色気とキャラクターはデザイン+ボディカラーが決め手に
ホンダから『Acura NSX』の2021年モデルの発表がありました。第2世代となる現行型NSXは日本ではなくアメリカ生産車。北米ではアキュラブランドで発売されますので日本仕様の正式アナウンスではありませんが、基本的にはUS仕様に準じたカタチとなります。
パワースペックに変更はありませんが、2021年モデルではボディカラーに『ロングビーチブルー・パール』が復活。この色は初代NSXのMCモデル(2002-2006年)に設定され88台が生産されたというレアカラー。奇抜さは感じませんがシックな渋い色というのが第一印象です。
今回の復活劇はアキュラがインディカーとIMSAのロングビーチ大会のスポンサー権を獲得した経緯から生まれました(The Acura Grand Prix of Long Beach)。F1に代表される欧州型モータースポーツに馴染んだ日本から見ればいまひとつレースと直結しないでしょうが、この色には相応のストーリーがあるということ。
アメリカ現地法人のホンダは、インディカーにホンダブランドでパワーユニットを供給。IMSAにはアキュラブランドでARX-05(シャーシはオレカ)とNSX GT3 Evo(ノンハイブリッド)でレース参戦。コロナ禍でF1日本GPが中止となった我々から見れば、3カテゴリーのレースが楽しめるとは羨ましい限りです。
2021年モデルのアキュラNSXに話題を戻すと、新色『ロングビーチブルー・パール』はプレミアムカラー設定で$1,000の有償オプションとなります。バレンシアレッド・パールとヌーベルブルー・パールの2色は$6,000アップと俄然お高くなりますので、上をみればオトクなのかもしれませんね。
先に触れたように2021年モデルの日本仕様の価格は現状未定(2020年モデルは消費税込価格2,420万円)。3.5リッターV6ツインターボ+3つのモーター(前2+後1)を組み合わせたハイブリッドのパワーユニットは、システム最高出力429kW(581ps)を発生しますがスペック的に変更はないとのこと。ホンダ製スーパーカーの進化・熟成に期待したいところです。
さて、ボディカラーの話題が出たところで、インパクト絶大な最新フェラーリの情報を。新たにデビューしたのは『SF90 Spider』です。御覧のとおりクローズドボディのSF90ストラダーレの屋根開き版がこのモデル。
どうですかこの色? いくらフェラーリでも思い切ったものだなというのが正直な感想。正式名称をコンフィギュレーターで探してみましたが現時点では未設定らしく不明。よってココでは見たまんまのゴールドとしておきます。
パワーユニット、そのスペックはSF90ストラダーレに準じます。スポーツバージョンの軽量モデル、アセッタ・フィオラノの設定もあります。システム最高出力は1000ps。エンジンと3つのモーターの組み合わせはNSX同様ですが、このモデルは同社初のPHEV。予想価格は6,000万前後でしょうか。
フェラーリといえば赤(ロッソ・コルサ)ですが、フェラーリもシックなボディカラーが似合います。とくにロングノーズ&ショートデッキのベルリネッタ系(FRクーペ)で魅力炸裂。いま人気絶頂の『Roma』のバリエーション画像を追加しておきます。コチラはオプションを欲張らなければご予算半額の3,000万円以内に収められるはず。
ゴールドに塗っちゃうなんてランボルギーニかよって感じでしたが、そんなランボルギーニのなかでもひときわ存在感を放つワンオフモデルのアヴェンタドールSが日本にあります。
場所は港区六本木。ニューヨークに続く2番目のVIP用ラウンジ『THE LOUNGE TOKYO』が日本にオープンしています。ココはアド・ペルソナム専用スタジオとなっていて、自分だけの1台を作るための空間が広がります。
『Dressed by Yohji Yamamoto』と呼ぶこのアヴェンタドールSは、ヨウジヤマモト2020-21年秋冬コレクションのテーマ“PARTISAN”に触発され完成に至ったというコラボレーションモデル。見る人によって好みの分かれるところでしょうが、現行ランボルギーニの支持層はこの圧倒的存在感を好みます。
さて、三者三様のスーパーカーを見たところで、ボディカラーが魅力を引き立てる(キャラクターを作る)もう少しリアルな価格帯のクルマを探してみましょう。
最初にご紹介するモデルはレクサスのフラッグシップクーペ『LC』に設定された特別仕様車『LC500h/LC500 AVIATION』です。ご予算お高めですが3.5リッターV6ハイブリッドが1,546万円、5リッター自然吸気V8モデルが1,500万円でともに消費税込価格。
画像のボディカラーはブラックです。他の色も選べるようですが元となるフォルム(デザイン)が秀逸なのかとても存在感があります。レクサスは一度、全モデルをブラックに塗ったつもりで判定すると本質的魅力が判定できるかもしれませんね。黒いレクサスLC、最高にカッコイイです。
次はGRスープラです。3リッター直6モデルが早くも新エンジンになり4月下旬から受注が開始されました。画像の『RZ Horizon blue edition』は100台限定ですが、ひょっとしたらコロナ禍で残っている可能性があります。消費税込価格741万3,000円。
ブルー系といえばポルシェのマイアミブルーがクールです。そして、じつに映える。このボディカラー、グレードによりますが718ケイマンやボクスター、看板モデルの911やSUVのマカンで選べます。ケイマン、ボクスター、マカンならご予算800万円程度からエントリー可能です。
価格はぐっと下がりますが、お値段以上に魅力的なのが人気沸騰中のシトロエンです。なかでも同社のデザイナーが日本文化に触発された特別仕様車『C3 INSPIRED BY JAPAN COLLECTION』がイイ感じ。
この和テイストのカラーコーディネイトを施した特別仕様車『Hisui(画像上)』、『Anzu』、『Suzuri』はペイントオプションを含み消費税込価格256万9,000円。1.2リッター直3ターボ+6ATで走りも良好ですし、見て乗って満足度の高いオシャレなモデルです。
最後の1台にデザインコンシャスなマツダ車、クルマ好きに支持されるスバル車をと思いましたが、両社ともにボディカラーに関してはあと1歩大胆さが欲しいところです。また、ボリューム盛り沢山なドイツ・プレミアム御三家の推しモデルは皆さんの酔眼に委ねます。ご容赦ください。
クルマ選びでは環境性能や安全装備、実用性は確かに重要です。しかし、それらを踏まえた上で、「アナタの人生にそのクルマは必要ですか?」と問われたらどうでしょう。今回はボディカラーをテーマに展開しましたが、ひとつでも多く、そのクルマを好きになる条件を見つけてください。いいクルマはカワイイ相棒なのですから。
Text:Seiichi Norishige