着るだけで精悍に見えるザ・男のシャツ
アルコディオはデビュー以来、僕が注目しているシャツブランド。イタリア縫製技法の代表格である袖の後付け仕様や、ハンドステッチなどの超高級シャツのディテールを徹底的に追求していながら、一枚5500円(一部特別商品は除く)と、これまでの常識では考えられなかった価格を実現しています。
そのマニアックなまでのこだわりぶりは、『FORZA STYLE』でも過去に何度となく取り上げているので、既にご存じの通りかと。そこで、今回は僕が監修したパイロットシャツを紹介したいと思います。
パイロットシャツは、昔から好きでよく着ているんです。なかでも強烈に印象の残っているのがメンズモード黎明期のプラダ。1990年代、小襟で両胸にフラップポケットが付いた、ちょっとレトロイメージのベージュやブルーのシャツがランウェイに登場したときには本当シビれました。
当時の影響が強かったこともあり、このシャツはなんとなくああいったイメージで、しかもビジネスシーンで着られるものがあればいいなあと考えたのが出発点です。コットンの風合いを残しながら、ストレッチ性があって、シワになりにくく、素肌が透けにくいなどなど、僕の煩悩を最大限に詰め込んでみました。
そもそもなんでパイロットシャツかというと、僕の憧れの職業なんですよね。それにコスプレ気分が味わえる(笑)。あと皆さん、ドレスシャツは素肌に着ますよね? そのとき案外多いのが、白シャツだと乳輪が透けてしまうというお悩み。そのせいで白シャツをあまり着たくないという声までありまして、それならばディテールをプラスして透けなくしてしまえばいいと考えた次第です。
実はパイロットシャツは以前、ANAの企画でビームスとコラボでつくったり、エストネーションで鹿の子素材でつくったりして大ヒットを飛ばした経験があり、これは絶対に欲しい人がたくさんいるなと。
だって、着ると精悍に見えるじゃないですか! パイロットシャツというと半袖のイメージがありますが、今回は長袖もつくりました。色は、白と黒のモノトーンのみ。僕は4枚すべて手に入れました。
白のタイプはタイドアップが基本ですが(ほぼコスプレですが、上にジャケットをはおると普通のドレスシャツに見えます)、黒はカジュアルにジーンズなどと合わせて着ることも。もちろん、黒のスーツに黒のシャツの組み合わせもカッコいいですよ!
Photo:Ikuo Kubota(OWL)
Text:Toshiaki Ishii