人気沸騰中。イケてる輸入ミニバン、リフター&ベルランゴを考察
話題のフランス車、MPVの『プジョー・リフター』と『シトロエン・ベルランゴ』が本格上陸。
両モデルともローンチ記念モデルが瞬時に完売。そんなことからも期待感が伝わるのですが、いよいよカタログモデルが発売になりました。
おっとその前に。MPVとはマルチ・パーパス・ビークルの略で、流行りのSUVとはスポーツ・ユーティリティ・ビークルの略。
日本的にわかりやすくいえば、ミニバンはこのMPVに属するワケで、多目的に使えるクルマって意味になります。
子育て世代や趣味人なら、やはり使いやすいのはMPVとなります。
しかし、パパが乗っていてカッコよく見えるのはやはりSUVに軍配が。
パーソナルユースに見えるSUVと、諸事情をうかがわせるミニバン。いずれを選ぶにせよ、生活感が漂うようではライフスタイルカーとはいえません。
しかし、リフターとベルランゴは一味、いやそれ以上にこだわりを感じさせてくれます。
まず、全体のカタチがいい。デザインの妙なのでしょうが、細かなディテールも適当にキャラクターラインを入れてごまかしたような感じがしない。いい意味で遊びの道具感がこの2モデルの魅力を高めているのです。
車内はいたるところに工夫があります。ラゲッジ上部の収納スペースがいい例で、しっかりとしたスライド扉がついています。
また、丈夫なトノカバーがラゲッジを上下に分割しマルチに使えるのもメリット大。こうした工夫は安全上、運転支援装備同様にとても大事な部分なのです。
リフターとベルランゴはメカニズム的には兄弟車ですが、エクステリアデザインは御覧のとおり大きく異なります。
また、スポーティなイメージのプジョーとキャラクターが光るシトロエン。ですから、この選択は相当悩ましいかもしれませんね。
パワーユニットは両モデルとも共通で、エンジンは1.5リッター直列4気筒の最新型ターボディーゼルエンジンを採用。
パワースペックは最高出力96kW(130ps)/ 3,750rpm、最大トルク300Nm/1,750rpmを発生します。
トランスミッションも共通で、いわゆるトルコンタイプの8速ATを採用します。
よくある無段変速式CVTやデュアルクラッチ式トランスミッションの方が優れているように感じる方も多いでしょうが、トルコンタイプのATにもメリットがあります。
まず、前出の2タイプは負荷のかかる牽引が不向きです。それはクロスカントリータイプのSUVに採用されないことからもお分かりいただけると思います。
また、構造上、悪天候時に誤ってラフなアクセル操作をしても、余分な力を上手く逃がしてくれるので、とくにビギナーの方などには安全な面もあります。
そして耐久性がある上にメンテナンスコストも安上がり。長年培われてきた技術には相応の理由があるのです。
ボディサイズは兄弟車だけありほぼ同じ。ただし、リフターの全高は本格的クロスオーバー車だけに、
最新デバイスを採用した安全装備は同じですが、グレード選択により装備内容と価格は多少異なります。明るく開放的な居住空間はどちらも共通の魅力です。
【シトロエン・ベルランゴ】
ボディサイズ:全長4,405×全幅1,850mm×全高1,850mm
ホイールベース:2,785mm
価格(税込):FEEL 312万円 / SHINE 338万円 / SHINE XTR PACK 343万円
HP:シトロエン
【プジョー・リフター】
ボディサイズ:全長4,405×全幅1,850×全高1,880mm
ホイールベース:2,785mm
価格(税込):Allure 329万円/GT LineFirst Limited 379万円
HP:プジョー
両モデルの選択はブランドイメージやエクステリアデザイン、カラーバリエーションが決め手となるでしょう。
見た目はクルマらしさ漂うのがプジョーのリフターで、動物的キャラクターを感じさせるのがシトロエンのベルランゴといったところでしょうか。なんとなく名前をつけたくなりますね。
輸入車だからオシャレという過去の方程式はあてはまりません。
そんな厳しい目で見てもMPVである両モデルはイケてるライフスタイルカーです。
お住まいのエリアによっては立体式駐車場で多少不便かもしれませんが、全長約4.4mという大きさはとても使いやすいサイズです(トヨタ・ノアは約4.7m)。
SUVよりMPV。そんな選択を実現してくれるフランス車が登場しました。
Text:Seiichi Norishige