気絶級の『INFINITI QX55』に思わずヨシ!
2020年もいよいよラストスパート! ということで、12月最初のテーマは国産車にしようと思います。話題として輸入車ブランドを多くお伝えしていますが、その理由は嗜好品的クルマが多いことと、数的少なさによる差別化がしやすいからです。街を見渡せば、その9割が実際には国産車なのですから。
大まかにいうと、月別新車販売ランキングはトヨタが相変わらずトップ10を形成。やはり強いことには変わりないのですが、2019年の年間ランキングでは、日産のコンパクトカーである『ノート』がプリウスに続く2位、ミニバンの『セレナ』が6位と健闘。コロナ禍の2020年がどうなるかわかりませんが、日産のポテンシャルの片鱗を見た気がします。
現在の日産は事業構造改革『Nissan NEXT』を推進中。そのかいあって北米や中国で回復傾向にあるといいますから、楽観視できぬものの、この先登場する新型車のデキ次第で健全に戻れる可能性が見えてきました。
しかしながら、日々を愉しむオシャレ紳士の男子校というモノ選びの視点で見ればどうでしょうか? ソコソコ社会経験も積んで40代になって……。どんなにいいクルマでも、ノートやセレナじゃ失礼ながら寂しくありませんか?
イケてる40代なら、やはりクルマもファッションもスタイルを重視したい。そんな視点で見ると我々が望む日産のライフスタイルカーはこれからデビューするといえそうです。
日産のスポーツカーファンが期待するフェアレディZはデビューが決まっていますので今回はワキに置いておくとして、是非とも日本へ導入してほしいモデル(すでに完成している)があります。
まず、北米で売るインフィニティ・ブランドからクーペSUVの『QX55』をご紹介します。どうです? スゴイいかつい顔でしょ。サイドシルエットは流麗そのもの。リアまわりはX4に少し似ている印象もありますが、その衝動は“カッコイイ”と“ヤバイ”の微妙な綱渡りで存在感が非常に高い。
ザックリとスペックをお伝えすると、パワーユニットは可変圧縮比を実現し高出力と燃費を両立した最新の2リッター直4ターボエンジン(ガソリン)+AWDを搭載。最高出力は200kW(268ps)ですからライバルを見渡してもパフォーマンス的には申し分のないレベルです。大きさは全長約4,730mmとBMWのX4とほぼイーブン。
この『QX55』、日本でもお披露目されているので様子見ながら日本で売る気があるのでしょうね。あとは右ハンドル仕様をどこで作るか? という問題がクリアできればGOサインかも知れません。期待しましょう!
もう1台はタイ工場で生産されるSUT、ピックアップトラックの『ナバラ』です。このモデルもまた押し出し感のあるフロントフェイスが特徴の一台。メインマーケットは新興国なのですが、タイは左側通行なので、日産がその気になれば、そう苦労なく日本向けに右ハンドル車を導入できそう。
仮に日本発売となればライバルはトヨタのハイラックスが筆頭でしょうか。搭載するパワーユニットは2.3リッター直4ツインターボエンジン(ディーゼル)で最高出力120kW(163ps)を発生。グレードにより多少の差はありますが、全長は5,260mmあるのでデザインと相まってワイルドな男っぽさが魅力となる1台です。
ブランドイメージをいい意味で印象づけるクルマがイマイチ見えない日産。ワタシの脳内の仕事猫は決して「ヨシ!」とはいってくれません。イケてる40代に必要なのはノートやリーフじゃありません。是非ともこの2台は日本に導入していただきたいと思います(数的には責任もてませんけどね)。やっちゃえNISSAN!
Text:Seiichi Norishige