう…。
そんな風に思ってしまったら夢にまで見そうだったので、一念発起。思い切って清水ダイブをブチかましてやりました。
店舗では ちょっとワガママを言わせて頂き、マイサイズの黒をすべて拝見した上で、最も斑の美しいものをチョイス。かなり納得のいく一本を手に入れることができました。
ただ、いまの僕には時期尚早。まだまだ似合う気がしないので、クローゼット奥に鎮座するパンドラの箱で しばらく眠ってもらうことに。おやすみ、ハニー。
ところが、本日発売したPOGGY別注のベビー・カシミアと「オープン・ウォーク」のニュースを聞いたら、なんだか無性に付けたくなってしまった。
先日 取材した捨てなかった服企画で tango245の結城恵介さんも スーツを着て、黒い靴を履いた日の約90%は同じベルトを30年間してきたという話をしていたので、今から使っても70過ぎまでは保つのかなって思ったりして。
タイミング的には 2021年の年始から使い始めるのがキリが良さそうなので、年明けとともにテープカットか?ってな要領で タグの紐を切って、使い始めようと思います。
でも、最近はコロナの影響で在宅で仕事してることが圧倒的に多く、ウエストが紐になったイージーパンツばっかり穿いてる気がするから、スタートダッシュ後にすぐコケそうな気がする……。
まぁ、使う頻度が少ない方が穴も広がったりせず長く使えそうだから、それはそれでイイのかもね。
Photo:Shimpei Suzuki(item)
Edit:Ryutaro Yanaka